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AR技術で野菜や植物が安くなる?


ARで温室と植物の情報が表示される


VRとARの技術はエンターテイメント用途だけでなく、多くの分野で利用されている。映画やゲームの世界ではVRが新しい人気ジャンルを生み出そうとしており、ARが普及すれば実店舗でのショッピングを変えることになりそうだ。


サービス業や製造業に比べると農業、漁業、林業といった第一次産業はこうした技術を利用する例が少ない。一見すると縁遠いように思える農業とVR/AR技術だが、ARを使って農業を支援するシステムも開発が進められている。


AIとARを活用した「plant vision」と呼ばれるシステムがあれば、素人でも植物を育てられるようになるかもしれない。


データ農業の時代



Huxleyは、創業者のRyan Hooksが「plant vision」と呼ぶシステムを開発している。このシステムは、農家の温室や栽培室をAIとARの力を借りて管理するためのものだ。


農業の効率化


農業の世界も、効率化・機械化と無縁なわけではない。


日本のように比較的農地の規模が小さく、狭い土地で作物を生産している国ならば全て人の手で作業することも不可能ではない。だが、アメリカの広大な農園でそれをするのはほとんど不可能だ。多くの農場では積極的に農業機械を活用し、効率的に多くの作物を収穫するようになっている。


さらに効率化を進めている農場もある。データを収集するドローンやタグを利用して、作物の状態をコンピュータが把握する。収穫も機械を使って行えば手作業より効率的だ。


現在はまだ人間が機械を操作して作業する必要があるが、GPSを使って自立駆動するトラクターまで開発が進められている。


Hooksも技術によって農業を効率的にしたいと考えている。しかし、彼はAIと自動化された農業機械によって人間の農家が不要になるとは思っていない。AR技術によって農家の能力を拡張することで、彼らが人工知能と協力できるというのが彼の考えだ。


温室栽培のためのアプリ


温室栽培をする農家のために開発されたアプリケーションは既に出てきているが、Hooksが見る限りどのアプリにも重要なものが欠けていたという。


「この分野で開発をしていて気づいたのは、まだ誰も温室栽培のためにAR技術を上手く活用できていないということでした」


とHooksは語る。


彼が言う「重要で明白な機能」とは、ハンズフリーで使えることだ。農業をすれば手が汚れる。手が汚れていてはスマートフォンやタブレット端末を操作することができず、逆に汚れるのを嫌がっていては植物や土を触ることができない。


説明されれば単純なことだが、これまでのデベロッパーはARによってこの問題を解決しようとは考えていなかったようだ。


着用者が操作しなくても受け身でデータを利用できるメガネのようなデバイスを使えば、特別な操作をせずに多くのデータを受け取ることが可能となる。


plant visionの力


水田でタブレット端末を操作する男性


環境の管理


コンピュータが処理を得意とするのは、数字で表すことのできるデータだ。農業の場合であれば、温室の気温、土の酸性度、肥料や水の量といったものがコンピュータで管理するのに適している。


適切なセンサーと空調システムや給水システムを連動させれば、「温度が一定の範囲に収まるように空調を24時間コントロールする」「前回の給水から季節ごとに決められた時間が経過したら1分間給水システムを動かす」といった制御を自動化することが可能だ。


ベテランの農家が持つ勘ほど鋭くはないかもしれないが、コンピュータによる制御には正確性という武器がある。


人間への指示


コンピュータは忘れることがないため、作業をする人間に情報を確実に伝えることができる。人間はある植物を植えた日を忘れてしまうかもしれないが、システムに入力しておけば収穫予定時期を教えてくれるだろう。


複数の作業者がいる温室でも、「この畝は切り戻しを行った」「病気の可能性があるので要観察」といった情報を共有するための方法としてシステムを活用できる。人間同士の連携ミスやうっかりによる失敗を防ぐための指示を出すのも、コンピュータの役割だ。


生育状況の監視


AIは疲れることがないので、カメラを通して24時間植物の状態を監視することができる。将来的には、植え付けからの経過日数だけでなく植物の映像を元に収穫の時期を判断することも可能になる。


病気や害虫が発生した兆候が見られるときも、すぐにその情報が作業者に伝えられるようになるはずだ。


農家を助けるシステム


Huxleyのplant visionは農家を助けるシステムだ。


植物に関する知識を持つ農業労働者に安い賃金で働いてもらうのは難しいが、Huxleyのシステムがあれば難しい計算や植物の知識は不要で誰もが農家になれる。彼らはARで表示される指示に従って作業を進めるだけで良い。


その結果、品質の良い食べ物や薬効のある植物がより手頃な価格で手に入るようになるとHooksは言う。


「Huxleyによって農業に従事する人が増えれば、農薬を含まない植物を効率良く消費者に届けることができます」


 


屋外の広い農場では、ドローンや自動トラクターのような機械を使って効率的に農業を行う方法が研究されている。温室ならば環境を管理できるので、コンピュータに管理させるという方法も有効だろう。


Hooksが言うようにAIの指示に従うだけで農業ができるようになれば、温室での仕事は指示通りに倉庫で荷物を運ぶ仕事と似たようなものになるのかもしれない。


 


参照元サイト名:Motherboard

URL:https://motherboard.vice.com/en_us/article/weed-vision-how-augmented-reality-can-improve-grow-houses


参照元サイト名:Huxley

URL:http://www.huxley.io/


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