VRコンテンツ企業Withinによるコンテンツキュレーションアプリ”Within”にて、最新VR実験アニメーション”Hovering”が視聴できるようになった。
ジャンル横断して活動するレーベル、79 Ancestorsがプロデュースする”Hovering”はWithinの公式サイトから直接視聴することも可能。
Hoveringとは
概要
アニメーターConor GrebelとミュージシャンShigetoとのコラボレーション作品である”Hovering”は、荒廃した惑星の破壊と創造をテーマにした360度コンテンツで、描かれるストーリーは抽象的だ。
モノクロの荒廃した世界に虫や鳥や人は一切登場せず、生き物のように動めく黒い液体や人気のない建造物などが登場し、シュールで退廃的な世界に没入する体験には他のアニメーションでは味わえない斬新な感覚があり、最先端のアニメーションや映像表現を求める人は1度は観ておくべき作品だ。
Conor Grebelは制作にあたって最先端のテクノロジーと伝統的なアナログ技術を融合し、登場する様々なオブジェクトはCGによって制作されたものではなく、自然界のオブジェクトをデジタルスキャンしたものだという。
音楽はミュージシャンShigeto制作によるトラック”Hovering”をフィーチャリングしており、この楽曲は79Ancestorsがプロデュースする“Territories”というオーディオビジュアル作品集に収録されている。
Shigetoによるサウンドトラック
Shigetoが制作、ミックスした”Hovering”はダークで無機質で、しかしユニークで幻想的な雰囲気が特徴だ。
楽曲の雰囲気を表現するに当たってShigetoはそう語っているが、楽曲は360度の空間設計を基にしたサウンドデザインがなされており、VRの没入感を高める効果を出している。
Territories VRについて
“Hoveringは”79 Ancestorsがプロデュースする、音楽とビジュアルのアートコレクション”Territories”の1作品目であり、Telefon Tel Aviv、Shigeto、Rafael Irisarriなどの有名アーティストもゲストとして参加している。
Territories VRは架空世界をモチーフにした映像作品集で、Hoveringに象徴される霊妙な世界観が映像化されており、BGMは楽曲アルバムから選曲され、それぞれに360度空間オーディオによるリミックスがなされている。
Hoveringに続く2作目は、音楽家Rafael Anton IrisarriとビジュアルアーティストCan Buyukberberのコラボによる”Certainty”であり、近日公開される。
Territoriesのアルバムは現在、SpotifyとSoundCloudで聴くことができ、また12インチのビニール版もリリースされ、79Ancestors特製のカードボードVRビュワーが特典として付属する。
79 Ancestorsとは
2016年にアーティスト集団によって設立されたレーベルで、音楽、パフォーマンス、映画など様々なジャンルをクロースオーバーして作品を発表する。
「創作物の新しい形を提示する」ことをビジョンに掲げるこのレーベルが発表する作品は極めて先鋭的で、音楽、映像、写真などの様々な媒体を用いて新たな表現を追求する79 Ancestorsが”Hovering”を皮切りにVRによる表現の追求を開始したことは、当然の成り行きと言えるだろう。
ワールドワイドでクリエイティブ作品をプロデュースする79 Ancestorsの活動には世界各国の有名アーティストがゲスト参加しており、先鋭的で実験的ながらもクリエイティブな作品を発表し続けている。
Withinとは
Withinはコンテンツ制作企業であり、同社の名前のアプリは世界中のハイクオリティのVRコンテンツをキュレーションするアプリ。
設立はフィルムメイカーであるChris MilkとテクノロジストのAaron Koblinで、VRによるストーリーテリングの可能性を追求することを目的とし、公式サイトでもVR映画やアニメーション、ドキュメンタリーに到るまで様々なジャンルの映像がキュレーションされている。
AppleやNew York Times、Viceなどとコラボし、21st Century FoxやWME、Legendary Picturesなどの大手からも投資を受けており、今後の活躍が期待される企業だ。
WithinはiOS、Android両方に対応しており、それぞれのサイトからダウンロードすることが可能。
参照元:VRFocus
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