海外メディアRoadtoVRは、2017年1月26日の記事において、VRヘッドセットの進化に関するHTC幹部へのインタビューを報じた。
VRヘッドセットのライフサイクルは2〜3年
同メディアは、HTC中国地区プレジデントであるAlvin Wang Graylinに、VRヘッドセットのライフサイクル(次世代デバイスがリリースされるまでのサイクル)は、ライフサイクルが早いとされているスマホに比べて、どの程度だと考えているか、と尋ねたところ、以下のように応えた。
「(毎年新機種がリリースされる)スマホのライフサイクルと比べる代わりに、PCのような他のハードウェアのライフサイクルのことを考えてみましょう。PCのライフサイクルはだいたい5〜6年です。
私が思うに、VRヘッドセットのライフサイクルはスマホとPCの中間くらいに位置づけられ、さらに言えば、PCよりはスマホに近いでしょう。
つまり、ほぼ毎年メジャーアップデートがあるようなスマホよりはライフサイクルが長いのは明白です。」
スマホのライフサイクルが(iPhoneのメジャーアップデートのスピードとほぼ一致する)1〜2年、PCのライフサイクルを5〜6年だとすると、以上の発言から同氏が考えるVRヘッドセットのライフサイクルは2〜3年ということになる。
また同氏は、次世代が登場するまでVRヘッドセットの性能に変化はないとは考えておらず、次世代デバイスが登場するまではアクセサリーが付加価値を生む、という見解を示している。
事実、CES2017においてはHTC、Oculus、Sonyのいずれも次世代VRヘッドセットに関する発表は行わなかったものも、HTCはVIVE Tracker、Deluxe Audio Strapを発表し、VIVE対応ワイヤレスキットであるTPCASTは今年全世界にリリースされる。
次世代VRヘッドセットに実装される機能とは?
同氏の発言が正しいと仮定すると、2017年に次世代VRヘッドセットがリリースされる見込みは薄い。だが、次世代VRヘッドセットにどんな機能が実装されるかに関しては、複数の情報からある程度は推測できる。
次世代VRヘッドセットにほぼ確実に実装される機能は、VR Ready PCとのワイヤレス通信である。本メディアでも報じたように、CES2017において、HTCはIntelと提携してVIVEのワイヤレス通信機能を開発しているとされている。
次に次世代VRヘッドセットの標準機能として有力視されるのは、(VRヘッドセットとトラッキングセンサーが一体化した)Inside-out型トラッキングセンサーであろう。この機能に関しては、すでにEoniteのようなアクセサリーとして試作される段階にある。
逆に標準実装されるまでに時間がかかりそうな機能は、触覚コントローラーである。触覚コントローラーはデバイスメーカーがしのぎを削っているが、普及する見込みのあるデバイスの登場に至っていない、というのが実情ではなかろうか。
とは言うものも、VRテクノロジーの進化は常に予想を超えるところがある。良い意味で予想を裏切る次世代VRヘッドセットの登場に期待したい。
HTC中国地区プレジデントAlvin Wang GraylinにVRヘッドセットの進化についてインタビューしたRoadtoVRの記事
http://www.roadtovr.com/vive-president-says-new-generations-vr-headsets-likely-come-1-3-year-cycles/
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