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時計メーカーによるVRを活用したPR


時計のPRとVR技術

時計のPRにもVRは活用できる


製品やブランドのPRにおいても存在感を示す最新の技術、バーチャルリアリティ。VRヘッドセットを使ったVR映像によって製品の利用シーンを想像させたり、卵を産んだ鶏の過ごしている自然豊かな農場の風景をイメージさせるアニメをAR表示したりと様々な分野で視覚化技術のマーケティングへの応用が試されている。


多くの人にとって高級品となる腕時計の世界でも、VRを使ったプロモーションを行うブランドが出てきている。


VRで時計をPRする



VR技術を使って消費者の興味を惹く方法はいくつか考えられている。ちょっとしたゲームが遊べるものもあるが、VR映像で製品を魅力的に見せるのがその基本だ。ちょうどテレビCMと同じである。


これまでの例


過去にVRヘッドセットを使って視聴するVRコンテンツを提供したことがあるRoger DubuisとAudemars Piguetは、消費者を時計の心臓部を探検できるバーチャルツアーへと連れて行った。


時計は非常に精密な部品の組み合わせによって作られており、通常消費者がその内側を覗くことはできない。内部の構造や職人が時計を扱っている様子を見ることで、時計に興味を持つ消費者が出てくるかもしれない。


製品のバックグラウンドを見せる手法は、他の映像を使ったプロモーションでも行われてきた。職人がこだわりを持って手作業で作っている製品や、ストレスの無い環境で育てられた農産物をより魅力的だと感じる消費者は多いだろう。


また、TAG HeuerはVR空間でユーザをレーシングカーに乗せている。この場合は製品そのものが優れていることをアピールするよりも、製品に対して良いイメージを持ってもらうことが目的と言えそうだ。


広告の背景として快適な生活をイメージさせる写真を取り入れたり、テレビCMに人気の俳優を登場させたりするのと同じ考え方だ。イメージが購買行動に与える影響は大きいので、良い印象を抱かせることができれば売上に繋がるだろう。


消費者のイメージ


単にVR技術を使った広告活動を行っているという事実だけでも、消費者に良いブランドイメージを持たせることができるかもしれない。


VR/ARを専門とする調査会社Greenlight Insightsが行った調査によれば、消費者の68%がVRで広告を行っているブランドを「先進的でモダンだ」と評価するという。


回答者の半数がこうしたブランドに親しみを持っただけでなく、実際にそうしたブランドの製品を購入することも多かった。


VR広告の基本形と呼べるようなものはまだ定まっていないが、新しい広告メディアとしてVRを取り入れることは技術力や先進性をアピールしたい企業にとって特に有効な方法なのかもしれない。


広告に使われるVR



VR技術を広告に使うことで消費者から先進的な企業だと認識してもらえる可能性はあるが、注意しなければならない点もある。


VRは「補完的な存在」


Audemars Piguetでは、消費者からの反応が良かったVR映像を51の店舗で視聴できるようにしている。この映像では、時計を製造する工場の様子を見ることが可能だ。


消費者に魅力的な体験を提供するVRだが、同社の最高マーケティング責任者Tim SaylerはVRが主役になるのは同社の目指すところではないと考えている。


「消費者が店舗を訪れるのは、フィジカルな体験のためです。人に会い、実際に製品を見るために来店するのです。


ストアにディスプレイが並んでいるばかりになれば、店舗を訪れることはなくなってしまいます」


VR技術によってリアルな体験が可能だが、あくまでもバーチャルなものだ。製品に詳しい店員と直接話をしたり、製品そのものを見て、触って体験するのと同じではない。


VRは店舗を訪れた消費者の体験を邪魔するようなものではなく、その体験を補完するものにならなくてはならない。


VR酔い


VRコンテンツを作成するためのノウハウを持つ企業は多くない。未熟なカメラワークによって、体験したユーザが不快になってしまう可能性は大きなリスクだ。


企業が広告のために制作したVRコンテンツを利用したユーザがVR酔いを起こしてしまえば、良いイメージを与えるどころか悪いイメージを与えてしまうだろう。


消費者の認識を大きく変える力のあるVRは、悪い意味でも大きな力を持っている。


ユーザ層の違い


VRデバイスは世界的に普及しつつあるが、まだ所有者は限られている。


地域によって程度の差はあるものの、高学歴な若い男性が多い傾向があるのでそうした層を対象とする製品はVR広告を取り入れることを考えてみても良いかもしれない。


また、地域による違いもあるようだ。Roger Dubuisによれば、アジア圏、特に中国ではVRがよく使われているという。過去のアンケートでも中国の消費者はVRを使ったショッピングへの期待が高いという結果が出ている。


VR広告を利用するかを考えるときには、ターゲットの属性だけでなく製品を販売する地域も考慮する必要がありそうだ。


 


時計のメーカーでもVRを広告に使っている例はあるが、まだ採用例が少ないのが実情だ。多くのメーカーは、実績のある既存の広告手法を採用している。まだ自動車メーカーほどにはVRに対して積極的とは言えない。


Greenlight Insightの調査では、VRを広告に使う企業に対してポジティブな印象を抱く消費者が昨年と比べて少し減っていることも分かっている。これはVRの目新しさが去りつつあることを示しているものだろう。


目立つためにとにかくVRを広告に使えば良いという状態は終わり、どういった体験を提供できるかがさらに重視されるようになっていくとみられる。


 


参照元サイト名:VR Room

URL:https://www.vrroom.buzz/vr-news/business/virtual-reality-challenges-watchmakers


参照元サイト名:Financial Times

URL:https://www.ft.com/content/4dfa7432-582f-11e7-80b6-9bfa4c1f83d2


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