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長生炭鉱の遺骨収集 厚労相、国による調査は「考えていない」


1942年に発生した山口県宇部市の「長生炭鉱」での水没事故に関し、朝鮮半島出身を含む183人の労働者が犠牲となった事実に対し、市民団体が遺骨収容を目指して潜水調査を行いました。しかし、福岡資麿厚生労働相は、この地点での国による調査に否定的な見解を示しました。遺骨が軍人ではないため、戦没者としての遺骨収容がこれまで進められていない背景があります。厚労省は情報収集や寺院での調査を行っていますが、「長生炭鉱」内での実地調査は行っていません。安全性も確認できないため、国としての調査の実施や市民団体への協力は考えていないとしています。9月から地元市民団体が調査を進めており、10月の潜水調査では遺骨は見つかっていませんが、さらなる調査が計画されています。

 太平洋戦争中の1942年に大規模な水没事故により朝鮮半島出身の労働者を含む計183人が亡くなった山口県宇部市の海底炭鉱「長生(ちょうせい)炭鉱」で市民団体が遺骨収容に向けて潜水調査したことについて、福岡資麿厚生労働相は5日、閣議後の記者会見で国による調査に否定的な姿勢を示した。

 長生炭鉱を巡っては、犠牲者らは戦闘で死亡した軍人らでないことから「戦没者でない」として、遺骨収容を進めてこなかった。

 戦時中の朝鮮人民間徴用者らについては厚労省の人道調査室が窓口となり、情報収集や遺骨がある寺院の実地調査をしているが、長生炭鉱での調査はしていない。会見で福岡氏は、坑道が水没し安全性が確認できていないことや遺骨の所在が判明していない点を指摘。「実地調査の範囲を超えている」と述べ、国による調査や市民団体への協力は現時点で考えていないとした。

 長生炭鉱では今年9月、地元の市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が周辺調査を開始。10月29、30両日にダイバーが潜水調査したが、遺骨は見つからなかった。同会は来年1月にも調査を計画している。【肥沼直寛】

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