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VR広告のデファクトスタンダードへ! リアルを拡張する広告を目指すVRizeに迫る [後編]


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VR広告市場をリードする存在にいかにしてなるか


—ありがとうございます。次に事業計画についてお聞かせいただけますか?


正田氏:事業としてインパクトのある数字が出せるのは、まだ先だと思っていて2018年~19年ぐらいになるかと思います。


それまでに、テクノロジーとサービス力を磨けるだけ磨くこと、それから広告とシナジーを出せる周辺ビジネスを作り、将来の競合プレイヤーに対抗出来る強い基盤作りを行っています。


具体的には、VRアプリを簡単に作れるCMSサービスを開発しました。広告の配信先となるVRアプリ自体が現状少ないので、そちらの支援をしようと考えました。


まだ市場規模が小さい中、VRアプリを作ろうと思っても、そこに多額の予算をかけようという企業は少ないんですよね。そこで普通に制作するよりも圧倒的に費用感を抑えて作ることができるVRize Videoというサービスを開発しました。


今後は利用プランを複数作り、無料に近いプランにおいては、VRize Adを挿入させて頂く等を考えています。



—彌野さんは今後、でき上がるプロダクトに期待しているのはどのような点ですか?


彌野氏:サービスとしてはまだまだ開発中ではありますが、私が大事だと思っているのは「技術があっても使いどころがなければ、価値は生まれない」ということです。


広告ビジネスでいえば、クライアントである出稿主が何を求めているかを理解することが非常に重要です。例えば、ブランド系の企業が何を課題に感じていて、どのような解決策を欲していているのかをしっかりと理解してサービス開発しなくてはならない。アドバイザーとして、VRizeのメンバーには、過去15年ほどの出稿主側での経験を元に、出稿主の視点でのフィードバックをしています。


手探りで製品開発をするのではなく、初めから広告主のニーズに合わせたサービスを開発できるようになるので、開発の効率がよくなると思います。


また、クライアントは、”各社のターゲット顧客に、自社のブランド体験”をよりリッチにさせたいという想いがあるので、定型されたフォーマットを作るよりも、クライアントのニーズに対して柔軟なであることが重要です。


 


正田氏:確かに、そうですね。クライアントニーズを満たすことが最優先であり、同時に事業として成立させるため、出来るだけ柔軟性の高いフォーマットを準備できるか、という点はかなりチャレンジングな所になってきますね。


 


彌野氏:インターネットメディアやサービスでありがちなのが、自社のテクノロジーがいかにすごいか、いかに素晴らしいかを語りたがる傾向にありますが、出稿主は、そのような事実自体はどうでもよくて、自分たちが育てているブランドがターゲットとしている顧客にどのように見えるのか? どのような体験ができるのか? が大事です。


そういう観点で考えると、VRizeは、もちろん広告サービスを作るのですが、広告サービスを作るという意識ではなく、ブランド体験を最高のものにできるサービスを作るべきといつもメンバーには伝えています。


今後、でき上がってくるプロダクトはクライアントニーズにフィットするものができると思いますし、この点に期待しています。


 


VRはリアリティーのエクステンション(拡張)


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—今のVRアプリの売上動向を見ていると、やはり行けないもしくは、簡単には体験できないコンテンツが人気です。例えば、オーロラを体験できるコンテンツなど。そう考えると例えば、旅行先をVRで疑似体験して、実際に足を運ぶキッカケ作りをする、というのも広告になるのかなと今のお話を聞いていて思いました。


彌野氏:あり得ますね。広告という概念が、そこに価値が存在していることを「情報として伝える」ことから、「一部のリアルな体験を伝える」ことに変わって、その続きは現地でという流れになると思います。

あとは、ブランドを保持するナショナルクライアントは自社のブランドの定義を持っているのですが、今までは、店舗などのリアルな空間かテレビCMなどでブランドイメージを伝えてきましたが、それぞれ莫大な費用と時間がかかっていました。


しかし、VRでは、それが費用面でも時間面でも圧倒的に有利にできるようになります。また、リアルでは遠方の方はカバーしにくかったことも、VRであれば、距離や時間を超えて対応することができるようになります。これは今までにないサービスだと思います。


これらは、通常の広告というイメージよりも、本質的にはリアルイベントをテクノロジーで具現化するに近いイメージです。つまり、バーチャルリアリティー以上に、リアリティーのエクステンション(拡張)とも言えます。


リアルの簡易版・進化版のようになっていくと思うので、実際にリアルで必要とされていることがどんなことで、VRだったらどのぐらい簡易に、そして、進化した形でできるかというのが重要な着眼点だと思います。そういう意味では、VRこそ、あまりデジタル、デジタルしすぎた考え方をしない方がいいと思います。


 


—最後に今後の展望についてお聞かせください。


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彌野氏:VRは出来ることが多すぎるため、手探りでやっていると当たる確率は低いと思います。なので、最終的にエンドユーザとクライアント、VR広告事業者がWin-Win-Winになれるスイートスポットを見つけ、そこをとにかく深堀してプロダクト作った企業に商機があると思います。また、プライシングなども、先行している企業が決めていくと思います。


VRizeはそういう面では、自分達の作るクライアントやエンドユーザーに提供できる価値は何か、それがどのくらいのビジネスインパクトをもたらすのか、それに準じたプライシングはなど、業界のスタンダードになるものを決めていかないといけないのではないかと考えています。


VRizeはVRのアドネットワークの会社というよりは、世の中の様々なものをVR化していく会社であるというのが本質だと思っています。


VRizeという社名は、VR化するという意味です。現在、世の中にあるリアルなものをどんどんVR化していって、それがユーザにとって新しく、ワクワクする体験になり、クライアントにはこれまで以上に自社のブランドを強化するための手段を提供する会社であってほしいと思っていますし、そうなると確信しています。


 


正田氏:VRはどこかのタイミングで必ずブレイクスルーするのは間違いなく、スマホのように大きな市場が出来上がると思っていますが、VRは体験のインパクトが強い分、ユーザの体験を阻害する広告は、よりネガティブに捉えられると考えています。


スマホ初期の時代はUI/UXを阻害する広告が多かったと思いますが、徐々にスマホに馴染む広告に変わって来たという歴史があるので、VRも同じような経路を辿らぬよう業界を引っ張る側の人間として、エンドユーザはもちろん、クライアントひいてはパブリッシャーもハッピーになれるようなフォーマットやクリエイティブを開発・啓蒙していく必要があると考えています。


 


編集後記


VRizeが考えているのは一般的な広告フォーマットではなく、より”リアルに近い広告”だ。


取材前に考えていたいわゆるネットワーク広告とは違い、よりリアルに近い広告こそがVR広告のフォーマットとしてデファクトスタンダードになるのではないかと感じた。


VRと言えば、エンターテイメントが注目されやすいが、広告のようなビジネス分野も大きく動きを見せるはずなので、今後もVRize社の動向を追っていきたいと思う。


 


VRize Adのお問い合わせはコチラ:http://vrize.io/ad/


VRize Videoのお問い合わせはコチラ:http://vrize.io/video/


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