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今こそ観たい2000年代フレンチホラーの傑作 アレクサンドル・アジャ監督『ハイテンション』4K版が6月上映[ホラー通信]


アレクサンドル・アジャ監督のフレンチホラー『ハイテンション』(2003年)が、2025年6月に4K版で劇場公開される。『ハイテンション』は、女子大生マリーが殺人鬼との戦いに挑む過程で驚くべき真相に迫るスプラッターホラー。映画評論家の小林真里は、本作が21世紀初頭のフランスにおけるホラームーブメントを牽引し、後の作品にも大きな影響を与えたことを強調している。同監督のワニ映画『クロール』の続編制作のニュースもあり、アジャ監督の作品が注目を集める絶好の機会となっている。

『ハイテンション4K』

嬉しくなってハイテンション。

『ヒルズ・ハブ・アイズ』(06)、『クロール 凶暴領域』(19)のアレクサンドル・アジャ監督の出世作にして、フレンチホラーの重要作品である『ハイテンション』(03)が4K版でカムバック! 6月6日より劇場公開されることが決定した。

本作は、女子大生と殺人鬼の攻防を描く衝撃のスプラッター・ホラー。大学生のマリー(セシル・ドゥ・フランス)は、友人の家で惨劇に遭遇。殺人鬼にさらわれた友人を救出しようとするが、驚くべき真相にたどり着くことになる。

公開に伴い、映画評論家で映画監督の小林真里から推薦文が到着。2000年代のフレンチホラー・ムーブメントを検証するドキュメンタリー『BEYOND BLOOD』(もちろんアジャも出演)を手掛けた小林監督は、推薦文のなかで『ハイテンション』の魅力や同作が後年の作品に与えた影響を語っており、今回の上映について「再訪、もしくは初体験するのに絶好のタイミング」と太鼓判を押している。

アジャ監督は現在、ワニ映画『クロール 凶暴領域』の続編『Crawl 2』(原題)を製作中とのこと。新作が待ちきれない方も、アジャ補給に是非どうぞ。

『ハイテンション4K』
6月6日(金) 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

推薦文

<小林真里(映画評論家/映画監督)>
21世紀エクストリーム・ホラーのパイオニア『ハイテンション 4K』がついに映画館に襲来! 2000年代初頭、ホラー不毛の地フランスで突如勃発したニューウェイブ・オブ・フレンチホラー・ムーブメントの先陣を切り、フランス発のホラー映画を世界的に認知させる大きなきっかけとなった記念碑的作品が、アレクサンドル・アジャ監督の⻑編2作目『ハイテンション』(03)だ。

同胞の『屋敷女』(07)や『マーターズ』(08)のみならず、ジェームズ・ワン監督の『ソウ』(04)やイーライ・ロス監督の『ホステル』(05)といった、ホラーファンの誰もが知る2000 年代を代表するハリウッドのエクストリームなホラーよりもいち早く、この衝撃作が誕生していた意味も極めて大きい。若い女性が主人公のエクストリームなゴア描写と意表を突くツイストを含むスラッシャーに、ダークなサイコロジカルホラー、時に繊細で屈折したラヴストーリーをも融合した、フランス人特有の感性が込められた濃厚な組み合わせが独創的な『ハイテンション』は、20年以上経った今も決して色褪せることがない。

近年ジュリア・デュクルノー監督の『TITANE/チタン』(21)がカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝き、コラリー・ファルジャ監督のボディ・ホラー『サブスタンス』(24)がアカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされるなど、フランス人監督によるホラーの隆盛が顕著だが、その源流にあるのが『ハイテンション』なのだ。また同作のシニシズムと虚無的なエンディングは後世のホラーに脈々と受け継がれているが、その代表的作品がアリ・アスター監督の『ミッドサマー』(19)であり、オズ・パーキンス監督の大ヒット作『ロングレッグス』(24)だろう。

そう考えるとこの2025年は、『ハイテンション』を再訪、もしくは初体験するのに絶好のタイミングではなかろうか? 映画館の大スクリーンで洗練された4Kバージョンを観られるこの機会を、決して見逃すな!

場面写真

©2003 ALEXANDRE FILMS / EUROPACORP

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