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吉村界人&三河悠冴インタビュー「主人公はいい意味で時代遅れ」「回り道する人間味がいい」ボクシングロードムービー『Welcome Back』公開


映画『Welcome Back』は川島直人監督によるボクシングを題材にしたロードムービーで、粗暴で人気の新人ボクサー・テル(吉村界人)と、彼の強さを信じるベン(三河悠冴)との絆を描く。本作では、二人の関係の変化とテルの敗北に対する姿勢が、ボクシングシーンを通して描かれている。テルは時代に合わない非効率さを持ち、テルとベンの変化する関係性が映画の魅力。出演者は共に役への情熱とボクシングへの取り組みを語っており、映画が現代にどう受け入れられるかを楽しみにしている。『Welcome Back』はヒューマントラストシネマ渋谷ほかで上映中。

2018年、群馬県高崎市を舞台に5人の若者たちの姿を描いた青春群像劇『高崎グラフィティ。』で長編映画監督デビューを飾った川島直人監督の最新作『Welcome Back』が、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国上映中です。

本作は、粗暴だがヒールとして人気の新人ボクサー・テルと、テルの強さを誰よりも信じている純粋無垢なベン、この2人の男の強い絆とやがて変わりゆく関係性を、圧巻のファイトシーンとともに描き出すボクシングロードムービーです。

テルを演じたNetflixドラマ『地面師たち』の吉村界人さん、ベンを演じた黒沢清監督作『Cloud クラウド』の三河悠冴さんにお話を聞きました。

●今回の『Welcome Back』、出演が決まった時はいかがでしたか?

吉村:川島監督とは面識があったのですが、最初はボクシング映画と知らなかったんです。でも、僕が生まれる前に父親がちょっとボクシングをやっていてそれを聞いたことがあったことと、撮影時に29歳で20代最後でボクシングかと。運命ってほどじゃないけれど、その親和性と言うか、「やれ」って言われているような感じはしました。

三河:ボクシングを見るのは好きですが実際にやったことはなかったですし、他にもいろいろな要素があったので、一言で言うと不安でした。ただ、僕は川島監督とは何度かご一緒していて、昔から知っている方ではあったので、身を預けてみようか、飛び込んでみようかという気持ちでした。

●「自分しか表現できない男と、誰かにしかなれない男。」という紹介文がありますが、テルとベンの変わりゆく関係性から目が離せないですよね。

三河:僕もテルとベンの関係性が素敵だなと思いました。それが徐々に変わっていく様を描いている。ただのボクシング映画ではなくて、ロードムービーという形式で人物の関係性も変わっていくスタイルがいいと思いました。ベンはいろいろ抱えていると思うのですが、真っ直ぐですよね。憧れてはいるものの、テルの本心が分からなかったところも僕には興味深かったですね。

吉村:あんまり読んだことがないような内容で面白かったです。ちょっとクサくもあり、川島監督ぽさもある。分かりやすいもの、社会的に大きなものに背を向けたくなる感じ、それこそテルみたいなヒールのような感じですよね。でも、川島監督はアーティストっぽい感じでもないんです。みんなが右ならオレは左を行ってみようかと、そういう精神を感じました。

●今は足並み揃えないと生き辛い時代とも言われますが、そういう意味で川島監督に共鳴するところはありましたか?

吉村:そうですね。自分がいいと思うものが、ことごとく他人とズレていると感じることはあります。これはしょうがないんですけど(笑)。

●先ほど「誰かにしかなれない男」ベンの話が出ましたが、主人公のテルについてはどのようなキャラクターだと思いましたか?

吉村:彼は時代に馴染めていない人間。この時代に勝ちや負けにこだわり続けていろいろな人を巻き込み、そしてそれが全部めちゃくちゃすぎる。僕の中では、合理的にやって勝ち負けのない世界が令和って感じがするんです。無駄を省くっていうか。自分のメリットを選ぶ時代で、それをみんなが「いいね」と言ってくれるから選ぶみたいな。選んだ結果を数値化して、「それがあなたの価値ですよ」という時代とは真逆の、「知らねえ」みたいな。それがいい意味で時代遅れって感じがしました。

三河:めちゃくちゃ非効率ですよね。テルは。

吉村:遠回りしてやっているからね。

三河:でもそこがテルの魅力ですよね。

●ちなみにおふたりは今でもボクシングをやられているそうですね。

吉村:僕はお芝居をしているうえで、自分のモチベーションに役立つんです。なのでお芝居をやっていなければ、続けていなかったかも知れないですね。仮にサラリーマンをしながらボクシング映画に出ることはないと思うので、お芝居があるからやっているという感じはあるかも知れない。

三河:それは精神性?

吉村:僕にとってはお芝居と相性がよかったという感じですね。

三河:僕はシンプルに強くなりたいからですね(笑)。精神もそうですし、肉体的にもそう。ボクシングをやっていると、人に殴られることに慣れてくる。最初は怖くてびっくりしたんですけど。

●この『Welcome Back』、今の時代に公開されることに何か思うことはありますか?

三河:登場人物の誰に感情移入するかは人それぞれだと思いますが、僕は青山拓人(遠藤雄弥)に感情移入したんです。彼の人間味があるところが僕は好き。映画館で観た時に、みなさんどう想うのか楽しみです。

吉村:映画って、観た後に顔がちょっとにこやかになればいいと思うんです。社会貢献になるための映画は、違うポジションの人がやればいいと。この映画を観て聖人君主を目指そうみたいな、そういう人もいるかも知れないですが、僕はあんまりそう捉えていなくて。こういう価値観もあるなでいいと思うんです。

■公式サイト:https://welcomeback-movie.com/ [リンク]

■ストーリー

新人王最有力候補のボクサー・冴木輝彦(通称:テル)と生まれつき記憶力に長けているがコミュニケーションが苦手な友原勉(通称:ベン)。

二人は同じ団地で兄弟のように育った。ベンはテルを真似てシャドーボクシングをしていられるだけで幸せだった。ベンにとってテルは憧れで、絶対だった。

だが、そんなテルが新人王決定戦で北澤に負けてしまう。

しかし、敗北後も、テルは何事もなかったかのように、あっけらかんと振る舞う。ベンにも変わらず優しく接するが、テルの生活は少しずつ荒み、遊び呆ける日々。まるでボクシングなど初めから興味がなかったようにすら見えるその姿が、ベンを不安にさせた。憧れだったテルを、たった一度の敗北により失ってしまったのだ。

そんな喪失に耐えられないベンはある日、テルのグローブを持ち出して、「テルは負けない」「テルは負けない」と何度も呟きながら宿敵・北澤に復讐を誓い、歩き始める。

ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国上映中

©2025 GunsRock

(執筆者: ときたたかし)

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