東京, 2024年8月2日 - (JCN Newswire) - 当社は、サステナビリティ・トランスフォーメーション(注1)(以下 SX)のグローバル動向、特にSXにおけるAI活用とAIがビジネスや社会に与えるインパクトの実態把握を目的に、世界15か国の経営者層(以下 CxO)800人を対象に調査を実施し、その分析結果を「富士通SX調査レポート2024 - AIが加速するサステナビリティ・トランスフォーメション」として8月2日に公開しました。
当社は、2022年より継続してSXの動向把握を目的とした調査を実施しており、前回はビジネスとサステナビリティの価値創出をテーマとする調査を実施しました。今回は、企業がAIの急激な進化にどのように対応しようとしているのか、企業におけるSXに向けたAIの活用状況や課題を中心に、オックスフォード・エコノミクス(注2)と調査を実施しました。調査結果をもとに、AIを中心としたデジタルテクノロジーを活用してSXを成功に導くために、CxOが今取り組むべきアクションを提言としてまとめています。
現在、デジタルテクノロジーの急激な進化の影響を受けて、ビジネスや社会が大きく変わりつつあります。また地政学的緊張や気候変動といったサステナビリティへの対応も引き続き、重要な経営課題です。当社は、この調査結果から得た考察や知見を積極的に活用し、2030年に向けて「デジタルサービスによってネットポジティブ(注3)を実現するテクノロジーカンパニーになる」というビジョンに向かい、お客様とともに取り組んでいきます。
※「富士通SX調査レポート2024」がダウンロードできます。
調査結果のサマリー
1. 企業はAIの取り組みを強化、今後3年以内にほぼ全ての業務にAIが浸透する
半数以上のCxOが、AIの急速な進化への対応が今後の経営を左右すると認識しており、AIの取り組みを強化していることがわかりました。また80%近くのCxOが、商品・サービスの機能強化や経営意思決定支援など、これまでAIでは難しかった複雑な意思決定を伴う領域への活用を計画しており、今後3年以内にほぼ全ての業務にAIが浸透していくことが予想されます。
図1. 今後3年間で拡大するAIの活用領域
75%のCxOが人とAIのコラボレーションが進み、ビジネスプロセスが大きく変わっていくと考えています。このような時代に向けて、人がAIを活用してより創造力を発揮するための論理的な思考能力や目的を設定し、人の行動を意味づける力といった、人ならではの新たなスキルを開発する必要があります。
2. 多くの企業はAI導入の初期段階にいる
AI活用に向けた準備状況は企業によって様々です。約40%の企業がAIの全社戦略を策定する前段階にあり、AIの全社戦略とガイドラインにもとづきAI活用のためのリソース整備を実施している企業は、12%にとどまりました。
図2. AIの取り組み状況
3. AIの力でSXを加速する
CxOの60%以上が、AIの活用促進がデジタル・トランスフォーメーションや社会課題の解決に寄与すると考えていることがわかりました。 実際、サステナビリティのビジョンや戦略を策定し、自社の組織能力を高め、AIを中心とするテクノロジーの活用に意欲的に取り組んでいる先進的な企業(パイオニア企業)は、その他の企業に比べてより高い割合でサステナビリティの取り組みを売上に結びつけ、ビジネス化することに成功していることがわかりました。
図3. サステナビリティの取り組みを売上に結びつけた企業の割合
提言
調査対象企業の取り組み、およびパイオニア企業の取り組みから、SXを成功に導くためのCxOへの提言は以下のとおりです。
(1)AIを人の能力拡張やウェルビーイング向上に活用する
(2)AI活用を加速するための全社戦略策定とガイドライン整備を推進する
(3)AIをサステナビリティ課題に対応するために活用する
(4)サステナビリティ向上をビジネスとして取り組むための組織能力を強化する
(5)サステナビリティを志向したエコシステムを構築する
調査概要
1. 実施時期:2024年1月
2. 調査対象国:15か国(英国、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、スペイン、タイ、中国、ドイツ、ニュージーランド、日本、フィリピン、フィンランド、フランス、米国)
3. 調査対象者:従業員数500人以上、前年度売上1億米ドル以上の企業に属するCxO(1企業につき1人のみが回答)
4. 調査方法:オンラインによる無記名のアンケート記入(800人)およびインタビュー(12人)
「富士通SX調査レポート2024」の詳細は、次のサイトからダウンロードできます。
URL https://pr.fujitsu.com/jp/news/2024/08/2.html
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