サイバネットシステム株式会社は、同社が販売およびサポートを手がけるVR設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」の最新バージョン「V6.0」を、2022年12月1日に販売開始したことを発表しました。
「バーチャルデザインレビュー」とは?
ものづくりの研究や開発工程において、従来は”試作品”によるテストや実験がなされてきましたが、それらを”コンピュータ上”でシミュレーションし分析する技術を「CAE(Computer Aided Engineering」と呼びます。
このCAEのリーディングカンパニーとして、30年以上にわたり製造業の研究開発部門や設計関係部門、大学および政府の研究機関等へ、”ソフトウェア”や”教育サービス”、”技術サポート”、”コンサルティング”を提供してきたサイバネットシステム社が開発したVRを利用したコミュニケーションツールが「バーチャルデザインレビュー」です。
本システムを利用すると、3D CADの形状を”データ変換”等の手間をかけず直接VR空間に投影させることができます。
製品が投影されるVR空間には、複数のメンバーがアバターとなり集い『コミュニケーションを取りながらレビューする』ことができるだけでなく、『その場で設計を変更し、リアルタイムにVR空間で確認すること』も可能となります。
「バーチャルデザインレビュー」のメリットには
・遠隔地に離れたメンバーも参加が容易なこと
・普段CADを利用しない担当者や生産担当者が設計レビューをしやすくなること
・設計変更等の情報を有効に共有することで手戻りが軽減できること
などが挙げられ、『開発にかかるコストや時間の削減』に寄与することが期待されています。
最新バージョン「バーチャルデザインレビューV6.0」販売開始!
「バーチャルデザインレビュー」に新たな機能を追加した最新バージョン「V6.0」が、今月1日より販売開始されています。
今回新たに追加や強化された機能は以下のとおりとなります。
アバターカスタマイズ機能の搭載
昨今の社会情勢を反映し、設計業務もテレワーク環境が当たり前となってきたことで、『コミュニケーション不足』を課題の一つに挙げる企業が増えています。
そのような背景から、「バーチャルデザインレビュー」で表示するアバター(VR空間内に表示する”人型の3Dデータ”)を、『ユーザー本人の外見に似せる』などカスタマイズすることで、『コミュニケーションの活性化』を図りたいという要望が多数寄せられていました。
そこで、最新バージョンではボディトラッキングオプションに使用する作業者のアバターの容姿を、自由にカスタマイズできる仕様となっています。
任意の3Dモデルを米Autodesk社が公開している3Dファイル形式であるFBX形式で読み込むだけで、VR空間内のアバターをカスタマイズすることができます。
アバターがカスタマイズできることで、初対面同士や、普段顔を合わせないメンバー同士でも個人を認識しやすくなり、コミュニケーションがより円滑になることが期待されます。
ボディトラッキングオプションとは
作業者がVIVEトラッカーを装着することで、作業者の全身の姿勢をVR空間のアバターに反映することができるオプションです。
共同ウォークスルーモードの搭載
▲共同ウォークスルーモードでデザイン評価を実施している動画
今回搭載した『共同ウォークスルーモード』を使用すると、レビューに参加している他のユーザーが対象物の周りを移動する際、自分も相手との距離を保ったまま移動することができます。
この機能のメリットとして、『生産設備など大型の対象物のレビューやトレーニングにおいて、参加者全員で共通の箇所を見ることができ、VRに不慣れな初心者でも意思疎通がしやすくなる』ことが挙げられます。
2面を使った3Dモデルの断面表示機能を強化
従来より搭載されていた『3Dモデルの切断面機能』が強化され、”切断面を2面設置”することが可能となっています。
切断された側の物体は”非表示”となります。
これにより、対象物が複雑な形状をしている場合でも、2つの切断面を用いて『レビュー不要な箇所を画面から省く』ことができるようになりました。
今回の強化により「評価したい部品の背後に別の部品が映り込み、形状を正しく把握しづらい」といった”意思疎通のミスにつながる状況”を回避することが期待できます。
「バーチャルデザインレビューV6.0」紹介Webセミナー開催!
最新バージョンV6.0の新機能および特徴について、Web会議システムZoomを用い、操作デモの動画を交えて紹介するWebセミナーが、2022年12月14日(水) 13:30より開催されます。
セミナーの時間は30分ほどが予定されており、参加費は無料ですが、事前登録が必要となっています。
まとめ
CAEのリーディングカンパニー・サイバネットシステム社が販売およびサポートしているVR設計レビュー支援システムに、新機能が追加および強化され最新バージョン「バーチャルデザインレビューV6.0」として販売開始されています。
製品サイクルがどんどん短くなる中で、設計レビューをしっかり行いつつコストが削減できるなら、製造側にも消費者にもメリットが感じられるニュースですね。
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