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チームラボが創る未来の学校、その理念と実践に迫る


チームラボは最先端技術を駆使し、学校の新設に取り組んでいます。北海道安平町に設立された「早来学園」は、「未来に向けてデジタル社会に対応する学校」というビジョンの下、地域住民と生徒が共創できる空間を目指しています。学校は3つのエリアに区切られ、地域の利用を考慮した開放的なデザインが特徴です。ICTを活用してセキュリティを確保しつつ、地域住民との交流を促進する仕組みを整えています。この取り組みにより、学校は地域活性化にも寄与しています。

境界のないアート空間を創り出し、鑑賞者に新たな体験を提供し続けるチームラボ。最先端のテクノロジーを駆使し、様々な事業を展開する同社が学校の支援に乗り出しました。チームラボの特徴をどう生かして学校を変えたのか。チームラボとして学校はどうあるべきと考えるのか。チームラボ株式会社 取締役の堺大輔氏に、熱き思いを聞きました。(聞き手:デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木康弘氏)


デジタルネイティブ世代を育てる!未来の学校「早来学園」

鈴木:他にどんな事業に取り組まれてきましたか?

堺:取り組んできたプロジェクトの一つに、学校の新設があります。具体的には、北海道安平町に設立された「早来学園」がその例です。この学校は、人口7500人に位置する町立小中学校です。「未来に向けて使えるものにしたい」「デジタルが入ってない学校はありえない」というビジョンを掲げ、建築段階からデジタルチームを導入しました。この取り組みにより、「みんなの学校」というコンセプトを実現しました。

この町は規模が小さいため、子どもたちは家族や先生以外の大人と接する機会が限られています。このような背景から、私たちはアウトプットを増やすためにはインプットを増やすことが重要だと考え、AI時代に必要な「みんなで共創できる場所」を作ろうという思想で、チームラボのオフィスを参考にして学校の設計を行いました。

チームラボ株式会社 オフィス内写真

鈴木:どういった工夫を凝らしましたか?

堺:私たちのオフィスは、社員が相談しやすく、共創しやすい環境を重視して設計されています。具体的には、あえて狭い空間を作ったり、床に凸凹をつけたりすることで、自然にコミュニケーションが生まれるよう工夫しています。また、机も一風変わった設計で、高さがバラバラだったり、天板が模造紙になっていたりします。さらに、床には森や花畑のデザインが施すことで、リラックスできる空間を演出しています。

早来学園では、このオフィス環境を参考にし、学校施設を3つのエリアに区切りました。地域の人々が自由に利用できる「開放エリア」、学校が使用していない時間帯に地域の人が利用できる「共有エリア」、そして学校が主に使用する「専用エリア」の3つです。ICTを活用し、セキュリティを確保しながら地域にスムーズに開放するための管理運営体制を整えました。家庭科室や美術室などの特別教室は、学校が利用していない時間には地域の方々にも使用していただけるように、児童・生徒と地域住民の入り口を分け、予約システムやスマートロックを導入することで安全性も確保しています。

鈴木:まさに学校と地域社会の橋渡しを果たしていますね。

安平町立早来学園(北海道安平町)

鈴木:具体的にどういった形で地域住民との交流がありますか?

堺:ここでは、誰でもいつでも利用できるよう環境を整えており、新米ママ向けの赤ちゃん講座を開催したり、町の人々や子どもたちが気軽に本を借りることができるようにしています。また、家庭科室は授業だけでなく、地域住民の方が料理教室として利用することも可能です。

実際に2023年4月に開校したこの学校は、ありがたいことに開校以来、毎年1000人以上の自治体職員の方々が見学に訪れています。地域に根ざした教育の場を提供することで、住民との交流が活発になり、地域全体の活性化にも寄与できていると感じています。

質にこだわりながら「シンプル」であり続けること

鈴木:仕事を心から楽しそうにやっている堺さんから、ぜひ読者の皆さんにメッセージをください。

写真左:デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木康弘氏 
写真右:チームラボ株式会社 取締役 堺大輔氏

堺:これまでの経験を振り返ると、私たちは「シンプルであり続けること」にこだわってきたと思います。私たちにとってそれは「クオリティの高いものを作る」ことに尽きます。日本人は幕の内弁当のように多くの要素を詰み込みたがる傾向がありますが、Appleのようにシンプルに優先順位をつけ、本当に必要なものだけを選ぶことが重要です。

もちろん、ルールがあるならそれに従うことも必要ですが、そもそも何のためのルールなのか、原点に立ち返ることも大切です。自分にできないことをできる人たちを集めてきた結果、チームラボは大きく成長し、できることが広がってきました。

鈴木:どこまでも「シンプルであり続けること」を追求した結果ですね。本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

堺:こちらこそありがとうございました。

チームラボ株式会社
https://www.team-lab.com

https://dxmagazine.jp/interview/teamlabo1/
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