「もしも自分以外の誰もがザ・ビートルズを知らない世界だったら?」――そんな不思議な世界を描くダニー・ボイル監督の最新作『イエスタデイ』が10月11日(金)より公開。思わず笑みがこぼれるユニークな本編映像をご紹介します。
主人公・ジャックは、鳴かず飛ばずの売れないシンガーソングライター。音楽で有名になりたいという夢に限界を感じていたそんな時、世界規模で瞬間的な停電が起こり、交通事故に遭ってしまいます。昏睡状態から目を覚ますと、この世には史上最も有名なバンド、ザ・ビートルズが存在していないと気付き――。
ご紹介するシーンは、“ザ・ビートルズの名曲を覚えているのは全世界で自分だけ”という状況の中、ジャックが記憶をたどり、彼が生み出したことになる「ヘイ・ジュード」を収録するシーン。
ジャックにアドバイスをしているのはなんと超人気シンガーソングライター、エド・シーラン(本人)! 「ヘイ・ジュード」はポール・マッカートニーがジョン・レノンの息子ジュリアンを励ますために作ったとされていますが、ジャックは「(曲のモデルは)気の毒な子なんだよね」とごまかしながら会話をあわせます。
そこでエドの厄介なアドバイス! 「タダでいいよ」と前置きし、「“ジュード”って古臭くないか? ヘイ・“デュード(相棒)”にしたらどう?」と言い出すのです。それに対し、うまく反論ができないジャックの困惑の表情がなんとも可笑しい。
ここで気になるのが、我々の生きている“みんながビートルズを知っている世界”では、「ヘイ・デュード」という有名な曲が既に存在すること。ザ・ビートルズと同じくイギリス出身のバンド、クーラ・シェイカーの1996年のシングル「ヘイ・デュード」は、イギリス本国でも大ヒットしています。しかしながら、「ヘイ・デュード」が「ヘイ・ジュード」にかけて作られているのだとしたら、ザ・ビートルズのいない世界では「ヘイ・デュード」も存在しないわけで……。ザ・ビートルズの存在しない世界とはそういうことか!と実感させられるシーンでもあります。
本編映像では困惑したジャックがひとまず“ヘイ・デュード”で歌ってみますが、やはりしっくり来ない様子。それに対し、エド・シーランやケイト・マッキノン演じるプロデューサーは「“ジュード”よりずっといい」「大ヒット確実」と囃し立てます。果たして「ヘイ・ジュード」は「ヘイ・ジュード」のまま世に出ることはできるのか……!?
『イエスタデイ』
10月11日(金)より全国ロードショー
監督:ダニー・ボイル
脚本:リチャード・カーティス
出演:ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、ケイト・マッキノン、エド・シーラン
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