おなかにガスがたまる原因とは?2つのタイプがある?
ガスとは?
口から飲み込んでしまうガスと、腸の中で発生するガスの2種類あります。血液中に吸収される・げっぷ・おならとして排出され、バランスを保っています。
通常、お腹の中にガスは約200ml存在します。ガスの発生と排出のバランスが崩れると、「お腹が張って苦しい」という状態になります。
1. 飲み込んだり、お腹で発生するガスが多い
心因性
緊張やストレスで、空気を異常に飲み込むことがあります。
呑気症や、自律神経の乱れなどが原因となります。近年増えている、過敏性腸症候群によるお腹の張りの原因もこのタイプです。
食事の不摂生などで腸内に悪玉菌が増える
後述しますが、繊維質や糖質が多い食事をしていると、腸内細菌のバランスが乱れ、悪玉菌が増えてしまいます。その結果、過剰なガスが発生してしまいます。
2. 排出されるガスが少ない
腸の運動機能が低下すると、腸内にたまったガスが出ていかず、腹部膨満感や便秘になります。例えば、ストレスなどで起こる過敏性腸症候群などがこのタイプです。
腸の動きは自律神経系でコントロールされていますが、ストレスによって自律神経系が乱れると、腸の運動機能も落ちてしまいます。
ガスがたまりやすい食材
炭酸飲料
炭酸飲料のシュワシュワ感のもとである二酸化炭素は、体内で吸収されるため腸内にたまることはないようです。
しかし、炭酸飲料を飲んだ後にお腹が膨れるという人も多いのではないでしょうか。胃の中の空気を外に出すと、腸のガスも減るため、ゲップを我慢しないことが大切です。
食後、すぐに横になるとゲップが出にくくなるため要注意です。
食物繊維(芋類、豆類、根菜類、こんにゃく)
繊維質の多い食品は、良いイメージがありますよね。もちろん、体に良い影響は多いですが、ガスに関しては発生する原因となります。
豆には天然オリゴ糖の「ラフィノース」が含まれています。ラフィノースは腸内でガスを発生させやすいため要注意。対策として、豆を使用する前に一晩水に漬けておくと良いといわれています。
肉類
腸内の細菌に分解されると、アンモニアやインドール、硫化水素など臭いのきついガスの発生原因となります。
また、肉そのものはガス発生に関係はないですが、消化に時間がかかるため腸には負担がかかり、バクテリアなどの細菌が繁殖しやすくなります。肉ばっかり食べている、という人は要注意です。
全粒粉の穀物
穀類の中でも繊維質が多い全粒粉は、前述した通り、ガスが発生しやすいため、気になる人は少しずつ食べるのがおすすめです。
発酵性の糖類
人によって、特定の食べ物に含まれている炭水化物で、胃腸に不快感が起こる場合があります。
FODMAPと呼ばれる種類の糖類を避けると良いといわれています。Fermentable(発酵性の)、ologosaccharides(オリゴ糖)、disaccharides(二糖類)、monosaccharides(単糖類)、andpolyols(ポリオール)の頭文字で、これらを少なくすると胃腸のトラブルが少なくなる人もいます。
FODMAPは腸で吸収されにくいため、消化管に水が集まってしまいます。また、腸の中にFODMAPが長くとどまっていると、そのまま発酵してしまいます。そしてお腹の張りや、ガスがたまる原因になってしまうのです。
FODMAPの糖類とは?
1. オリゴ糖(ガラクトース、フルクタン)
レンズ豆、ひよこ豆、小麦やたまねぎ、はちみつなどに含まれています。
2. 二糖類
牛乳、ヨーグルト、アイスクリームなどに含まれています。
3. 果糖
はちみつ、糖蜜、果物類などに含まれています。
4. ポリオール類(ソルビトール、キシリトール)
マッシュルームやカリフラワー、果物類、いちじくなどに含まれます。
ガスがたまらない対策!
朝食をしっかり食べる
朝食を食べると自律神経系が整い、胃腸の動きが活発になります。
3食の食事も大事ですが、特に朝食が大事です。人には体内時計がありますが、朝食を食べることで1日の始まりを認識できるからです。
ゆっくり食べる
早食いは、食べ物と一緒に空気を飲み込む原因になるため、ゆっくりよく噛んで食べることを心がけましょう。
水分補給
水分が不足していると便秘になりやすいことや、汗や尿で体の毒素を排出できないと、お腹にガスがたまりやすくなります。夏に限らず、こまめに水分補給するようにしましょう。
ゴロゴロ寝転ぶ
ガスは軽いため、立ち仕事や座り仕事などでは、なかなか腸の下まで降りていきません。1日に1回、うつ伏せになり、10分ほど経った後に全身を使ってゴロゴロと寝転ぶと、腸の向きが変わります。
ガスがたまっているポイントを抜ければ、お腹がすっきりすることも多いため、実践してみてはいかがでしょうか。
腹筋を動かすなど軽い運動をする
1日中、座りっぱなしという人も多いのではないでしょうか。腹筋を適度に刺激したり、ヨガで腹式呼吸をするなど、腸の運動性を高めます。
水分を飲むときは空気を飲まない
ストローを使って飲むなどの対策法があります。ただ、ストローを使うと逆に空気を飲み込んでしまうという人もいるため、自分に合った方法で取り組みましょう。
ストレスをためない
自律神経の乱れの原因を排除しましょう。
ストレスホルモンにより、腸の動きが乱れ、下痢や便秘になる人が近年とても多いです。過敏性腸症候群も、このタイプに当てはまります。ガスがたまりやすいと悩んでいる人は、ガスを発生しやすい食材を控えたり、ガスをためない対策をしてみましょう。
また、自分ではストレスを感じていなくても、実はストレスがたまっていることも。アロマを炊いたり音楽を流したり、気分転換の方法を見つけることも大切です。