海外メディアUpload VRは5月30日の記事でMicrosftリサーチから発表されたモバイルVR向け技術「Flashback」を紹介した。
ハイエンドなVRヘッドセットであるOculus RiftやHTC社のVIVEは、リッチなVR体験ができる反面、ユーザがPCにつながれるという不便がある。
Gear VRやGoogle Cardboardのようなスマホ向けVRヘッドセットでは、ユーザは自由に動き回れるものも、ハイエンドVRヘッドセットと比べると低解像度な画質である。
Microsoftリサーチから発表された「Flashback」は、スマホVRヘッドセットでもリッチなVR体験を可能とする技術。
Flashbackを簡単に説明すれば、VR画像をつねにリアルタイムにレンダリングするのではなく、特定のVRオブジェクトをプレ・レンダリングした後、キャッシュメモリに画像情報を保存しておくことでGPUの負荷を軽減するという仕組み。
同技術を紹介しているUpload VRの記事では、Flashbackの仕組みを飛び出す絵本に例えて説明している。
ハイエンドなVRヘッドセットは、飛び出す絵本のページをめくるたびに全ての絵を描画しているような処理を行っている。
Flashback技術を使ったモバイルVRヘッドセットでは、絵本を読む前に絵本のしかけや絵を用意しておいて、ページがめくられたら用意した絵としかけを見せるような処理がはしる。
Flashbackを発表した論文によれば、Flashbackを使うとモバイルVRヘッドセットの性能が、フレームレートでは8倍、フレームあたりの消費電力が97倍の節約、描画におけるレイテンシー(遅延時間)が15倍改善したと報告している。
Flashbackを発表した論文
http://www.owlnet.rice.edu/~kevinaboos/docs/flashback_mobisys2016.pdf
参照元URL:http://uploadvr.com/microsoft-flashback-bringing-mobile-vr-rift-and-vive-levels/
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