一般的なテレビゲームのコントローラーの形としてイメージされるのは、やはり任天堂やソニーのゲーム機に付属するものだろう。
いずれも両手で握ったときにフィットするようにデザインされており、アナログスティックや十字キーといくつかのボタンがある。それらの組み合わせで、ジャンルを問わず多くのゲームを快適にプレイできる。
反面、特定のジャンルにおいてはハンドルコントローラー+ペダルやアーケードコントローラーの方がリアルだったり、操作性が良かったりということもある。
VRヘッドセットを製造する各メーカーも、VRゲームのコントローラーを工夫している。複数のデバイスを持たなくても、Exeoがあればどんなゲームにも対応できそうだ。
ただ、残念ながらExeoは工業デザインを学ぶSUSHANT VOHRAの作成したデザインコンセプトである。
VRゲームのコントローラー
XboxコントローラーとOculus Touch
Oculus Riftが発売されたとき、まだOculusはハンドトラッキングコントローラーを製造していなかった。Riftに付属するのはXboxのコントローラーで、VRゲームの操作にもこのコントローラーを使用していたのだ。
Oculus Touchが発売されたのは2016年の12月に入ってからである。Oculusは繰り返しTouchがゲームパッドに取って代わることはないとコメントしてきた(2016年9月、12月)。
だが、実際にはTouchの発売以降にOculus Rift向けに販売されたVRゲームの多くがTouch専用か、少なくともTouchでの操作に対応している。
今年に入ると、Oculusからも公式に「ほとんどのRift購入者はTouchも購入している」ことが発表された。
様々なものになるハンドトラッキングコントローラー
メジャーなハイエンドヘッドセットには、対応するハンドトラッキングコントローラーが存在する。
HTC Viveには発売時からワンドコントローラーが付属している。Oculus RiftにはいまでもXboxコントローラーが付属するが、多くのユーザがTouchを購入する。PSVRには、PS Moveがある。
こうしたハンドトラッキングコントローラーは、VRゲームにおけるゲームパッドのような存在と言えるだろう。特定のジャンルに特化したデザインではないが、それゆえに多くの操作に対応する。
剣を振るのも、手を伸ばして落ちているものを拾うのも、腕を振って走るのもハンドトラッキングコントローラーで実現できる。
また、Google Daydream ViewやSamsung Gear VRのリモコンもこれらの一種と言えそうだ。一つしかないので両手の動きをトラッキングすることはできないが、手の動きでVRゲームを遊ぶことができる。
シューティング特化の専用デバイス
最近VRゲームの世界に新しく登場したのが、PSVRシューティングコントローラーだ。
対応するゲームはまだシューティングコントローラーと同時発売の『Farpoint』だけだが、今後も対応タイトルの発売が予定されている。
既に発売されている『The Brookhaven Experiment』もアップデートで対応する予定だ。元はPS Moveを使って左右の手に銃やナイフを持てるゲームだが、シューティングコントローラーで遊ぶ場合には両手でライフルを握ることになる。
また、シューティングコントローラーを使っている場合のみ「武器で敵を殴る」近接攻撃も可能になるという。
ゲームジャンルやゲーム内での行動は制限される(同じFPSでも二丁拳銃には適さないため、The Brookhaven Experimentではゲーム内容が調整される)ものの、ハマるコンテンツならば汎用のコントローラーよりも高い没入感が得られるのが特徴だ。
「何でもコントローラーにする」デバイス
様々な動作に対応できる上に、没入感も高いのがHTCのVive Trackerを使う方法だ。
本物のラケットを使ってテニスゲームをプレイしたり、モバイルVRヘッドセットをポジショナルトラッキングに対応させたりと、アイデア次第で用途が拡大するデバイスである。
複数をプレイヤーの身体に取り付ければ全身のトラッキングすら可能になるが、コストがかかる(記事の方法では3つのTrackerを使っているので、37,500円)という難点もある。
実験的な動画は多数公開されているものの、実用的な利用法はまだ発表されていないのが実情だ。
モジュール型コントローラー
Exeoは、ハンドトラッキングコントローラーのように汎用性が高く、シューティングコントローラーのようにリアルな操作感を実現するデバイスだ。
3つの基本パーツを組み合わせることで、様々な形のコントローラーとなる。
Velox
単体だと拳銃のように使えそうなVeloxは、様々な組み合わせの要となるパーツだ。
もちろん、そのまま握ってパンチを繰り出すこともできる。サイズは小さいが、重要な存在である。
後述のBrutusで延長すれば、拳銃だけでなくライフルにもなる。
Brutus
Brutusは、最も長さのあるパーツだ。そのまま握ることで、剣やバットのような棒状の道具を表現できる。
また、搭載されたライトはゲームに合わせてフィードバックに利用可能だ。
上のライフル型コントローラーでも銃身の部分に使われているように、大型のコントローラーを作るときのパーツとしても有用である。
弓やバイクのハンドルにもなるパーツだ。
Terra
Terraは他の2つと異なり、テーブルなどに置いて使うことを想定したコントローラーだ。
手に持って動かすことで、RTSやボードゲームなどのジャンルでユニットを操作することができる。もちろん、エアホッケーに使うこともできるはずだ。
Veloxと組み合わせれば、飛行機の操縦桿にもなってしまう。
3Dプリンタを使ったカスタマイズ
Exeoは、モジュールを組み合わせることでゲームに合わせて形を変えられるコントローラーだ。このExeoをデザインしたVOHRAは、次の段階ではボタンを自由に選ぶことすら可能になると考えている。
次の段階に進むために必要となるのが3Dプリントの技術だ。3Dプリンタを使って必要なパーツをプリントし、ゲーマーが自分の遊ぶゲームやプレイスタイルに合わせたコントローラーを利用できるようになる。
技術的に簡単ではないが、クールなアイデアだ。ゲームジャンルごとに専用のコントローラーを買うよりもコストを抑えながら没入感のあるプレイが可能となる。
現在販売されているデバイスでは、Vive Trackerを活用すればこのコンセプトを継承する製品が作れるかもしれない。
参照元サイト名:Sushant Vohra
URL:http://www.sushantvohra.com/exeo.html
参照元サイト名:Core 77
URL:http://www.core77.com/projects/66792/EXEO-Modular-Gaming-Controllers-Allow-You-to-Design-Your-Own-Controller-for-Each-Game
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