Steamでゲーム販売を希望する開発者が、ゲームの情報やビデオを投稿し、ユーザーの反応によって販売が決定されるシステムのSteam GreenlightにてSteamユーザーにはおなじみ、名作FPSの「Half-Life 2」の非公式VRリマスターが投稿され、無事通過しました。
今回はそんな「Half-Life 2」を全く知らない人にも広く知っていただくためにHalf-Life 2がどのようなゲームだったのかを紹介し、来たるVR版に備えつつ、VR版のHalf-Life 2がどのようなものになるのかを予想していきたいと思います。
Half-Life 2のVRリマスター版「Half-Life 2: VR」がSteam Greenlightを通過
さて、VR版のHalf-Life 2である「Half-Life 2: VR」は元々「Half-Life 2」を開発したValve社の開発ではなく、有志のファンによるプロジェクトでした。
ネットコミュニティーでファンを集め、Steam Greenlightに投稿された本作が無事通過したということは、どのような意味合いがあるのでしょうか?
Steamを運営する会社は、実は「Half-Life 2」を開発したvalve社なのです。つまり、「Half-Life 2:VR」がSteam Greenlightを通過するということは、有志のファンによる日本のコミュニティー的に言えば同人の二次創作が、公式に認められ、公式のストアに並ぶ。ということになります。
まさに本家本元から太鼓判をもらったに等しい本作は、単なるファンの妄想ではなく、本格的に進んでいるプロジェクトの一つとして大変注目できる。という訳です。
「Half-Life 2: 」とはどんなゲーム?ハーフライフシリーズや派生作品をまとめてみた!
公式からも認められ、リリースが待たれる本作ですが、シリーズ物の二作目ということもあり、歴史の長いタイトルで、派生作品なども多く登場しています。
ここからは、そんな「Half-Life」の歴史をまとめて、来るVRバージョンに備えたいと思います。
初代「Half-Life」と「カウンターストライク」
初代Half-Lifeは、1998年11月Steam運営でおなじみのValve Softwareから発売されました。
開発に使われたゲームエンジンにはid Softwareからライセンスを受けたQuakeエンジンに独自改良を加えた、Goldsourceエンジンを使用しています。
このゲームの大きな特徴は、次々と出てくる敵を打ち倒すという初代FPSのDOOMなどでおなじみの当時一般的だったFPSのスタイルに「仲間と協力して物語の真相を究明して生き延びる」という目的と謎解き要素、そしてドラマ性を加えたというところにあります。
また、敵キャラクターや味方キャラクターに優れたAIを搭載したという点も、このゲームを際立った存在にした要素の一つです。例えば従来型の「ただプレイヤーにむかって襲い掛かってくる敵キャラクター」とは違い、本作の敵は仲間と協力し、役割分担などをしながら臨機応変に攻撃方法を変えたり、主人公とは別の勢力とも戦い、場合によっては逃走さえします。味方へも同様、プレイヤーを助けるために状況に応じて援護や回復などの適切な行動をとることが出来ます。
今ではあまり珍しくないように思える高度なAIが搭載された敵キャラクターやドラマチックで奥深い謎解き要素もあるFPSも始まりは「Half-Life」からだったのです。印象的なオープニングやストーリー進行に、映画的な表現手法を効果的に使用して、よりリアルな臨場感やストーリーへの没入感を増すことにも成功した本作、50もの賞も受賞し、まさにFPS界のパイオニア的な存在でした。
また、柔軟性を持つGoldsourceエンジンのおかげもあり、『カウンターストライク』などのHalf-Life用MOD(非公式でファンが自作した追加アドオンの事)が数多くリリースされ、MODによってはそれ目当てに『Half-Life』を購入するほど通信対戦が盛り上がりました。
もともと、Half-LifeのMODだったオンライン対戦のFPS「カウンターストライク」は数々のバージョンを経て、現在もe-sportsの種目になるほど人気のあるタイトルになっています。
Half-Life 2
Half-Lifeは公式で三部作であることがアナウンスされており、おおもとのストーリーを語る1~3(3は未発売)とそのアナザーストーリーとして外伝的なタイトルが出ています。
外伝以外の『Half-Life』の正統な続編として、Half-Life 2がWindows版は2004年、Xbox版は2005年、Xbox 360日本語版は2008年に発売されました。
初代Half-Lifeが出たのが1998年なので6年の沈黙を破って満を持して登場した。というわけです。
ゲームエンジンはValve社が5年かけて開発した「Source Engine」に切り替えられ、美しいグラフィックや、リアルな物理現象の再現を「これでもか!」と言うほど魅せてくれ、前作Half-Lifeの名に恥じない性能を秘めています。
ストーリーは相変わらずの面白さで、初代から15年後のお話です。2の続編としてHalf-Life 2 EP2~3まで登場しています。正式続編のHalf-Life3はいつになることやら…。
MOD文化も健在で、本作から「Garry’s Mod」というユニークなタイトルも登場。本作はゲーム内でHalf-Lifeのキャラクターを利用して、自分で好きなステージやシーンを組んだりすることが出来るHalf-Life版マインクラフトといったような拡張性の高いサンドボックスのMODとなっており、あまりにも人気があるため、スタンドアロン版もSteamからリリースされています。
「Half-Life 2:VR」はどのようなゲームになるか。
Half-Life2のVRバージョンはどのようなものになるのでしょうか。
筆者の予想だと、「Half-Life 2」のVR向けに調整された拡張MODのようなものになるのではないかと予想しています。
洋ゲーと呼ばれる海外のゲーム開発は、まずゲームエンジンと呼ばれるゲームプログラムの大本であるエンジンから作られ、そこからキャラデータなどを追加してゲームを作っていきます。
Half-Life2のために作られた「Source Engine」は非常に性能が高く、非公式のMODからValveの公式のタイトル、例えば「Team Fortress 2」や「Portal」といった超人気タイトルも同じエンジンから作られ、いわばHalf-Lifeの兄弟と言っても過言ではありません。
おそらく「Half-Life 2:VR」も「Source Engine」をVR向けにアレンジして作られるのではないかと思います。
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