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難易度も調整可能!VRを使った曝露療法のイメージ


Carmine GalloとLimbixのSean Sullivan

Carmine GalloとLimbixのSean Sullivan


医療分野の中でも、精神医療にセラピストがVRデバイスを活用することで恐怖症の克服に効果があることを示す研究結果が出ている。VRを使ったリアルなシミュレーションを通して苦手な場面や対象に少しずつ慣れていくことで、各種恐怖症・不安症やPTSDの治療に効果が期待できるようだ。


Limbixは、心理療法に取り入れられるVRコンテンツを開発する企業だ。


VRInsideも以前インタビューを実施しているLimbixを、コミュニケーションコーチのCarmine Galloが取材した記事がForbesに掲載された。Limbixはスピーチ恐怖症の患者に向けたコンテンツも制作しているが、人にコミュニケーションを教える立場にある「コミュニケーションのプロ」の目にはどのように映ったのだろうか。


Limbix


VRで運転席を体験

運転をVRでシミュレーションする


Limbixの本社は、カリフォルニア州のパロアルトにある。同社が取り組むVRを使った心理療法コンテンツは、セラピーを一変させるかもしれないものだ。


21世紀の曝露療法


一概にVRを用いるセラピーが伝統的な方法よりも効果的だと言うことはできないが、リアルかつ安全なVR空間では現実に体験させるのが難しいシーンを体験することもできる。知識のあるセラピストが正しく用いれば、治療効果を発揮してくれることが期待できるツールだ。


VRを使ったセラピー自体がここ一年ほどの間に知名度の高まったものなのでまだ研究例は少ないが、有望な方法であることは間違いない。


LimbixのVRコンテンツを使ったセラピーは、これまでに治療効果を上げてきた伝統的かつ一般的な治療法である曝露療法が元になっている。シンプルに言えば、これはPTSDの原因となった出来事や恐怖の原因となるものに少しずつ触れることで患者を慣れさせていくものだ。


同社のSean Sullivanは、この方法を「21世紀の曝露療法」だと表現している。


「VRを使った治療は、21世紀の曝露療法です。


本当に体験する以外の方法で経験することができる、最も本物に近い体験です」


モバイルVRでの使用


曝露療法自体は長い歴史のある方法だが、VRを使った曝露療法もまた以前から試されてきた。その始まりは、今から10年以上も前に遡る。


最近では、オックスフォード大学で精神医学を研究する教授たちがこの治療を扱った285の研究をレビューし、「VRはメンタルヘルスの問題を克服するためのとても大きな可能性を秘めている」と結論付けた。


だが、実験ではなく治療としてこの方法が用いられるようになったのはここ最近のことだ。


導入が進まなかった原因は、当時のVRデバイスにある。VRシステムは高価かつかさばる上に高性能なデスクトップパソコンと有線接続しなければ利用できなかったため、導入が難しかったのだ。


消費者向けのVRデバイス、特に安価で手軽に利用できるモバイルVRの登場によってセラピストがVRを使った治療を試すことができるようになった。今日では、セラピストは1万円以下でDaydream Viewを購入できる。


LimbixのVRコンテンツは、Daydreamプラットフォームで視聴可能だ。


スピーチ恐怖に向けたVRコンテンツのイメージ



上の動画では、Carmine Galloが人前で話すことに不安や恐怖感を感じる人のためのVRコンテンツを体験する様子を見ることができる。


スピーチの恐怖


ほとんどの人は、普通に家族や友人と話すだけであれば不安や恐怖を感じることはないはずだ。


だが、重要な会議で発言するときや全校生徒に向けたスピーチをするときに全く緊張しない人もまた少ないだろう。目上の人に向けて話す場合や大勢の人に向けて話す場合、あるいは自分の意見を伝えなければならないときには緊張してしまうこともあるのではないだろうか。


人間にとって、周囲の人々に受け入れられるかどうかは生死に関わる重大な問題だった。人前で意見を表明するときに緊張するのは自然な反応だ。


現代ではスピーチで失敗しても即追放されたり処刑されたりすることはないが、フォローを怠ればキャリアに傷が付いたり、立場が悪くなったりすることはあるだろう。


セラピストによるコントロール


LimbixのVRコンテンツは、治療をより有効にするためにリアルなものになっている。人前で話すトレーニングのためにCGのキャラクターを相手にするアプリケーションもあるが、彼らが用意したのは人間の役者である。


Galloは、このVRツールの優れているところとしてセラピストが聴衆の雰囲気をコントロールできることを挙げている。


21秒からの最初のシーンでは聴衆が「ナチュラルで、カジュアルな」状態に設定されている。楽な服装で、姿勢や表情もリラックスした雰囲気だ。


だが、1分を過ぎたところではよりビジネスシーンに近い状態になっている。彼らはそわそわとあくびをしたり、携帯電話やパソコンのスクリーンをチェックしたり、あるいは水を飲んでみたりといった動作をする。


VRを使うことで、最初は好意的に話を聞いてくれる人々の前で話すことに慣れ、途中からはビジネスミーティングの場でも話せるように練習を進めることが可能だ。


 


Galloは、VRを使うことで心理療法が大きく変わるかもしれないと結んでいる。


高品質なVRデバイスが一般の消費者にも購入できるようになっているので、セラピストのところを訪れなくても在宅で治療を受けることができるようになるかもしれない。


自分のスマートフォンを使ってセラピストの指示通りにセラピーを受け、アプリが収集したデータをセラピストがチェックするという治療のスタイルも可能になりそうだ。


 


参照元サイト名:Forbes

URL:https://www.forbes.com/sites/carminegallo/2017/08/27/a-virtual-therapy-for-stage-fright-thats-remarkably-realistic/


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