どうも、不動産ポータルサイトの編集長を務めているライターの丸野裕行です。
ペット不可物件で「おとなしい小型のペットなら飼ってもOKなんじゃないの?」という入居者の声をよく耳にします。一人暮らしなんかしていると、変に人肌恋しくなるときや無性に淋しくなるときというのがあるものです。
帰宅時に「おかえり~!」と出迎えてくれる相手がいない。今日あったことを聞いて欲しいのに、話し相手がいない……。こんな気持ちを埋めるためにペットを飼いたいと思ってしまう人が少なくありません。とはいえ、賃貸物件で暮らすとペットを飼うことはできませんよね。
だから「金魚や熱帯魚、亀、ハムスター、爬虫類くらいなら、鳴かないし、散歩に出かけるわけでもないので買ってもいいんじゃないの?」ということになってしまうわけです。
果たして大家さんや管理会社に報告せずにこっそりペットを飼っていてもし見つかった場合、退去させられるようなことはあるのでしょうか?
今回は3棟の賃貸物件を所有する大家さんと、マンション管理を行っている不動産業者の方にそのあたりの話を聞いてみました。こっそりとペット飼おうと思っているあなた、この記事を参考にしてみてください。
契約書に記載された禁止事項は守らなければならない
結論から言えば、基本的にはその物件の賃貸契約書記載の禁止事項によります。最近では、ペットについて、細かな規定がある賃貸マンションやアパートが多く、犬や猫、小動物、観賞魚を含め、すべてに関して禁止としている賃貸物件もあれば、“水槽や小さなゲージの中で飼える動物であれば可”と具体的な条件を挙げる物件まであります。
あなたがどうしてもペットを飼いたいのなら、まずはあなたが交わした賃貸契約書の内容を確認してみましょう!
退去の可能性はある
ペットの飼育が禁止事項に記載されているにもかかわらず、それを無視してペットを飼育してしまうと、居住中でも契約違反として、家主とのトラブルに繋がります。
もし、ペットを飼っていることを知られてしまうと、規定に“退去”という文言あれば、従わないといけません。一度違反をしてしまうと、オーナーさんにも管理会社さんにも信用してもらえなくなるので、肩身が狭くなって引っ越しせざるを得なくなります。
絶対にバレるペットの飼育
あなたがバレないと思っていても、必ずバレてしまうものなんです。退去時の室内確認や家電修理などで第三者が入室すれば、鳴き声や臭い、室内の傷などでペットを飼っていたことが、すぐにバレます。
そのことが公になると、原状回復のための室内クリーニング費用や殺菌清掃、消臭清掃費用まで割増請求されてしまう可能性もあります。
オーナーや不動産屋さんが判断する許容範囲
ペット不可の賃貸物件で、犬猫以外の小動物であれば、種類やサイズ、数によっては、容認してもらえる範囲もあるようです。そこの部分を聞いてみましたが、対応や基準もさまざまなようです。
意外とウサギは室内を破損させる
例えば、ウサギ。フェレットなどと同じく一般的には“飼育禁止”とされることが多いようです。いくら小さくおとなしい性格といっても、室内のさまざまな所を歯で齧るため、下手すると、猫以上に室内を破損させることがあるといいます。
「ハムスターだったら大丈夫でしょ?」という意見が聞こえてきそうですが、答えはNO! 大家さんや管理会社からは、ハムスターも意外に容認されているわけではないのです。ハムスターはネズミと同じく、つがいで飼うとあっという間に大繁殖。賃貸物件の中がフンだらけになるケースもあるとのこと。ケージ内の廻り車の音がうるさいと隣人から苦情が出ることもあるそうです。
鳥類は全面的に禁止、凶暴な爬虫類も禁止
鳥類は一般的に禁止動物です。小さくても鳴き声がうるさく、高くて清掃ができない場所にフンするので、物件のオーナーとしてはかなり迷惑とのこと。
陸ガメやトカゲなどの爬虫類、両生類は、小型で逃げ出すことがなければ許容範囲ですが、大型のオオトカゲや凶暴なカミツキガメは許容範囲を超えるので禁止されているそうです。
魚類は範囲内でも、大型魚やマニアックな飼い方は×
大家の承諾がいると思っていない入居者が多い金魚や熱帯魚、メダカは、ほぼ許容範囲とされていますが、愛好家好みのアロワナは飼育するために巨大で重量のある水槽を設置する必要があるので禁止。これについては、災害時(地震や火災)に危険を伴うためだと言うことです。
さらに、熱帯魚マニアが飼育するさまざまな種類の熱帯魚の大量飼いは禁止です。驚くほどたくさんの水槽が部屋中にひしめき合っている状況は、水漏れリスクを考えれば恐ろしいと言います。
ペット不可物件でこっそりペットを飼うとどうなる?
室内飼いでこっそりと動物を飼っている人は、まず100%バレることを覚悟してください。管理会社にいち早く情報が入るのは、近隣に住む入居者からの通報です。鳴き声がする、臭いがする、足音がするなど、さまざまな密告の電話がかかってくるとのこと。
マンションの防犯カメラにペットと一緒にいる姿が映っていることもあるそうで、その言い訳が「友人から短い間預かっただけです」というものだそうですが、部屋に動物を入れていることが発覚すれば飼い主に返すか、別の人に飼ってもらうか、退去してもらうかしかないそうです。
さらにひどいケースでは猫アレルギーを持っている住人が呼吸困難を起こし、救急車で運ばれたというものもあるそうです。ペット飼育不可物件というのはそういった入居者の事情が当然優先です。入居中に発覚しても退去時に発覚しても、必ず困った事態が生じるので飼うことはあきらめましょう。
(C)写真AC
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