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ニコンとアドビは12月14日、米国で10月に開催されたイベント「Adobe MAX 2022」に参考展示したミラーレスカメラ「ニコン Z9」の来歴記録機能と、来歴記録を持った画像の撮影や編集のワークフローを解説するメディア向けの説明会を開催しました。
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ディープフェイクやNFT作品制作での盗用といった問題を背景にアドビが主導して立ち上げた“コンテンツ認証イニシアチブ”(Contents Authenticity Initiative、以下CAI)は、デジタルコンテンツの来歴に関するオープンソースの業界標準を確立し、オンラインコンテンツの信頼性を高める取り組みを進めています。CAIにはニコンやQualcomm、Armといったハードウェアメーカー、ニューヨーク・タイムズ、BBC、Twitterといったメディア企業など800以上の企業・団体が参加。
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ニコンはCAIとのパートナーシップのもとで作成された規格“Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)”に準拠した来歴記録機能をニコン Z9に組み込んで、Adobe MAX 2022に参考展示を行いました。来歴記録機能は、写真の撮影時に撮影者、撮影日時、使用機材、場所、サムネール画像、著作権者といった情報を記録。データの真正性を担保する証明として活用します。実際にニコン Z9で来歴記録機能を搭載する予定はなく、開発中の機能を発表するために用いられています。
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アドビは「Photoshop」にコンテンツ認証機能を搭載し、編集内容や編集履歴の情報を記録できるようにした他、素材ライブラリ「Adobe Stock」での素材のアップロード時に、コンテンツ認証情報を含む仕組みを整備。コンテンツ認証情報は「Verify(確認)」のウェブサイトを利用することで、画像とその構成要素の概要、最新のファイルを構成する各アセットの接続と履歴を確認することができます。
Verify
https://verify.contentauthenticity.org/[リンク]
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説明会のデモでは、ニコン Z9で来歴データ付きの写真を撮影。Photoshopで別素材を結合する編集を行い、編集した画像の利用者がVerifyで来歴データを確認するというワークフローを実演しました。
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撮影した写真をVerifyで確認すると、Exifデータとして記録された作成者、著作権の情報に加えて「署名者」「制作元」「制作ツール」といったコンテンツ認証情報が来歴として記録されていることが分かります。
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Photoshopの環境設定でコンテンツ認証情報を有効にすると、画像の属性や履歴データの収集が有効になる他、書き出し時にコンテンツ認証情報をVerifyで確認できるようにクラウドへ公開するオプションが選択可能に。
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撮影した写真にAdobe Stockから取得したクマの素材を合成すると、加工元となったそれぞれの素材、編集内容の履歴がコンテンツ認証情報に記録されます。
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png形式で書き出した画像をVerifyで確認すると、素材の構成要素や編集履歴を含むコンテンツ認証情報を確認できることが分かりました。
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構成要素をツリー形式で表示したり、加工前後の画像を比較することも可能。加工・改変されているかどうか、オリジナルは誰が撮影して著作権を持つ画像か、といった情報を確認したうえで利用可能になります。
コンテンツ認証情報は写真に限らず、動画や音声、イラストなどあらゆるフォーマットのコンテンツで利用できるとのこと。カメラを使った人間を特定する認証ができるかどうか、書き出した画像のコンテンツ認証情報を掲載メディアやSNSでどのように引き継げるか、など課題はあるものの、コンテンツの真正性を示す手がかりになる技術として、今後もCAIやC2PAの動きに注目できそうです。