TOKYO, Oct 17, 2022 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、複数事業者が提供する相談窓口・各種手続サービスをワンストップで利用可能にする「汎用デジタル窓口」(以下、本サービス)を開発し、10月17日より販売を開始します。
本サービスでは、地域の出張所や公民館、銀行や駅、移動車両など生活圏の身近な場所に利用ブースを設置し、遠隔地からでも、オンラインで自治体や民間企業の窓口サービスを横断的に利用可能な各種機能を提供します。大型のディスプレイとシンプルな操作方法により、デジタルに不慣れな高齢の方などにも直観的操作で安心して利用いただくことが可能です。
日立は、誰一人取り残されないデジタル社会をめざして、地域課題の解決をデジタル技術で支援する本サービスの提供など、住民のQoL向上やスマートシティの実現に向けた取り組みを推進していきます。
なお、今回の販売開始にあわせて、茨城県笠間市において、本サービスを搭載した車両(MONET Technologies株式会社が提供)を用いた移動型窓口サービスの実証を行います。
背景
少子高齢化による働き手不足などの影響で、自治体や民間の窓口・有人店舗の集約化が進むとともに対面でのサービス提供が縮小し、デジタル化の波が広がっています。一方で、依然として、年齢や地域などによる「デジタルデバイド(情報格差)」、オンライン申請などの利用の伸び悩み、窓口対応業務のひっ迫などの解消に向けて、誰もが簡単に利用できるデジタルサービスの提供が求められています。
日立は、リモートでの公共・民間サービスの各種相談・手続を可能にするデジタル窓口の開発を進め、2021年12月から2022年3月までの福岡市でのPoC*1をはじめ、複数の自治体にて試行を重ねてきました。これまでに、住民や自治体職員などあわせて約300人が実証に参加し、「利用しやすい」や「分かりやすい」、「新型コロナウイルスの感染対策にも有効」など、参加者の8割以上から前向きな回答を得るなどサービスの有用性を確認しました。
実証結果をもとに、利用者・時間といった予約情報の管理や、マイナンバーカードを使った電子申請・本人確認など、各種機能を強化し、今回、新たに「汎用デジタル窓口」として新サービスを販売開始します。
本サービスの特長
(1)生活圏内で公共・民間にまたがる複数の窓口サービスを提供
行政窓口だけでなく、銀行や交通事業者、医療機関、旅行代理店など、さまざまな窓口サービスと接続できる利用ブースを地域の身近な場所に設置し、オンラインで手軽に複数サービスを利用可能です。役所から離れたエリアの住民や移動制約者の負荷低減につながります。
また、大画面のディスプレイや手書きタブレットによる簡単なタッチ操作など、UI/UXに配慮した画面設計により、デジタルデバイスに不慣れな方でも直観的でスムーズな操作が可能です。ビデオ通話によりお互いの表情を確認し会話を重視した対応のほか、高精細な書画カメラで利用者の机上書類をリアルタイムに共有できるなど、オンラインでも対面さながらの各種相談や手続を支援します。翻訳サービス事業者も交えた3者間通話など、外国籍の方へのサポート機能も備えています。
本サービスにより、自前で拠点を持たずに、利用者とのチャネル維持・拡大やサービス提供が可能となるため、窓口・店舗数の適正化や固定費削減に寄与します。遠隔での対応が可能なため、窓口対応者の多様な働き方も支援します。
(2)本人確認や電子申請支援機能により、窓口業務の負荷軽減とペーパーレス化を支援
オンライン上での本人確認には「日立公的個人認証利用サービス*2」を活用し、マイナンバーカードを用いて電子証明書の有効性を確認できるほか、自治体の行政手続や窓口対応業務の効率化、電子申請の利用率向上、ペーパーレス化を促進する各種機能を提供します。
マイナンバーカードから本人確認に必要となる基本4情報(氏名、住所、性別および生年月日)を読み取り、自治体職員側の画面に自動的に表示し、利用者による入力や自治体職員による聞き取りを不要とします。電子申請にあたっては、利用者がタブレット上で必要情報を手書き入力できる機能を提供することで、窓口対応者の入力作業を効率化します。
(3)自治体のセキュアな環境にも配慮したサービスを提供
「自治体情報システム強靭性向上モデル*3」に配慮した「地域IoT連携クラウドサービス*4」を活用し、自治体内のLGWAN*5系業務システムと本サービスを接続することにより、職員はセキュアな環境下で「予約情報」や「相談記録」といった住民に関する情報の登録・検索を行うことが可能です。
茨城県笠間市との実証について
茨城県笠間市において、日立と株式会社日立システムズが連携し、本サービスを搭載した車両(MONET Technologies株式会社が提供するマルチタスク車両)を用いた移動型窓口サービスの実証を、2022年10月17日から21日まで実施します。具体的には、市役所までの距離や時間の都合で窓口への来訪が難しい方などを想定し、自宅や福祉施設といった市内各所へ出向き、介護・補助金・マイナンバーカードに関する各種申請手続の支援や相談など「動く市役所」の実現に向けたさまざまな試行を行い、住民や自治体職員双方の利便性を検証します。本実証で得た知見をもとにシミュレーションを行い、移動型窓口サービスの効果的な活用方法なども検討していく予定です。
今後の展開
今後も、官民手続ワンストップ化の促進に向け、民間サービスとの連携機能のさらなる拡充やデータ連携基盤(都市OS)との接続、デジタルイノベーションを加速する日立のLumada*6ソリューションとの連携などにより、さらなるサービスの強化を進めていきます。また、日立グループ全体で、デジタル技術を活用した自治体のDXを支援するサービスを提供し、地域課題の解決や住民のQoL向上、スマートシティの実現をめざしてまいります。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/10/1017.html
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向け IT サービスやお客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 2,646 億円、2022 年 3 月末時点で連結子会社は 853 社、全世界で約 37 万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト( https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。
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