米・ニューヨーク州 トロイに本社を置くSpaceoutVR社の開発する「Spaceout VR」はVR空間で自分のスマートフォンにあるミュージックを再生できるアプリだ。
VR上でパーソナル情報にアクセス
SpaceoutVR社は、VR上でのコミュニケーションプラットフォームというものを主軸に展開してくが、最初の導入としてVR上での音楽再生というところにフォーカスしている。
VRのゲームは最初のインパクトこそ強いものの、あまりリピートされない傾向にあるが、音楽などの感情的な繋がりを実現することによってVRを日常化していきたいと考えている。
「Spaceout VR」のホーム画面にはRhythm(スマートフォンに入っている音楽をVR化して再生するもの)、Powwow(VR上で友人と通話等のコミュニケーションをとるもの)、VISION(3D空間にギャラリーのように自分の音楽や写真をアップできるもの)があるほか、背景には世界地図が表示されており、地図上のアイコンに視点を合わせるとその場所のストリートビューがVRで見られるようになっている。
現在はRythumのみリリースされており、自分の端末の中にある音楽をVR化した空間を体験できるようになっている。
SoundCloudとの連携も可能で、フォローしているユーザーのトラックやお気に入り登録した音楽が再生できる。また、今後はSpotifyやNapsterとの連携も予定している。
Rhythm内にはHeadbangerzというミニゲームがあり、これは聴いている楽曲に合わせてコース上に配置されたコインを視点移動で獲得していくというものだ。
コインは上下左右に配置されており、さながらヘッドバンギングをしているかのような動きでゲームをプレイする。
VRゲームにあるような酔いもなく、まさに音楽を楽しみつつ遊べるゲームといった感じだ。
また今後、spaceoutVR社が力を入れていくのはPowwowだ。先述したRhythmを入り口としてVR市場に切り込み、メインとしてはVRエンターテーメントコミュニケーションプラットフォームツールにしていきたいとしている。
遠くにいる友人と、Spaceout VR上でWhatsApp形式で通話を楽しんだり、思い出の場所でお互いの好きな音楽を楽しんだりといったことができるようになる。
パーソナル情報を利用することで、より生活に密着するVRコンテンツの提供を図っている。
これらの情報は、基本的にはTwitterやfacebookといったSNSと連携させるため、セキュリティも接続する側のサービスに委ねる形となる。ローカル上に保存されているものは音楽情報程度とのことだ。
要するにspaceoutVRが目指しているのは現在、PCやスマートフォンで見ているSNSなどの情報を、そのままVR空間に移植した未来を創る事だ。
VR空間で話すだけではなく、Rhythm・Powwow・VISIONの3つのプラットフォームを行き来してコミュニケーションを取れるようなものを目指しているとのことだ。
オリジナルHMDも
また、SpaceoutVR社はVRのヘッドマウントディスプレイの開発も行っている。
このヘッドマウントディスプレイは、どんなサイズのスマートフォンにも対応できるようサイズは大きめだが、重量は見た目よりもずっと軽く、内部にアジャスターを備えていているため、HMD内でスマートフォンがぐらつくということもない。
さらに同社は国内にも拠点を作ろうと資金調達を行っているようで、国内進出についても積極的な企業であるというのも、注目すべきポイントだろう。
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