6月29日に開催された任天堂の株主総会の様子の一部を、参加者がTwitter上で公開した。
参加者だったという証拠として総会で配布されたギフトの画像を投稿しているので、その情報の正確さは非常に高いものと思われる。
同社の専務取締役・宮本茂氏は総会にて「有名コンソールメーカー、ゲーム開発者はVR技術に関する研究を行っていたが、近日リリースされるハードウェア・Nintendo NXがこちらへの対応を行うわけではない」との旨を明らかにしていた。
近頃こちらのNintendo NXがVRへの対応化のために発売日を遅らせるといった噂が出回っていたが、どうやらこちらは確かな情報ではないようだ。
宮本:VRについてE3で話題になると聞いていたので、注意して見てきた。確かに展示されているが、思ったほど話題になっていなかった。我々も研究しているのでVRの基礎技術を持っている。長時間遊ぶことに課題がある。我々は長時間遊んで価値を感じ、安全なものを出したい。親にも安心して欲しい。
— あれっくす/6月29日 任天堂株主総会 (@NStyles) 2016年6月29日
宮本氏は、任天堂が「長時間」遊べるシステムを作りたいと考えている旨を明らかにすることで将来的なVR製品のリリースに現実味を持たせると同時に、現在流通しているVRハードウェアではこの長時間のプレイが困難であると述べていた。
また、同氏によると任天堂の製品は手ごろな価格かつ高価値な製品であることが必要不可欠とのこと。
これらのコメントは「VRが”大きな発展の可能性”を持った際には任天堂もVR事業に参入するだろう」という、米国任天堂の社長・Reggie Fils-Aime氏による近日行われたインタビューでの回答と主旨が一致している。
宮本:E3で体験した人たちの反応は良いが…(※ここから先の話は「ここだけの話にしてください、Webに書かないでください」と言われたので省略)— あれっくす/6月29日 任天堂株主総会 (@NStyles) 2016年6月29日
恐らく、宮本氏が最も注目している点は結論の部分から見られると思われる。
同氏は任天堂が保護者にVRの使用に関して安心してほしいと考えていることを株主に明らかにした上で、どのようなVR製品をこの先販売するにしても、製品は100%子どもにも安全である必要があると主張していた。
これには「我々が長期間のVRハードウェアの使用に伴う悪影響があるのかどうかすらも分からない間は、ユーザーを別の世界へと連れていくようなソフトウェアは保護者を心配させるに違いないだろう」という意味合いが込められている。
同社がここまでこの「保護者による安心感の獲得」という点を気にかけているのも理由は分かる。
任天堂の大半のIPは「ファミリー・フレンドリー」をアピールしており、マリオなどがその分かりやすい例と言えるだろう。
どうやら同社は保護者が反対しなくなるという確証を得られるまでVR製品の販売は行わないように見える。
したがって、Nintendo NXが任天堂初のVR製品となる可能性は限りなくゼロに近いようだ。
参照元: http://uploadvr.com/nintendo-needs-parents-feel-ease-vr/
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