富士通は、大学医学部などの医療・看護系の教育機関に向け、心臓の挙動を精緻に再現する心臓シミュレータを活用して得られた心臓データを3Dモデルで観察・分析できるソフトウェア「FUJITSU ヘルスケアソリューション Heart Explorer(ハートエクスプローラー)」を4月11日より販売開始することを発表しました。
「 Heart Explorer(ハートエクスプローラー)」とは?
「Heart Explorer」は、従来表現することが非常に困難とされていた心筋の動き、血流、興奮伝播、心電図などの心臓の挙動をスーパーコンピュータ「京」などを活用して研究開発を行ってきた心臓シミュレータの出力データを利用して、観察・分析することができるソフトウェアです。
「Heart Explorer」は心筋にかかる圧力などの物理的な値をグラフで表示し可視化する構造解析機能や、学習者自らが3Dモデルの視点や断面を自由に設定できるなど、体験しながら学習することが可能です。
「Heart Explorer」の特長
ここからは「Heart Exploer」の特長について簡単に紹介します。
特長1.精緻な3Dモデルによる高い学習効果
「Heart Exploer」では学習者が視点や断面を自由に設定し、模型では再現困難な内部構造や立体構造、拍動、血流を3Dモデルで学習することができます。
さらに可視化機能と解析機能を使うことにより、
- 心筋から生じる力
- 血流挙動
- 興奮伝播
もグラフ表示よる可視化を可能としています。
特長2.複数の学習要素を関連付けながら同時に学習
教科書や模型などを利用した学習では、心臓の示す心電図波形と興奮伝播の過程との関係を理解するのが非常に難しいとと言われています。
「Heart Explorer」は、シミュレータにより、体の表面に電極を設置し電圧を変化させて心電図を表示すると同時に、心臓内に興奮が伝播する様子を可視化して再現することができ、両者の関係を関連付けして理解することができます。
特長3.VR技術を用いた臨場感のある心臓の再現
心臓は、構造の奥行きや血液の流れを把握することが難しい臓器です。
しかし「Heart Explorer」と「zSpace 200」(別売り)を活用することで、VR技術による観察を可能にしています。
VR技術を活用したことによる、目視することが困難な心臓の内部構造や立体構造、心拍動などを複雑な心臓の形状を立体的に把握することができます。
また、4Kプロジェクターにつなぐことにより、大学の大教室での講義などでも活用できるようになっています。
「Heart Explore」開発の背景
現在、心臓病は世界の先進各国における死因の上位(日本2位、米国1位)を占めており、様々な治療法、治療機器が日々、研究開発されています。
治療法の確立だけでなく、医療・看護系の学生への心臓についての教育にも力がそそがれています。
心臓は体の中でも複雑な構造を持ち、心筋の複雑な動きや血流の動きを文献などで学ぶのは難しいとされています。
従来は、教科書、クリエイターにより作成されたCG、3Dプリンターなどから造形された模型、解剖実習などで心臓の構造と基本的な機能を学習していたことから、拍動する心臓を学習できる教材が必要とされていました。
当社は、このような課題を解決するため、国立大学法人東京大学様との心臓シミュレータの共同研究の成果から得られた技術を取り入れ、「Heart Explorer」を開発しました。
スーパーコンピュータ「京」などを活用して研究開発を行ってきた心臓シミュレータの出力データを利用し、心臓の拍動を精緻に再現します。
「Heart Explorer」は、精緻に再現された心臓と可視化機能、解析機能で、効率的に学習できます。
引用元:「Heart Explorer」プレスリリース[富士通]
「Heart Explorer」概要
製品名 | 販売価格 (税別) | 出荷時期 |
FUJITSU ヘルスケアソリューション Heart Explorer | 385万円 | 4月11日より |
FUJITSU ヘルスケアソリューション Heart Explorer アカデミック向け | 250万円 | 4月11日より |
ソース:「Heart Explorer」プレスリリース[富士通]
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