そのコンテンツは人を惹きつけるか?
4月の新刊でおすすめしたい一冊があったので、取り急ぎご紹介します。木暮太一さんの新刊、『どうすれば、売れるのか?――世界一かんたんな「売れるコンセプト」の見つけ方』です。
とりあえず「はじめに」だけ…と思ったのですが、あまりの面白さに一気に読みきってしまいました。自社のオウンドメディアを作りたい、自分のブログにアクセスを集めたい、売れる商品・サービスを作りたいと思っている方には必読の一冊です。
本書では、商品を売ったり、メディアへのアクセスを集めたりするには、マーケティング手法を考えるよりも、そもそも自分のコンテンツがお客さんを惹きつけているかを考えなければならないと説きます。
言葉だけ聞くと当たり前のことに聞こえますが、ちゃんと実践できている人は少ないのではないでしょうか。実際、当サイトでは全く意識できていませんでした。
なぜなら「人を惹きつけるものの正体」や「注目を集めるために不可欠の要素」をきちんと理解した上で、コンテンツを作っていたわけではなかったからです。
どうすれば、売れるのか?―――世界一かんたんな「売れるコンセプト」の見つけ方
人を惹きつける「ベネフィット」の伝え方
本書では、「売れるコンテンツ4つの特徴」として以下の4つを挙げています。
- ① ベネフィット
- ② 資格
- ③ 目新しさ
- ④ 納得感
どれも重要な視点ですが、とくに参考になったのは「ベネフィット」についてです。
ベネフィットとは、簡単にいうと読者やユーザーにとっての便益・メリットのこと。もちろんこれまでも、コンテンツを作るときは読者の役に立つ情報、興味を惹く情報を届けようという意識はありました。
しかし「読者にとって役に立つ情報とは、具体的にどのような情報なのか」「それはなぜ役に立つと言えるのか」「それを役立つと感じてもらうためには、どのような伝え方をしなければならないのか」という点について、しっかり考え抜けていませんでした。
小暮さんは、「ベネフィット」を次のように定義しています。
Aの状態だった人を、望んでいるBの状態にすることが「ベネフィット」です。つまり、「ベネフィット」とは、変化(A→Bの変化)のことなのです。(P.88)
つまりその商品を買ったら、そのサービスを受けたら、「今の私が “なりたかった私”になれるかも!」「なりたかった気分になれるかも!」と思ってもらうことができれば、そのコンテンツにはベネフィットがあると言えます。
売れない商品、人を惹きつけないコンテンツというのは、この「ベネフィット(=相手がどう変化するか)」を伝えられていないことが問題だと小暮さんは指摘します。
やりたいけどできないことがあり、「私だったら、それをできるようにしてあげますよ」と言ったとしたら、相手は確実に興味を持ちます。これこそ、強く求められるコンテンツを作る考え方なのです。(P.91)
「美女読書」でいえば、「この本(この記事)を読んだら、(あなたが望んでいる)こういう変化が得られますよ」と伝えられなければ、読者にベネフィットを提示できているとは言えません。
「このサイトに行けば、私が望んでいるこういう変化が得られる」と感じてもらえなければ、ファンやリピーターは増えず、メディアにアクセスが集まるようにはならないと言うことです。
ベネフィットとは”不”を解決すること
ベネフィットを生みだすために重要なのは、「自分たちに何ができるか」より前に、「世の中にどういう”不”があるか」を考えることだと言います。
”不”とは、不満・不安・不足・不便・深い・不都合などの総称のこと。
- ・消費者は、どんな不満を抱えているか?
- ・消費者は、どんな不安を抱えて生活しているか?
- ・消費者は、どんな不快な思いをしているか?
- ・どんな不便を感じているか?
こうした”不”を解決することこそが、強いベネフィットを生み、強いコンテンツ、さらには強いビジネスをつくります。
いくら「自分たちがやりたいこと」「自分たちができること」であっても、”不”がないことはビジネスになりません。
当サイト含め、オウンドメディアやブログにアクセスを集めたい方は、まず世の中の”不”を洗い出し、それを解決するための「手段」として、自身のメディアはどのようなコンテンツを提供することができるのかを考えることが重要です。
本書の第3章「売れるコンテンツを作る」では、世の中の”不”を探す方法として「類感マトリックス」というツールが紹介されています。気になる方はぜひ読んでみてください。
美女読書でも、本書の内容をしっかりと頭に刷り込んだ上で、今後のメディア運営方針を固めていきたいと思います。この点については「運営ブログ」の方で公開します。
どうすれば、売れるのか?―――世界一かんたんな「売れるコンセプト」の見つけ方