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手を使わず頭の動きだけでPC操作するメガネ「JINS ASSIST」発売


ジンズホールディングスは、デジタルデバイド問題に対処し、頭の動きだけでデジタルデバイスを操作できるメガネ「JINS ASSIST」を発表しました。この製品は上肢に障がいを持つ方々のために設計されており、普段のメガネに装着してPCと接続することで、頭を動かすだけでマウス操作が可能になります。ジンズのCEO田中仁氏は、「誰一人取り残されないデジタル化」の実現を目指しており、製品がデジタル環境のバリアを取り除く一助になると信じています。製品の開発にはユーザーテストが取り入れられ、さらに、手頃な価格で提供されます。ジンズASSISTは現在、オンラインストアで販売中です。

「JINS新製品」記者説明会が26日に株式会社ジンズホールディングス東京本社にて行われ、社会課題の「デジタルデバイド」を解消する一助となる、頭の動きだけでデジタルデバイスを操るメガネ「JINS ASSIST」がお披露目された。

「デジタルデバイド」とは、ITの進展によりデジタル化が加速している現在、ITを利用できる人と利用できない人との間に生じる格差のことで、「情報格差」とも呼ばれる。その格差を解消するために誕生した「JINS ASSIST」は、普段使っているメガネに装着してコネクタをPCと接続し、頭を動かすことだけでPC操作を可能にするアイテム。

ジンズホールディングス 代表取締役CEO 田中仁氏は「ジンズはまだ誰にも見えていない世界を切り開き、一人一人の未来を照らしたいという思いを胸に挑戦を続け、常識にとらわれないビジネスモデルや製品、サービスを生み出してきました」と企業理念を伝え、2015年に開発したJINS MEME(ジンズ ミーム)を紹介。JINS MEMEは心と体の状態を可視化し、セルフケアをサポートするためのメガネ型ウエアラブルデバイスで、同製品に搭載された独自のセンサー技術をコントローラー(操作デバイス)として活用する方法を研究している中、JINS ASSISTが誕生したという。

田中CEOは「手や腕に障がいがある方、そのご家族からの『JINS MEMEでマウス操作ができたらいいのに』『デバイスを使って自由にコミュニケーションをとりたい』という声がわたしたちを動かしました」と熱い思いを口にする。

厚生労働省の調査によると日本の障がい者の人口は約1165万人にのぼり、そのうち上肢に障がいを持つ人は約59万人。一方、日本のインターネット利用率は約9割に達するものの、上肢が不自由な人の利用率は3割以下にとどまっている。

田中CEOは「JINS ASSISTはデジタル庁が掲げる『誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を』の実現化に向けて開発されました。メガネに装着し、パソコンと接続すると頭の動きだけでマウス操作ができるので、手や腕に障がいがある方や従来のマウス操作に不便を感じていた方に、頭でマウスを操作する新しい選択肢を提供します。さらに、文章を作る、メールを送る、インターネットを検索するなど当たり前のことかもしれませんが、それらを諦めていた方たちにもう一度可能性を広げるきっかけを提供できると思います」と力を込めた。

株式会社 ジンズ プロジェクトマネージャーの菰田泰生氏は「使い続ける上でのわずらわしさが少ない」「ユーザーごとにカスタマイズできて長時間でも使える操作性を備えている」とJINS ASSISTの特徴を挙げ、デモンストレーションを実施。メガネのテンプル(つる)にアタッチメントを装着し、そこにJINS ASSISTを取り付け、コネクタをPC端末に接続すると2~3秒で接続が完了。

マウスの基本操作は3ステップで、軽く頷くとカーソルが動くようになり、頭を動かしてカーソルを移動、移動を止めて表示されたコマンドから「上を向く(ダブルクリック)」「右を向く(右クリック)」など操作に割り当てられた頭の動きを行う。最初は「緊張して心臓の鼓動が頭に伝わって(カーソルが)止まらない」と苦笑していた菰田プロジェクトマネージャーだが、その後はスムーズで、「慣れるまでに練習時間はある程度必要ですが、直感的で自由度が高く、手で操作するのに匹敵するくらいのマウス操作が行えることがお分かりいただけたかと思います」と自信を見せた。

株式会社 ジンズ クリエイティブディレクターの岩原一平氏はJINS ASSIST開発のため、ユーザーや作業療法士の協力のもと3回のオープンテストを行ったこと、安定性や低コストを求めて有線にしたこと、メガネと一体化させず好きなメガネに付けられるタイプにしたことなどを報告し、「ユーザーテストで貰ったお客様のさまざまなニーズを反映して今回の製品の形にしました」と説明した。

バリア(障がい)をバリュー(価値)化することを企業理念に掲げる、株式会社ミライロ 代表取締役社長 垣内俊哉は「わたしは歩けませんが、これが障がいではありません。街中で段差や階段があることが障がいです。左利きであること、目が見えないこと、歩けないこと、耳が聞こえないこと自体が障がいではない。障害は人ではなく環境にあるものです」と訴え、社会に存在する「環境、意識、情報のバリア」のうち、今回ジンズは「情報のバリアを対象とした変革」に臨み、「JINS ASSISTは障がい者が持つ可能性を最大化するプロダクトになる」と称賛する。

そして、「わたしが生まれた平成元年、働いている障がい者は19万5000人でした。昨年末は67万7000人と急激に増えています。日本の障がい者は1000万人を超えた。海外まで見渡せば16億人を超えている。その周囲も含めればマーケットは18兆ドルにも及ぶ中、障がい者雇用を熱心にしたり、障がい者が使いやすい商品を展開する企業は国内外でもたったの5%です。この市場で先陣を切って取り組むジンズの姿勢は日本全体に、世界に新たなインパクトを与えるものと確信しています」と力強く語った。

JINS ASSIST(税込1万5000円)はJINSオンラインショップ、ミライロストア(数量限定)にて販売中。

取材・文/錦怜那

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