「マジで遊べば仕事になる」ってホント?
個人事業主として全てを自分で選択しながら働いしてると、「好きなことを仕事にするべきか、出来る仕事を好きになるべきか」いつも考えてしまいます。
そうした中、【遊べば仕事になる】というタイトルに惹かれて選んだのが、本書『大人がマジで遊べば、それが仕事になる。』です。
好きなことを仕事にして生きていくというのは、誰もが羨む理想の生き方だと思いますが、誰にでも出来ることとは思えません。
才能がなくても、「好き」という気持ちだけで仕事にできるのか? そんな人生を送っている人たちと私とでは、何が違うのか?
それが知りたくてこの本を読んでみました。
本書は、編著の高橋歩さんが、遊びを仕事にしている達人7人の言葉やライフストーリーをまとめた一冊です。
7人とも好きなことを仕事にしていますが、「楽しく好きなことをしていたら、気づいたら仕事になっていた」という話ではないことがわかります。
タイトルにあるように、【マジ】で遊ぶということが本書の一番大切な部分なのです。ここでいう【マジ】には、本気で・真剣に・真面目に・全力で・必死でという全ての意味が込められています。
遊びを仕事にしている人の4つの共通点
私が感じた、本書で紹介されている【マジで遊んで仕事になっている人】7人の共通点は、次の4つです。
① 周りを好きになる・優しくする
とにかく周りの人・場所・環境を好きになっています。
アラスカの達人、マサ安藤さんは「自分の目の前の人、誰でもいいから幸せにしようと思うと、それが返ってきて、自分もきっと、幸せになれる」と言っています。
② 自分の信念を深掘りする
本当に自分のやりたいことが何なのか、徹底的に掘り下げています。
作家・旅人・ラジオDJのロバート・ハリスさんは、自分のやりたいことを100個ノートに書き、人には言えない欲望、潜在意識を掘り起こした上で、本当に自分のやりたいことの輪郭を見つけたそうです。
③ 思いを行動に移す
やりたいことが明確になったら、思い切って行動に移しています。
ツリーハウスクリエイターの小林崇さんは、30歳を過ぎてから、本当に自分のやりたいことを見つけて、ゼロからツリーハウスを学び始めました。
④ 思い立った時に動き始める
行動しようと決めたら、それが動き始める最善のタイミングだと考えています。場所も年齢も関係なし。出来る範囲から全力で動き始めています。
藍染職人の森永博志さんは「ただ、どうであれ、もう、やるのは決まってるの。やるために準備はいらないの。たぶん、なにかひらめいたときには、もう、すべて、それは、できることなの」と言っています。
【マジ】になることの大切さ
私が知りたかった「遊べば仕事になるのか?」の答えは分かりませんでした。
分かったことは、【マジ】になることの大切さ、【マジ】になれることを見つける方法、そして「マジで遊べば、人生は変化し始める」ということです。
本書に登場する7人の内の一人に、レゲエグループ湘南乃風の若旦那さんがいます。若旦那さんの章に、「でも、好きだったら歯を食いしばってでもその誇りを守ろうぜ。」という言葉があります。
好きなことをしているときでも、苦しい場面は必ず訪れます。私自身、個人事業として鍼灸治療の仕事をしていて、それ自体は得意であり好きなことですが、経理などの雑務は、つまらないしやりがいを感じず、どうしても好きになれません。
それでも、大好きな鍼灸治療を生業とするために、歯を食いしばって苦手な雑務も行っています。
若旦那さんも、曲を作ったりコンサートの準備を行ったりする中で、歯を食いしばらないといけない場面がたくさんあったはずです。それでも、音楽が好きだという自分の誇りや生き方を守るために「マジ」で音楽と向き合っているのでしょう。
本書には、周りから見ると「楽しそう」「羨ましい」と感じる部分が多く描かれています。しかし要所要所に表現される、「好きだからこそ苦しい場面も乗り越えられた」という事実が、私の心には刺さりました。
どんな辛いことや大変なことでも、困難ではなく「遊び」と感じれるくらい没頭出来るものが、「マジで遊ぶ」ということなのでしょう。
今自分が【マジ】になれるものに、今以上に【マジ】になろう。
自分のマジになれることが分からないなら、探すことから始めよう。
少しずつ自分の人生の中の【マジ】を増やしていこう。
そのようなメッセージを感じ取ることができました。
仕事になるかならないかはいったん置いておいて、自分を信じて今以上に没頭してみようと思わせてくれる一冊でした。
あなたのマジになれるものはなんですか?