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日本生まれの視覚障害者向けスポーツ“ブラインドテニス”をやってみた!




中学・高校とテニスをやっていた私は、知人の紹介で“ブラインドテニス”のクラブに誘われて行ってみました。あ、テニスといっても、私がやっていたのは、ソフト(軟式)テニスで、バックハンドが、クルッと回転しちゃうやつですけど。今日は、ボールもルールもユニークなブラインドテニスの体験レポートをお届けします。


ブラインドテニスとは


ブラインドテニスは、1984年、当時は盲学校の高校生だった武井実良さんという方が、「転がっているボールではなく空中に浮いているボールを打ちたい」という思いから考案した、日本生まれのスポーツとのこと。特にユニークなのは、ボールの構造です。



ブラインドテニスには、スポンジ製のボールを使用します。このスポンジの中に入っているのは、視覚障害者向けの卓球であるサウンドテーブルテニスで使うピンポン球。ピンポン球の中には、小さな金属球が入っているため、転がったり振ったりすると「シャララ~」と音が出る仕組みになっているのです。




ラケットは、ショートテニス用もしくはジュニア用硬式のラケットを使います。


テニスコートのつくり方もユニーク


実際にプレイする前に、コートの準備をします。テニスコートにはベースライン、サービスラインがありますが、それぞれのラインの下中央部に、直径2mm程度のひもを通すことで突起をつくり、手や足で触るとラインを確認できるようにします。一般のテニスコートと形状は同じですが、広さは二回りほど小さいイメージです。




ひもを仮止めして、その上から粘着テープをビーッと貼ってコートが完成しました。


アイマスクをしてプレイしてみました!


取材をお願いした際、「アイマスク体験してみては?」とのご提案をいただきました。はい、持ってきました。アイマスク。ラリーの前に、アイマスクをした状態でキャッチボールをして、感覚を養います。




ブラインドテニス用ボールを使ったキャッチボールは、投げた瞬間、弾んだ瞬間の金属音だけが頼りです。転がってくるボールはスピードも遅いので、なんとかキャッチすることはできましたが、テニスは、そうはいかないでしょう。


ブラインドテニスは、サーバーが「いきます」と声をかけ、レシーバーの「はい」との返事があってからボールを打ち始めます。視力別にルールが分かれていて、2バウンドもしくは3バウンドで打ち返すことになっています。


さぁ、いよいよラリー開始です。「いきます」の声を聞いて、ボールを待ちます。来るぞ~来るぞ~、ここだっ!




結果は当然の空振り! 最初は、当てることすらできません。


ボールが近づくのも分かるし、右か左かもなんとなく分かるんです。でも、音だけでは高さの情報が分からず、ほとんど当てることができませんでした。後で聞いたのですが、バウンドした瞬間、低い位置からすくい上げるように打つことがコツみたいです。


ブラインドテニスのココが面白い!


クラブのメンバーに、ブラインドテニスについてお話を伺いました。


Q.このスポーツの面白さって、何ですか?



A. 3次元のスポーツなので当たらないことも多く、難しいと思う。でも練習すると当たらない人もだんだん当たってきて、ラリーが続いたときの楽しさは格別。ブラインドの方だけでなく、健常者の方とも同じようにできるのがいい。(ブラインドテニス歴20年の古村さん)




A.集団スポーツと違って、個人スポーツは自分なりに工夫してできること。視覚障害者向けスポーツで、空中のボールを扱うスポーツは他にない。難度は高いが、奥が深くて楽しい。(ブラインドテニス歴5年の青木さん)


感想:ブラインドテニスを体験して


一般的に健常者のことは“サポーター”と呼ばれることが多いですが、こうして実際に一緒にプレイさせていただいた後では、同じ競技を楽しむ“プレイヤー”という感覚を強く感じました。もともと運動不足解消のために参加させていただいた私ではありますが、こうした新しい体験を通じて、久々にテニス魂に火が付きました。


今日は、ラリーだけで終わりましたが、“ミックスダブルス”といって、視覚障害者の方が健常者とペアを組み、一緒にコートでプレイする楽しみ方もあるとのことなので、次回はチャレンジしてみたいと思います。


今回取材させていただいた皆さん、ありがとうございました。


執筆:マミー


―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』

(執筆者: 社会人ライター研修プログラム) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか


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