250万ダウンロードを誇るサンリオゲーム『SHOW BY ROCK!!』が2017年に5周年を迎え、昨年より大きな展開を続けるLive Musical「SHOW BY ROCK!!」(通称、しょばみゅ)。
2017年5月にはライヴシーンをメインとしたフェスを開催、10月に第2弾となるミュージカル公演を行いました。そして今年2018年もフェスとLive Musical公演が再び! 6月にはZepp DiverCity(TOKYO)で『Live Musical「SHOW BY ROCK!!」~THE FES 2018~』を開催します。
昨年のミュージカル公演に初登場し大反響となったのが、アダムとイヴの2人組ユニット・défendu aube(デファンデュオーブ)。アダムとイヴはシュウ☆ゾーとロムが過去に組んでいたバンド・アマテラストの元メンバーでもあります。
今回は、アダム役・KIMERUさんとイヴ役・吉岡 佑さんにインタビュー。
写真撮影の際に、「仲の良い感じで」とリクエストすると、「えー、仲良くないし」(KIMERUさん)、「絶対言うと思った!!」(吉岡さん)といった和やかなやり取りを繰り広げる2人。インタビューも部屋の外にまで笑い声が漏れるほど終始大盛り上がり!
それぞれの役作りについてはもちろん、アマテラストがアフターライヴをしたビギエンデーの裏話などお話を伺ってきました!
病んだアダムに「あんな捨てられ方したらそうなる!」
――KIMERUさんは昨年5月のフェスに出演されていましたが、吉岡さんは10月のミュージカルが初参加でしたよね。そして、お二人とも原作にはまだあまり登場していないキャラクターということで……。
KIMERU:2.5次元作品なのに、参考にするものがないことって、なかなかない!
――珍しいですよね。役作りはどのようにされたのでしょう?
KIMERU:僕はフェスから参加しましたが、その段階でまず、偽っている方の「エムシ」というキャラクターから演じることになって。偽る前の元の姿が、まだ明確なキャラクターとして出てきていないのに、偽るために変身しているキャラから来ちゃったから「えーっ!」となりました。でも、バレないように変身しているという設定なので、ある程度作り込んでもいいかなと思って。台本を読んだら結構ダークな感じだったので、MCである「エムシ」というキャラをふまえて、エレガントな感じも出すことを考えました。
最初の台本では、セリフが英語とフランス語が混ざっていたんです。「Ladies and gentlemen!」など英語も多かったんですけど、統一した方がいいってなったときに、僕の演じた雰囲気を見て「フランス語の方がいいんじゃないですか?」と演出家の方に言われて、そこからフランス語を話すアダムが少しずつ生まれていきました。
――ビジュアル撮影の際に受けた指示などあったのでしょうか?
KIMERU:最初のビジュアル撮影のときは、なんかキレやすいキャラです、という情報だけもらい、まだ10月のミュージカルの台本はなかったんですけど、いざ蓋を開けてみたらめっちゃ出番があって(笑)。
吉岡:それはいいじゃん(笑)。
KIMERU:いいんだけど、どんなキャラクターかもよくわからないのにたくさんシーンがあるし、この間やった「エムシ」も出てくるんだ、とか思いつつ過去にも飛ぶし……、喜怒哀楽が激しい役でした。
もっと泥臭くというか、陰湿にしようとしていたんですけど、すごい恨んでいるというよりは、「こっち向いてよ!もっと構ってよ、シュウ(愁)!」みたいなニュアンスを強めにした結果、病んだアダムが出来上がりました(笑)。基本的に子供っぽさやわがままな部分がある。……でも! あんな捨てられ方したらなるよ!! ひどいよ、あいつら(シュウとロム)。そこはまだ許せてないよ! KIMERUとしても許してない(笑)!
