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「ただ質問するだけ」なのに相手との親密感が上昇?VR会話シミュレーション「Fall in Love VR」がリリース




Tool of North Americaは、VR会話シミュレーション「Fall in Love VR」をリリースした。


全体的な内容としてはVR空間上に出現する人物と交流し、幾つかのやりとりを楽しむ、というもので、その過程でユーザーはアバターに親密感を抱くかどうかを試されることになる。内容的には恋愛シミュレーションに近い側面があると言えるだろう。


「Fall in Love VR」を特徴づけるのは、2者間での「質問をして、それに対して答えを返す」というだけのコミュニケーション形式でも両名の間で急速に親密性が生まれる、ということに注目し、それをVR環境下で実験しようとした点だ。


この意味で「Fall in Love VR」は単なる「恋愛シミュレーション」というよりは、ユーザーに対する実験的なニュアンスの濃い内容に仕上がっているのだ。


「Fall in Love VR」の概要




「Fall in Love VR」はOculusRiftに対応したVRコンテンツ。


はじめにユーザーはVR空間中に浮かぶ男女5名(以下、アバター)の写真から、恋愛対象として興味のある人物を1名選択する。


その後、事前に配布されていたフラッシュカードからアバターに尋ねたい質問を選び、口頭で問いかける。すると自然言語処理技術が搭載されているアバターの側が質問を認識し、返答をしてくれる


質問内容は「あなたと知り合いになりたい」といった非常に単純なものから、アバターのパーソナリティに踏み込むような質問まで多様なものが用意されているようだ。


親近感が生まれるのはなぜ?




このように見ると「Fall in Love VR」は非常にシンプルな作りとなっている。果たしてこれだけの内容でユーザーはアバターに親近感を覚えるのだろうか。


しかし上記の動画中ではTribeca映画祭に出展した際、体験した人から「(もっと体験するための)時間が欲しかった」などの感想が寄せられており、これを見る限りは体験者からは比較的良好な反応を得られた様子が伺える。


こうした反応が得られたのはなぜなのだろうか。


開発のきっかけはNewYorkTimes紙の記事!




その答えを知る鍵は、「Fall in Love VR」の開発経緯にある。


開発ディレクターであるKevin Cornish氏によれば、「Fall in Love VR」のアイデアの源泉となっているのはNewYorkTimes紙に掲載されたとある記事だ。


「The 36 Questions That Lead To Love」という見出しのつけられたその記事は、心理学者Arthur Aron氏によって執筆されたもので、2015年1月9日に同紙に掲載されたもの。


ここでは記事の具体的内容については割愛するが、Cornish氏はここから、人間の親密性を形成する上で「会話という行為それ自体」が果たす役割へ大きな関心を寄せることになったという。


通常他人と親密性を高めるためには、お互いの間で交わす「言葉」の内容が重要だと考えられがちだ。ところがCornish氏は単に「会話という行為」を繰り返すだけでも、2者間の親密性が向上するのではないか、と思いついた。


そのアイデアを試験してみようと思いつき、開発したのが「Fall in Love VR」だったというわけだ。そして体験者の反応を見る限り、そのねらいはある程度達成されたように思える。


アバターからの質問は「NG」?


実は開発当初、「Fall in Love VR」は現在のようにアバターに対して一方的に質問するだけでなく、ユーザーとアバター間で相互に質疑応答をし合う、というシステムが構想されていた。


ところが結局このシステムは採用されなかった。理由はユーザーはアバターから質問をされて返答に困ると不快感を覚えてしまい、適切な親密性形成を阻害してしまうことがあると判明したからだという。


こうした知見は我々の日常生活のコミュニケーション中でも応用する機会があるのではないだろうか。


VR環境でのコミュニケーションシステム構築が進展する?


「Fall in Love VR」が示唆しているのはVR環境内での新たなコミュニケーションシステム構築への可能性だ。


ユーザーがVR空間内のアバターに親密性を抱くメカニズムの解明が更に進展すれば、VRゲームにおけるNPCのゲーム内動作改善などはもちろんのこと、企業がイメージキャラクターを通じて自社ブランドへの好感度を高めようとする事例も出現するかもしれない。


ただしVR内のコミュニケーションシステムは、ユーザーがアバターからの質問に否定的な感情を示す場合があることから分かる通り、必ずしも「リアル」なものに作り込む必要はないのかもしれない。


参考URL:

THE NEW YORK TIMES

//www.nytimes.com/2015/01/11/fashion/no-37-big-wedding-or-small.html?mcubz=3&_r=0

FAST COMPANY

//www.fastcompany.com/40469540/how-virtual-reality-could-help-you-fall-in-love


VRSCOUT

//vrscout.com/news/fall-in-love-vr/


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