TOKYO, Oct 21, 2022 - (JCN Newswire) - 大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)、三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)および日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)の3社は、合成メタンの環境価値の可視化・最適化に向け、三菱重工と日本IBMが構築を進める二酸化炭素(以下、CO2)流通を可視化するデジタルプラットフォーム「CO2NNEX(TM)(コネックス)」を活用し、サプライチェーン全体における合成メタンのCO2排出量観点における環境価値を可視化し、流通・移転を可能にするシステムの概念実証(PoC:Proof of Concept)を共同で実施することに合意しました。
また、PoCの実施に当たっては、一般社団法人日本ガス協会に加え、東京ガス株式会社、東邦ガス株式会社および株式会社INPEXとの意見交換も行い、合成メタンの普及および環境価値確立を目指していきます。
現在、メタネーションを含めたCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization:CO2を回収して燃料、化学品、建材などの製造・利用に活用すること)分野におけるCO2のカウント方法について議論がなされており、カーボンリサイクル燃料の一つである合成メタン分野においても検討が進められています。今回共同で実施するPoCは、合成メタンの製造から供給・利用に至るサプライチェーン全体のCO2排出量を可視化することを目指した取り組みであり、この成果を活用することで、CCUのCO2流通を可視化し、CO2取引方法や環境価値の移転、合成メタン供給先でのカーボンフットプリントの試算などの活用に役立てることについて、具体化していくことを目的としています。
CO2NNEX(TM)は、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)におけるデジタルプラットフォームとして、CO2に関わるエコシステムをつなぎ、環境価値の流通と拡がりの加速を目指しています。
今回の取り組みでは、CO2NNEX(TM)を活用し、合成メタンの原料となるCO2と水素の由来情報や、合成メタンの製造、輸送、供給、利用時に発生するライフサイクルCO2の排出量などを可視化し、証跡(証拠となる痕跡)として提供することで、合成メタンの環境価値の可視化を実現する共通プラットフォームを構築します。また、合成メタンの環境価値移転といった将来的な取引の拡張性を組み込むことや、他社の合成メタン事業で使用可能な業界標準システムとして構築することも目指します。
現在、合成メタンの製造・社会実装に向け、メタネーションに関するさまざまな実証事業が計画されています。大阪ガス、三菱重工、日本IBMの3社は、今後計画されているメタネーション実証に今回のPoCで得られた成果を適用することで、合成メタンの社会実装とカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
CO2NNEX(TM)について
カーボンニュートラル社会に向けて、CO2の回収から貯留、利用へとつなげるバリューチェーンを急速に拡大させる上で、CO2およびその環境価値の流通に透明性と柔軟性を提供することを可能とするデジタルプラットフォームです。実体のCO2に関わるデータをIoTでつなぎ、真正性・公平性を担保して高度なセキュリティーを確保するブロックチェーンにより流通を実現します。
メタネーションについて
メタネーションとは、水素とCO2から都市ガスの主成分であるメタンを合成する技術で、製造されるメタンは合成メタンと呼ばれます。本来であれば大気中に放出されるCO2を回収し、合成メタンの原料としてカーボンリサイクルするため、合成メタンを利用(燃焼)しても、社会全体のCO2は実質的に増加しません。また、合成メタンは、都市ガス導管といった既存インフラ・既存設備を有効活用できることから社会コストの抑制が可能であるため、効率的な脱炭素化手段として期待されています。
CO2NNEX(TM)を活用した共通プラットフォームのイメージ
複数事業者・地点における合成メタン製造、供給(輸送含む)および利用に関して、CO2排出量をトラッキング・管理するための情報を証書化して定量的に示すことにより、合成メタンの環境価値の定量化を目指します。
大阪ガス
Daigasグループは、2021年1月に「カーボンニュートラルビジョン」を策定し、メタネーションなどによる都市ガス原料の脱炭素化、再生可能エネルギー導入を軸とした電源の脱炭素化によって、2050年のカーボンニュートラル実現を目指しています。また、メタネーションの社会実装に向け、豪州・南米・東南アジアなどの海外でも複数のメタネーションに関する検討を進めています。
三菱重工
三菱重工グループは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを行っており、CO2エコシステムの構築は、グループが推進するエナジートランジションの主要な取り組みの一つです。当社はCCUSのグローバルリーダーとして、各種ハードウェアに加え、デジタルプラットフォーム「CO2NNEX(TM)」の普及を図ることで、CO2エコシステム構築を加速します。
日本IBM
グローバルで多くのお客様を支援してきた経験を生かしながら、安全で透明性、信頼性の高いデータ共有を可能にするブロックチェーン、クラウドと既存システムを連携させて俊敏かつ柔軟なIT環境を構築するハイブリッドクラウド技術、バリューチェーンの可視化、自動化、最適化を可能にするAI技術を活用し、CO2NNEX(TM)の構築を加速します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.mhi.com/jp/news/221021.html
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。 www.mhi.com/jp
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