だから、純粋にバンドが好きだった子が、あんな捨てられ方をしたらああなっちゃうんだな、というのを描けたかなとは思っています。
――劇中でも、「エムシ」からだんだん「アダム」になっていく心情が現れる変化がありましたよね。
KIMERU:そうですね、衣裳なども半分だけ変わったり……。少しずつ鎧を外して最終的に自分の本心を言うといった感覚はありました。
――イヴはビジュアルとのギャップにすごくびっくりしました。
KIMERU:だって「あ~だ~む~♪」で、お客さんポカンとしてたもんね。あのビジュアルが先に発表されていて、幼稚園児みたいなキャラが出てきたらね。イヴはお花飛んでる。
吉岡:ちょっと痛いやつですよね(笑)。最初は、KIMERUさんと同じで元のキャラクターがわからなかったので、悩みました。ビジュアル撮影から入ったんですけど、髪も長くてカッコイイ系かと思っていて。ちょっとブラジャーみたいな衣裳ですけど(笑)。
KIMERU:基本変態なんだよ(笑)。
吉岡:クールキャラなのかなと思いつつ、稽古でいろいろ試している中で、「今日はちょっとおバカキャラでやってみてもいいんじゃない?」と演出家の方と相談しながらやってみて、最終的に「そういうキャラでもありなのかもね。見た目とのギャップが面白いかもしれない」となりました。アダムが最初はクールなキャラだったので、イヴはそっち路線でもいいのかも、と。“見た目は怖いけれど根が優しい”という設定はあったので、そこを掘り下げたら「あ~だ~む~♪」になったんです(笑)。
KIMERU:完全に「アダム」をひらがな呼びだもん、絶対。
吉岡:そこからおバカキャラというか、のほほんとしているキャラが生まれていきました。
KIMERU:だって、結構年齢いっているはずなのにジューダスJr.に交じって前説しているからね。あれ精神年齢で入れるの?って思ったもん(笑)。
吉岡:あれはアダムに言われてやってるから!
KIMERU:だけど、おじさんは入れないでしょ(笑)。精神年齢で入れる夢の国“ジューダスJr.”。あの世界はたぶん夢の世界なんだよ。
――でも、あの場面は歌のお兄さん的な、Jr.をまとめているリーダーってイメージで見ていましたよ(笑)。
吉岡:ありがとうございます、その通りです! 大変でしたよ、冒頭からテンションぶち上げるの。
KIMERU:出番少なかったからやってるようなもんでしょ?
吉岡:そういう言い方やめろ(笑)!
――冒頭のシーンから過去のシーンにいくまで、アダムとイヴは一緒の場面がないですよね。
KIMERU:そうなんですよ。最後の殴り合いのシーンに行くまでにあまり関わらないので、それをいかにそう感じさせないか、というのが大変だった。アマテラストの演奏中も会話はしないし、目が合うくらい。
吉岡:確かに、個人的にはもう少し絡みがあっても楽しかったかなとは思いますよね。まぁ、時間の尺の問題もあると思いますけど。
KIMERU:イヴはギャラ泥棒でしたよね(笑)!
――お二人は他の作品で何度もご一緒されているので、共演シーンが少ないことを感じさせないくらい、仲の良さが出ていたと思います。
KIMERU:あえて語らなくても、こうやって表現できるんだなと知ることができたのは発見でした。
――登場シーンが少ないと言えども、お客さんには強烈なインパクトを与えていて、アダムとイヴのファンが急増しましたよね。
KIMERU:反響が大きかったので嬉しかったです。受け入れてもらえるのか?というのがまずあったので。
吉岡:原作にもきちんと登場していないからね……。
KIMERU:お客さんは、お花飛んでるやつだったり、棒振り回したりするやつだったり、そんなキャラクターだと思って観に来ていないじゃないですか。受け入れられるのかな? というのが怖かった。でも、じわじわとデファンデュファンが増えているのは、公演を重ねるごとに感じました。
アマテラストは解散直前の昔のV系バンド! ビギエンデーでの違いとは?
――劇中の時間軸でも過去という設定のアマテラストは、演じる上での気持ちも違ったと思いますが、意識して演じたポイントやパフォーマンスはありますか?
