斎藤工「オリジナルを凌駕した作品になった」 『麻雀放浪記2020』完成報告
3月20日、新宿バルト9にて映画『麻雀放浪記2020』の完成報告ステージイベント&完成披露試写“しない”イベントが開催。キャストの斎藤工、もも(チャランポ・ランタン)、ベッキー、竹名直人、監督の白石和彌が登壇した。
原作は阿佐田哲也の小説『麻雀放浪記』で、1984年に和田誠監督によって映画化されている。本作は、斎藤演じる主人公・坊や哲が1945年の戦後から、新たな戦争が起きた後の2020年にタイムスリップする物語となっている。
出演しているピエール瀧が逮捕された関係で上映できるかどうかが危ぶまれていたが、同日午前中に会見が開かれノーカットでの上演が決定した。試写を一切行わいないことが公言されており、今回も本編ではなく、和田誠版の映画が上映された。
白石和彌「ピエール滝を許すわけにはいかないが、作品に罪はない」
映画完成の報告として、主演の斎藤は「構想10年なんですけど、個人的に阿佐田哲也さんの奥さんと本当に10年間作り上げてきました。今朝、公開すると発表があるまで本当にどうなるかわからない不安な中で過ごしましたが、こうして発表を迎えられて心から嬉しいです」と話した。
どんな映画になっているのか尋ねられると、斎藤は「ピータンを初めて食べたときのような。なにを観たのかもう一度確かめたいと気持ちで、公開日の4月5日を楽しみにしています。関わっているからといって特別に見せてくれるということはなく、徹底して試写をやらないという、逆に素晴らしいなと思います」とコメント。
白石監督は「今日、午前中に公開を発表しまして、こういう決断が正しかったのかわからないという状態でもあるんですけど。こういうことにはなってまいましたが、基本は楽しい映画を作って、お客さんに楽しんでもらいたという思いで作った映画です」と挨拶をした。
ピエール滝の逮捕と本作について、白石監督は「ピエール滝さんがこいうことを起こすとはゆめゆめ思っていませんでした。最近の報道では20代からということもあるので、結構長い時間を共にした作品もあり、その中で気づけなかったのは僕の不徳の致すところです。それでも、滝さんのやってしまったことを許すわけにはいかないです。ただ、作品に罪はないということを宣言したい。それはこの映画だけでなく、日本のエンターテイメントのためにも思いをちゃんと伝えていきたい。過去の作品をなにも考えずに封印していくのはよくないかな、という思いで今日を迎えました。それが本当に正しいかはわからないんですけど。でも、きっといつか間違ってなかったんじゃないって言ってもらえるように、僕たちはこれからも映画を作っていかなければいけないので」と涙ながらに語った。
『麻雀放浪記2020』として生まれ変わった本作について、斎藤は「僕は映画を観ている方ですが、観たことない映画になったなと。白石作品としてもすごい扉を開けた作品です。10年の紆余曲折のあった映画です。リメイクがオリジナルに勝る作品は残念ながら少ないです。傑作の和田版を凌ぐといのは大変なですが、佐藤佐吉さんの脚本、そして白石監督が撮るという化学反応は、おそらく阿佐田哲也先生が嫉妬するだろうという期待を胸に撮影に挑み、おそらくオリジナルを超えた、凌駕したと思っています」と伝えた。
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発信地・日本
<文・デザート編集部>