Chromeメディアチームは、2017年1月13日、Googleオープンソースブログにおいて新圧縮法「Draco」を発表した。
高圧縮率、ハイパフォーマンスな新圧縮法「Draco」とは
現在インターネット上を流通するコンテンツは、大容量化の一途をたどっている。スマホが普及したことによって、高画質の画像が大量に送受信されるようになり、多数のSNSアプリが動画に対応するようになった。
この傾向にさらに拍車をかけたのが、VR・ARコンテンツの誕生である。インタラクティブな動画とも言えるVRコンテンツ、リアルな画像・動画に情報をオーバーレイするARコンテンツは、既存のどのジャンルのコンテンツよりも大きな通信量と重い負荷が発生する。
こうしたなか、Google純正ウェブブラウザを開発するChromeメディアチームは、ウェブブラウザ上の3Dオブジェクトを効率的に圧縮する技術「Draco」を発表した。
ウェブブラウザに高負荷をかける3Dオブジェクトの圧縮を進化させた同圧縮法を使うと、従来のよく知られた圧縮法であるZipに比べて約1/10以下にまでサイズを小さくすることができる(トップ画像参照)。
また、同圧縮法を発表したブログ記事には、同圧縮法の性能を証明するために、3Dオブジェクトの描画について既存の圧縮法のひとつであるGZIPとパフォーマンスを比較した動画も掲載している(下の動画参照)。同動画を見ると、「Draco」が3Dオブジェクトの圧縮だけではなく、復元についても大きく改善されていることがわかる。
WebVRコンテンツがより軽く、よりなめらかに
Dracoを導入することで、もっとも恩恵を受けるコンテンツはWebVRベースのVRコンテンツだろう。
「WebVRベースのVRコンテンツ」とは、WebVRを開発プラットフォームにしたVRコンテンツを指す。このVRコンテンツと対をなすのが「ネイティブVRコンテンツ」である。対をなすこれらのVRコンテンツの違いは、ちょうどスマホアプリにおけるウェブアプリとネイティブアプリの違いのVR版、と理解すると分かり易い。
WebVRベースのVRコンテンツはウェブブラウザ上で動作するので、Dracoを導入するとコンテンツサイズの縮小化、あるいは描画スピードの高速化といった恩恵が期待できる。
Chromeメディアチームは、同圧縮を誰でも使えるようにオープンソースとして開発し、既にソースコード共有サイトGitHubにアップロードされている。
WebVRでVRコンテンツを開発している開発者は、Dracoの導入をぜひご検討を。
新圧縮法「Draco」を発表したGoogleオープンソースブログの記事
https://opensource.googleblog.com/2017/01/introducing-draco-compression-for-3d.html
「Draco」のソースコードがアップロードされているGitHubのページ
https://github.com/google/draco
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