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チームの暗黙の了解をWorking Agreementとして定めた話(For Your ISHIO Blog)



今回はいしおさんのブログ『For Your ISHIO Blog』からご寄稿いただきました。


チームの暗黙の了解をWorking Agreementとして定めた話(For Your ISHIO Blog)


自分では当たり前と思っていたけど、隣のメンバーは知らなかった・違う認識を持っていた。仕事をしていてそんな経験はありませんか。


私は、個々人が創造性と情熱をもって、自律的に働ける組織こそが、最大限のパフォーマンスを発揮できると考えています。そのための環境作りの1つとして、我々が取り組んでいるWorking Agreementについて書きたいと思います。


Working Agreementとは


Working Agreementとネットで検索すると、おそらく色々な記事が出てくるかと思いますが、私は次のように定義しています。


共に働く上での非公式の合意事項


例えば、クライアントとの取引や各従業員の雇用等の関係性については、契約書があり文書で明文化されており、私は「公式」的な合意事項のくくりに含んでいます。


一方で、組織に属しチームとして共に働く(=生活する)上中で、特に書面で合意したわけでもないし、雇用契約条項に書かれているわけではないけど、いつの間にか「暗黙の了解」として皆が従っている様々な決まりごとが出てきます。 例えば、、(今考えている)


・週に1回、チームの誰かがルンバを回す

・喫煙者は、毎回ファブリーズをする

・生ごみはこっちのゴミ箱に捨てずにあっちのゴミ箱に捨てる

・帰宅時は、メンバーに一声かけよう。

・空調の調整方法について

・とかとか。


こういったものを我々は「非公式の合意事項」と考えており、どちらかというと仕事の内容ではなく職場環境や生活する上での合意事項を集めて合意した文書がWorking Agreementです。


Working Agreementを決めるべき理由がいくつかあります。


・チームメンバーが入れ替わるリスク

・新メンバーのスムーズなジョイン

・メンバー間、お客様との不必要な衝突や仲たがいを避ける

・直接言いにくいこともある

・セキュリティリスク


暗黙の了解事項は、個人の頭の中に知識として蓄えられているため、チームメンバーの離脱等、入れ替わりがあった際に、チームとして知識を消失するリスクが発生します。また、新しいメンバーがチームにジョインした際に、スムーズにチームに参加できるメリットがあります。メンバー各人が考えている「当たり前」が違うと、それは時として、メンバー間の仲たがいが発生するリスクにつながりますし、セキュリティリスクにつながることもあります。


どのように作り運用するか。


Working Agreemnetはどのように作成すべきでしょうか。私たちのチームでは次のようなプロセスで作成し、現在も運用しています。


・最初にチーム全員で、「暗黙の了解」となっている非公式な合意事項を洗い出します。

・集約した項目の中には、Working Agreementに含むべきではない項目が出てきます。例えば上述のような契約事項は「公式的」なものですから、Working Agreementには含めない、という考え方を私たちは取っています。これらをメンバー全員の合意のもと精査する。

・集約した項目の中には、各メンバーによって認識が違うものが必ず出てきます。これらをメンバー全員で1項目ずつ擦り合わせを行っていきます。

・作成したWroking Agreementのテキストは、プロジェクト管理ツールのWiki等に展開し、誰もがいつでも確認できるようにします。


新しいメンバーが入ってきたときは、まずチームの働く上での合意事項としてWorking Agreementを読んでもらいます。また、働いている中で、暗黙の了解は増えていきますし変わっていきます。Working Agreementは働く中で柔軟に追加・修正していくべきものと考えていますが、個人的に編集するのではなく、MTG等のメンバーが集う場で合意を取って修正していきます。


また、Working Agreementを破った場合、決してその人を非難するべきではありません。誰だって失念することはありますし、間違いを犯すこともあります。罪人の様に扱うのではなく、こういったタイミングを会話の契機として、チーム内のコミュニケーションや関係性を向上させていくことだと考えています。


現在我々のチームでは、100個近くの項目が存在します。是非皆さんも試してみてください。


 

執筆: この記事はいしおさんのブログ『For Your ISHIO Blog』からご寄稿いただきました。


寄稿いただいた記事は2019年10月12日時点のものです。


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