VRを用いた広告表示は様々な企業が取り組んでおり、コンテンツの数やデバイスの性能の向上に伴って、従来にはなかった新しい広告表示の手段が開拓されつつある。これによってコンテンツ開発者は広告を通した収益を得やすくなる。
一方で、モバイルARを用いた広告プラットフォームの開発は始まったばかりだ。しかし、先日iOS 11が正式リリースされたことによってARKitが利用可能になり、普及率の高いiOSデバイスがモバイルARのプラットフォームとなった。これによってモバイルARの普及の加速が予測される。
それに伴って、モバイルARを用いた広告サービスのニーズも高まる。マーケティング/デベロッパー企業であるironSource社は、モバイルARゲームで効果的に広告を表示するシステムを構築している。
概要
ゲーム内に広告を表示
モバイルARを用いた広告システムは、ironSource社のコンテンツ開発部門であるPlayworks Studioによって開発が行われている。
同部門が開発したモバイルARゲームを用いた広告システムでは、広告を表示するゲーム内の3Dオブジェクトを用いて広告表示を行う。
ゲーム内のキャラクターにさりげなく広告を表示したり、ストーリー展開に合わせて広告を表示するという仕組みだ。
高まるモバイルAR広告のニーズ
現在、アップルは同社のARプラットフォームであるARKitをリリースし、また先日グーグルはAndroid端末用のARプラットフォームARCoreを発表している。iOSとAndroidという、現在のスマートフォン市場を占める2大OSがARに対応することで、様々なモバイルARゲームが登場しそうだ。
それによってモバイルARゲームを用いた広告のニーズも高まると予測される。ironSourceでチーフデザインオフィサーを務めるDan Greenberg氏は以下のように述べている。
iOS 11のリリースのよってモバイルARの普及率が高まる
ironSource社はモバイルARを用いた広告の可能性に早くから着目していた。今年6月にARKitが発表され、まだベータ版であった時からモバイルAR広告システムの開発を行なっていたという。
キャラクターやゲームエリアを現実世界に重ね合わせるという、従来のゲームを大きく変えるモバイルARゲームでの広告サービスはまだ未開拓の分野だ。しかし、ironSourceはモバイルARが広告という分野で大きなポテンシャルを秘めていることを確信している。
ゲームはAR広告にとって最適
AR広告の新規性やポテンシャルについて、Greenberg氏は以下のように述べている。
11月から展開予定
ironSourceは同社の開発した広告システムを11月から運営開始する予定だ。11月には大半のiPhoneユーザーがiOS 11をインストールしているであろうことを見越しての時期設定だ。
モバイルARを活用した広告の可能性
モバイルARアプリはまだそれほど普及しておらず、したがってモバイルARをプラットフォームにした広告を目にする機会も少ない。様々な企業や開発者が、モバイルARを用いた広告の可能性を実験している段階だ。
しかしironSource社などの先進的な取り組みを行う企業は、モバイルARを用いた広告サービスの実用化に取り組んでいる。また最近ではディズニーが、同社の映画のプロモーションを目的としたARコンテンツを展開している。
映画「スター・ウォーズ」のプロモーション
ディズニーはモバイルARを活用した広告を展開している。同社は今年12月に公開予定の映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のキャンペーンとして、同映画に関するAR体験が可能な「Star Wars」アプリを開発した。
同アプリでは、ディズニー公認の店舗に置かれるキャラクター広告版を探してアプリを起動、その看板に「Find the Force」と印刷されたロゴをスマートフォンのカメラで認識する。すると、ディスプレイを通して「スター・ウォーズ」のキャラクターがAR表示されるというものだ。
AR表示されたキャラクターの横に並んで、写真や動画を撮影することも可能だ。もちろん、撮影した写真や動画はSNSでシェアすることもできる。また、本アプリでは同映画に登場する新キャラクターなど、様々な情報を配信している。
参照元:VRFocus AR Ads For Mobile Videogames Will Be Coming In November
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