KIMERU:前作での意識として、アマテラストは“解散直前のバンド”がテーマだったんです。だから、「ロムとシュウはほとんど目を合わせないから」と言われていました。でも「アダムとイヴは関係ないから目を合わせに行く」と言って、僕らから目を合わせに行くんです。だけど、行ってもあまり絡んでもらえないんですよ。
――悲しい……。
KIMERU:千秋楽くらいに直也(ロム)が見てくれたけど。
吉岡:ほぼ見ないですね。
KIMERU:Beginning of the endデーっていうアマテラストのアフターライヴがあったスペシャルな日は、「もう少し前のイメージでやろうよ」ってことで、イケイケだったんですよ。
――なるほど! それで愁様の煽りなどの差があったんですね。
KIMERU:だから、その時はシュウも結構見てくれたりして、楽しかった~!! 仲の良いバンドの方が楽しい!! もうギスギスバンド嫌! 前回はそういう楽しみはありました。デファンデュはガンガン絡んで、アマテラストは全員がクールな立ち位置としてやっていました。
――次の6月のフェスにもアマテラストは出演が決まっているので楽しみです!
KIMERU:どういう出方をするのか謎です。
吉岡:また僕はブラジャーのような衣裳を着ないといけないんですけどね。
――実はイヴが出演者の中で一番際どい衣裳ですよね。
吉岡:本当にすごいですよ! ヤバイですよね。露出狂だよ(笑)!
KIMERU:いやいや、まだ(上裸の)ロムがいるから。
吉岡:ロムみたいに裸だったら開き直れるけど、あの網網は……。最初は本当に恥ずかしかったです。だけど、本番をやっていく内に吹っ切れました。
KIMERU:いや、でもヴィジュアル系ってこういうものだよ。僕は見慣れているから、何を恥ずかしがっているんだろうって感じだったけど。
吉岡:でも最初は結構驚きますよね?
――さまざまなヴィジュアル系のバンドを見てきましたが、そんなによく見るスタイルではないですよね(笑)。
KIMERU:あはは、よくあるじゃん、スケスケの。
吉岡:昔はいたかもしれないですね。
KIMERU:アマテラストは昔のバンドだから! 今のポップな感じではなくて、“THE 昔のV系”な感じだから。だって、昔はめっちゃスケスケの人もいたよ。パンツまでレースでスケスケだったもん。
吉岡:あ~、じゃあそれを考えるとまだマシか。
KIMERU:イヴは、下はレースじゃなかったでしょ?
吉岡:そうね。あれで下がレースだったらもうヤバかった。ただの変態じゃん(笑)。
米原幸佑と鎌苅健太の人生経験がにじみ出ているカンパニー
――「しょばみゅ」はメインのキャストさんが2.5次元舞台の中でもキャリアのある方が多いところが魅力だなと思います。
KIMERU:特にシンガンクリムゾンズはそうですね。
吉岡:シンガンはやっぱりすごかった。めちゃくちゃカッコイイです。
KIMERU:今回の座組は、シンガンのボーカルのこうちゃん(米原幸佑)と、トラクロのボーカルのケンケン(鎌苅健太)が、すっごい仲良くて! この2トップが回してくれたんですよ。(ロム役を怪我で降板した)滝川英治の件もあって僕が動揺していたときに、2人で連絡を取り合って「キメちゃんを支えよう」ってなったらしいんです。それは後日聞いたんですけど、僕は2人にかなり支えられました。
いろいろ経験してきた2人の人生経験がバンド感や座組の雰囲気に出ているなと感じました。
吉岡:僕は、もう出来上がっているカンパニーに入っていかなきゃいけないので、圧倒される日々でした。でも、本当に楽しい良い座組ですね。稽古帰りもバンドごとに帰ったり。
KIMERU:ケンケンはツインズの2人が好きすぎて、(リク役の)ゆうたろうにウザがられてた(笑)。
「フェスでは距離が縮まっている感じが出せたらいいな」
――「しょばみゅ」の魅力と言えば迫力のライヴシーンですが、体験してみた感想は?
吉岡:僕らの歌は、最初はKIMERUさんだけが歌うはずだったんですよ。
KIMERU:でも、僕が嫌だと言ったんです。バンド感がないし、アマテラストのときにアダムがコーラスでもやっていればいいんですけど、まったく歌っていなかったし、2人が出たときに僕だけ歌うのってどうなんだろう、と思って演出家に相談しました。絶対2人で歌った方がいいと思ったんだよね。やっぱり1人で歌う曲じゃないなと思って。禁断の夜明けのデファンデュオーブは2人で迎えているので、1人で歌ったら結局またアダムが突っ走っているように見えちゃうかなと思ったんですよね。
吉岡:「カム・ウィズ・ミー!」のコールもだんだん定着してきて嬉しかったです。
――6月のフェスでもきっとお客さんが返してくれると思います!
