見た目は大人、中身は子ども! 「DCコミックス」異色のヒーローを映画化した『シャザム!』が4月19日に公開。「シャザム!」と魔法の言葉を唱えることで、6人の神々のスーパーパワーを発揮する悪ガキ・ビリーの冒険をコミカルに描いた、未だかつてないヒーロー映画に注目が集まっている。
公開を前に本作の監督をつとめたデビッド・F・サンドバーグ監督に電話インタビューを敢行。『ライト/オフ』(2016)、『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)、そして本作と異色の経歴をもつデビット監督に色々と聞いてみたぞ!
●まずシャザム(主人公)の魅力について教えてください。
僕たちの究極の願いがカタチになっている物語ということが、シャザムの大きな魅力だと思います。どの子どもでもスーパーマンになりたい、超人的なパワーを持ちたいと思うわけで、シャザムは主人公のビリーが実際にそうなってしまうことがユニークなところで、それが最高のアイデアだと思うし、どうしてもこの映画を監督したかった理由でもあります。
●アクション描写がエキサイティングですが、撮影で心がけたことはありますか?
アクションのシーンを撮ることは自分の夢でした。これまで低予算ホラーを作ってきた自分が初めて与えられるチャンスであって、アクションを作ることができたことは本当に夢が叶ったようなものです。自分がアイデアを想起してアクションを撮ることに、とてもわくわくしました。
●難しかったことはありますか?
いろいろとあったけれど、スーツのデザインが今回初めてだったので、何度もスーツを作り直さなくてはいけないという作業そのものを知らなかったです。こだわった稲妻のマークも長すぎてしまうと、ザック(ザッカリー・リーヴァイ)が動けなくなってしまうんです。布の繊維のパターンも、ものによってはザックの動作が制限されてしまうんです。だから観ていて、イケていて動ける、戦ったり、飛んだりするデザインに仕上げることが、すごく難しかったです。
●機能性とデザインの闘いみたいなことですね。
シャザムのブーツも撮影に入って二日目に、新しいものを作り直す必要がありました(笑)。見た目はカッコよかったけれど、実際にザックが履いていたら、脱げてきちゃうことがありました。
●なんでも監督自身、80年代の映画やカルチャーの影響を受けているそうですが、そういう映画もまた最近はよく登場していますよね。
僕は80年代っ子ですが、確かに80年代にインスピレーションを受けた映画が増えていて、その背景には僕と同年代の80年代を経験している監督たちが映画を作っているからではないでしょうか。当時はアドベンチャー満載の楽しい作品が多く数多く作られていて、最近は少なくなって久しいですけれどね。ただ今回、80年代を感じる映画にはしたかったけれど、舞台を80年代に設定したわけではないんです。80年代の<感じ>が伝わる作品になったと自負しています。
●ホラー映画の監督として、今回こだわったことはありますか?
これはファミリーフレンドリーな作品である必要があったから、自分のホラー以外のスキルを使わなければいけなかったんです。ただ、ホラー要素の表現は思う存分使っていて、その恐怖を演出したかったけれど、『ジュラシック・パーク』や『インディ・ジョーンズ』レベルの恐怖にとどめなければいけなかったんです。自分でもあまりやり過ぎてはいけないと思って、自分を抑えてやっていました(笑)。
●どういう映画が撮りたくて、映画監督になったのでしょうか?
スピルバーグの大ファンで、ジェームズ・キャメロンも大好きです。あの系統はすごく好きですね。あとはホラーで、ジョン・カーペンターにウェス・クレイヴン、彼らももちろん大好きだし、自分はすごくホラーに近い人間のような気がしています。『シャザム!』の後はどういう作品を撮りたいか決めていないけれども、ホラーに戻りたいという気持ちもあります。この作品を撮るために2年も費やしたから、もう少し小規模な作品を撮りたいですね(笑)。
●ちなみにライバル視している監督は?
いないですよ(笑)。でもプロデュースをしてくれているジェームズ・ワンは仲間だけれど、僕より全然レベルが高いし、「彼のようになりたい」という回答でお願いします(笑)。
●きっとシャザムに共感するような読者もいるかなと思いますので、この映画の楽しみ方を教えてください。
自分という人間がよりよい存在に成長していく物語です。もっと人と触れ合うことができるようなものになっていく。主人公ビリーの目的は自分の家族を見つけることだけれど、物語自体が共感を呼べるはずです。ひとつ言えることは僕も超オタクなので、同じオタクが作った映画ということで楽しめるはずだと思います。
『シャザム!』ストーリー
身寄りのない悪ガキ「ビリー・バットソン」は、ある日怪しい魔術師からスーパーマンに負けないほどのパワーを手に入れる。仲間の「フレディ」とともに悪ノリを始め、あちこちで怪力を試したり、稲妻パワーを無駄遣い! すると怪しい科学者「Dr.シヴァナ」が現れ、スーパーパワーを狙われることになる。さらに「七つの大罪」というクリーチャーたちが召喚され、仲間のフレディはさらわれ、遊んでいる場合ではないと気付いたビリーは、仲間を救うためヒーローパワーを駆使して戦う!
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