ディズニーはディズニーランドにおけるVRの採用に消極的で、パーク内で利用するとしたらVRよりもむしろARが選ばれるようだ。
VRアトラクションの可能性については、新しくオープンする予定のスターウォーズテーマエリアでもVRを採用することはないと繰り返しコメントしている。
地球から遠く離れた銀河を舞台に、ライトセーバーやブラスターを使うVR体験を望む作品のファンにとっては少し寂しい方針だ。
だが、The Voidの開発によってディズニーランドとは少し異なる場所でスターウォーズをテーマとした没入感の高いロケーションベースVR体験が可能になる。
スターウォーズのコンテンツ
日本も含め、世界中に多くのファンを抱えるスターウォーズシリーズ。
映画や小説はもちろん、過去に何度もゲーム化された作品だ。この作品の世界をVRやARといった最新の技術によって感じられるゲームの需要は、間違いなく大きい。
スターウォーズとAR
最近になって発表されたのが、スターウォーズをテーマとしたARデバイス(またはそのコンテンツ)だ。
先月の後半に発表されたばかりのStar Wars: Jedi Challengesについては現在に至るまで続報がなく、発表時に公開された公式サイトとYouTubeのトレイラーから内容を推測するしかない状態となっている。
トレイラーとは言ってもコンテンツではなくARデバイスを取り上げたもので、映像で見られるのはほとんどデバイスの外観のみだ。
発表されたトレイラーの13秒~15秒あたりでARヘッドセットに表示された映像がチラリと映るものの、見えるのは宇宙空間とそこに浮かぶ惑星ばかりである。残念ながら、有名なキャラクターや実際のゲーム画面を見ることはできなかった。
スマートフォンを使うタイプのARヘッドセットと、ゲーム内でライトセーバーになると思われるコントローラーを使って遊ぶARゲームになるようだ。
Star Wars: Jedi Challengesのリリース日や価格は不明だが、小売チェーンのBest Buyや開発を担当するLenovoの直販サイトであるLenovo.comでの販売が予定されている。
スターウォーズとVR
発表から日が浅いのはAR技術を利用したStar Wars: Jedi Challengesだが、スターウォーズをテーマとするVRゲームももちろん存在する。
魅力的なガジェットが多数登場するスターウォーズ作品の中でも、象徴的存在となっているのがライトセーバーだ。スターウォーズのストーリーをよく知らないとしても、その形状や振り回したときの音はイメージできるのではないだろうか。
プレイヤー自身がライトセーバーを振り回すこともできるVR作品として、HTC Viveのユーザに無料で提供される『Star Wars: Trials on Tatooine』がある。
今年の5月にHTCのViveportで配信が開始されたこの作品は無料で、Viveのコントローラーを使った操作に対応している。
また、PSVRユーザには『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』が提供されている。
PS4ソフト『Star Wars Battlefront』の無料DLCという位置づけの短い作品だが、こちらではViveのTrials on Tatooineと違って戦闘機X-Wingに乗り込み、操縦できる。
11月に発売が予定されている同作の続編でもVRコンテンツが含まれる可能性が高く、ファンからの期待を集めている。
現時点でそうしたコンテンツの情報はないが、CTOのツイートやX-Wing VR Missionの評価を考えればVRコンテンツが提供されるという予想は自然に出てくるものだ。
HTCは「E3 2017で発表されていない、今年発売される大型タイトルの情報がある」としており、その大型タイトルがバトルフロント 2なのではないかという説もある。
The Voidの発表
The Voidは、昨年の7月にニューヨークで初めてのVR施設をオープンさせた。
この施設では専用のセットの中を歩きながら、映画ゴーストバスターズをテーマとするVRコンテンツ『Ghostbusters: Dimension』を体験することができる。
現在はニューヨークの他にソルトレイクシティと、トロント(カナダ)、ドバイ(アラブ首長国連邦)にも施設があり、世界4箇所で展開している。
アクセラレータプログラムへの参加
先月ディズニーから発表された2017年のアクセラレータプログラムに参加する企業の中に、The Voidの名前があった。
過去に第8回 annual Lumiere Awardsを受賞するなど、VRやVRアーケードの関連では有名なThe Void。
ついにディズニーが支援するほどの有望企業として選ばれた形だ。
Star Wars: Secrets of the Empire
ディズニーがThe Voidを支援することが明らかになってからまだ半月しか経っていない8月3日、The Voidはブログでスターウォーズをテーマとする『Star Wars: Secrets of the Empire』の開発を発表した。
このコンテンツは、今年のホリデーシーズンにカリフォルニア州アナハイムのディズニーランド・リゾートと、フロリダ州ベイ・レイクのウォルトディズニー・ワールドリゾードにオープンする予定だ。
最大4人のプレイヤーが同時に、ワイヤレスでVRゲームに参加できるという。
アトラクションが建設される場所はいずれもディズニーの既存のパークに近い。しかし、ディズニーランドの敷地内にVR施設が建設されるわけではない。
場所の選択は明らかに相乗効果を狙ったものだが、パークに入園せずにVRだけを利用することもできるはずだ。
ロケーションベースのVRで世界的に高い評価を受けるThe Voidが手がける、スターウォーズのコンテンツ。
制作する企業と扱うコンテンツがいずれもよく知られているので、期待も高まる。
VR施設の場所はパーク外ではあるものの、多くのディズニーファンがアトラクションの一つとして利用することになるだろう。
参照元サイト名:The Void
URL:https://blog.thevoid.com/star-wars-secrets-of-the-empire/
参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/star-wars-vr-coming-to-disney-resorts-from-the-void-this-holiday/
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