KIMERU:今までゲームの中でも登場していないし、楽曲を知ることができるのが劇中しかなかったですけど、DVDが出たので予習できるからね! それを覚えて来ていただきたいです。
――前回の公演を経験した上で、6月のフェスでやってみたいことはありますか?
KIMERU:この前の公演だと、ライヴシーンも大騒動を起こした後じゃないですか(笑)。だから、楽しんではやっていたんですけど、他のバンドと交流できなかったので、まだどんな演出になるかわからないですけど、カーテンコールも含めて可能であれば他のバンドメンバーに絡みたいです。前回はまったく絡まなかったんですよ、ちょっとロボットに反応するくらい。
――前作は、キャラクター的にも、積極的に絡んでいくのが難しいポジションでしたからね。
KIMERU:みんなも新キャラだからどう絡んでいいかわかってないし、様子見で終わったから(笑)。一応、あれから時間も経っている設定だと思うので、シンガンやトラクロだったり、時間の経過を出せたらいいですね。シュウとロムに関しては、いきなり氷が解けたみたいなことはないとは思うんですけど、少しずつ距離が縮まっている感は出せたらいいな。
――そうですね……、本当にただただ可哀相でしたから。
KIMERU:デファンデュの僕たちがライヴシーンで歌った時に、僕らが笑顔でいればいるほど泣いたってみなさん言っていて。「幸せになって!」って手紙をたくさんもらいました(笑)。だから、「僕たち幸せに進んでいますよ~」ってところが出せたらいいですね。
吉岡:でも、これだけのメンバーが勢揃いするので、みんなバラバラでやっても面白そうですよね。いろんなバンドのメンバーで集まってセッションみたいな。ライヴだからなんでも有りっちゃ有りだからね。
――それも面白そうですね! では、最後にフェスに向けての意気込みをお願いします。
吉岡:僕らは2人のデファンデュオーブとアマテラストもありますけど、とりあえず「また戻ってきたよ」と、みなさま一緒に楽しんでいただければ嬉しいです。
KIMERU:僕的には前回わだかまりの残る中やったので(笑)、今回のフェスは清々しく、本当に心から楽しめるんじゃないかと個人的に楽しみにしています。一緒に「カム・ウィズ・ミー!」してください!
――ライヴ楽しみにしています! ありがとうございました!
6月26日、27日に行われる『Live Musical「SHOW BY ROCK!!」~THE FES 2018~』のチケットは5月20日(日)より、各プレイガイドにて一般発売!
昨年のミュージカル公演前の忍迅雷音キャストインタビューはコチラ↓
【撮り下ろし】Live Musical『SHOW BY ROCK!!』観客のみんなを“シュラライザー”に! 忍迅雷音キャストインタビュー
http://otajo.jp/70004
デファンデュオーブが初登場した前回公演の様子はコチラ↓
DVDには全景映像収録!Live Musical「SHOW BY ROCK!!」さらにパワーアップして開幕!【動画アリ】
http://otajo.jp/70254[リンク]
[撮影:周二郎]
<Live Musical「SHOW BY ROCK!!」~THE FES 2018~>
2018年6/26(火)18:30開場/19:30開演 6/27(水)18:00開場/19:00開演@ Zepp DiverCity(TOKYO)
1Fスタンディング(整理番号付)/2F指定席6900円(全席指定)※別途ドリンク代
【Cast】
<シンガンクリムゾンズ>クロウ:米原幸佑 アイオーン:輝馬 ヤイバ:鳥越裕貴 ロム:郷本直也
<トライクロニカ>シュウ☆ゾー:鎌苅健太 リク:ゆうたろう カイ:木原瑠生
<アルカレアファクト> チタン:糸川耀士郎 オリオン:田中涼星 セレン:板垣李光人 アルゴン:滝川広大
<忍迅雷音> 嵐:辻 諒 朧:井阪郁巳 燐:高橋健介 神威:赤澤遼太郎
<défendu aube(デファンデュオーブ)>アダム:KIMERU イヴ:吉岡 佑
※<アマテラスト>も出演公式サイト:
http://showbyrock-musical.com/[リンク]
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