海外メディア「VRfocus」にて新しいVRの活用技術についてのニュースが紹介されていました。
火災消防訓練をVRで行うことができるトレーニング用ソフトウェアをイギリスのメーカーRiVR社が新しく開発したそうです!
この消防訓練VRを活用することによって、RiVR社は数百万ポンドもの税金の節税に繋がると見込んでいます。
RiVR社のVRソフトをイギリスの消防救助隊が購入!
イギリスのウォリックシャーに本社があるRiVR社は、VRヘッドセットで活用できる、レーザースキャニングによる360度の視覚環境と高解像度画質でリアルな世界を作り出せるプログラムを制作しました。
イギリス中部のレスターシャー州の消防救助隊はこのRiVR社のVRソフト購入のために50,000ポンド(約730万円)を投資しました。
RiVR社のVRソフトの内容は消防隊員がよく体験する、火災で焼けてしまった倉庫をバーチャルで作り上げたものです。
また、RiVR社では消防隊員のVR訓練ソフトの他にも消防車ドライバートレーニング用の360度VR訓練ビデオもいくつか制作しているそうです。
消防訓練VRの内容
消防訓練VRでは、
- 火災した倉庫内や外の道の周囲を細かく見ながら歩いたり、
- 何かを拾ったり、
- 証拠を見つけたり、
- 犠牲者に脈があるかどうかを確認したり、
といったことができるそうです。
VR訓練中、トレーナーはテーブルやパソコンで
- 1人称視点
- 3人称視点
- 俯瞰視点
から動きを確認することができます。
人目の視点そして鳥のような俯瞰図で自分の動きを確認できる仕様らしいです。
リアルタイムで情報がフィードバックできるので、効果的なトレーニングを受けることができそうです。
消防訓練VRはかなりの費用節約になる。
通常通り、消防隊が実際の火災が発生した想定で訓練をすると、そのたびに8,000ポンド(約120万円)もの費用がかかります。
RiVR社は消防訓練をVRに置き換えてトレーニングすることによって、かなりの費用節約を生み出すことができると見込んでいます。
RiVR社のCEOアレックス・ハーヴェイ氏によると
「実際にはスタッフを派遣し、消防車を出し、さらに待機させる間のガソリンも必要です。
でも、わが社のソフトだと、ボタンを押すだけでリセットできるので、消防隊員をわざわざ毎回現地に派遣する必要がありません。」
RiVR社はレスターシャー州の消防署と18ヶ月間一緒に働いていました。
「私たちは、まるで影のように18か月間、消防隊についていき、どのように訓練しているのかを正確に把握しました。
バーチャルで火災現場を再現するには、実際の活動内容を見る必要があったからです。
ただ単に、実際のトレーニングを置き換えるだけじゃなく、訓練によってきちんと学ぶ方法を強化することが大事なのです。
私たちは、すべての消防訓練の70%がVRを使用することでスキルを高い水準まで高めることができると見込んでいます。私たちのVRは危険な仕事を安全に訓練者がアクセスできるユニークなメディアだと考えています。」
RiVR社はこの消防訓練VRを将来的にはイギリス全土内での採用を目指しています。
レスターシャー州の消防署でRiVR社のVR訓練が導入されたことで、イギリス全土の消防隊が消防救助サービスに採用しようと勧めています。
すでに47ある拠点の内、30件が採用することに署名しています。
最後にRiVR社のCEOアレックス・ハーヴェイ氏は
「わが社以外にもVRの世界を作る人は他にもいますが、その世界観はリアルではなくアニメのシンプソンズの世界のようなものです。
ゲームの世界と感じると、結局はプレイヤーはゲームのようにしか行動できない。
でも現実世界に近いと感じることで、VRの世界に入っても人々は実世界のように行動し、よい結果を得ることができます。」
と締めくくりました。
まとめ
イギリスでもこのVRを使ったトレーニングは始まったばかりです。
実際に始めたことでコスト削減に繋がった効果が出ているようですね。
さらに今後、訓練によって火災現場にもよい効果が表れるようでしたらイギリス以外でも導入が検討されるかもしれないですね。
VRというと今はゲーム関連の導入が進んでいます。
でもこのイギリスの件が成功すれば火災訓練だけじゃなく、危険な建築現場の訓練や難しい手術などの医療現場の訓練など様々な場面に導入できるツールと言えそうですね!
これからのVRの世界の発展が楽しみで、ますます目が離せません。
参考サイト:RiVR Develop New VR Solution For Fire Service Training[VR focus]
関連サイト:RiVR公式サイト
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