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東京大学医学部附属病院が病理ガラス標本をすべてデジタル化、デジタルパソロジー導入で標本の利活用を促進


東京大学医学部附属病院は、病理ガラス標本(プレパラート)を専用スキャナで撮影してデジタル化し、モニターに表示して病理診断をするデジタルパソロジーを導入しました。すでに稼働中の病理・細胞診検査業務支援システム「EXpath」と連携し、すべての病理ガラス標本をデジタル化します。デジタルパソロジー導入を支援したインテックが2024年6月7日、発表しました。

近年、医療機器の進化や画像処理技術の発展により、デジタルパソロジーが注目されています。従来、病理診断は顕微鏡を用いるのが一般的でしたが、日本では病理医が不足しており、他施設の病理医に標本を郵送するなどの手間が課題でした。そこで今回、インテックは高性能スキャナと病理・細胞診検査業務支援システム「EXpath」を連携させ、すべての病理ガラス標本をデジタル化するシステムを導入しました。

「EXpath」は、1996年から全国120の病院施設に導入されている病理・細胞診検査業務支援システム。検査受付から報告書作成までの業務を支援します。電子カルテやオーダリングシステムと連携し、病理データを院内で共有したり臨床部門が病理データを活用したりする用途にも使えます。デジタルパソロジーの導入により、遠隔地の病理医と診断内容を共有しやすくなるほか、標本のデータの管理や検索の利便性も向上します。

「EXpath」を活用することで、病理診断業務の効率化も見込めます。病理学の研究・教育環境の向上が期待され、患者への利益も向上すると考えられます。東京大学医学部附属病院ではこれまで、一部の病理ガラス標本のみをデジタル化していましたが、今回の導入により全標本をデジタル化します。

デジタルパソロジーの導入は、病理医の負担軽減や働き方改革にも寄与します。モニター上での操作だけで視野の調節や観察が可能になり、顕微鏡を使った診断経験が豊富でなくても観察が容易になります。また、セキュリティが整えば自宅や遠隔地からの診断も可能となり、場所や時間の制約が軽減されます。

図1:デジタルパソロジー導入後の業務フロー(出典:インテック)

デジタル化された標本データはデータベースで管理され、倉庫から標本を探し出して顕微鏡にセットする必要がなくなります。院内カンファレンスや院外の病理医への相談、教育や研究目的での利用も容易になります。さらに、デジタル画像は撮影時の画質を維持できるため、経年劣化や破損の心配もありません。

デジタルパソロジーは、AIによる自動診断の開発など、今後の利用拡大が期待されています。インテックは「EXpath」にデジタルパソロジー対応の機能を追加し、病理医や検査技師の業務効率化と研究・教育分野の質向上を目指します。

関連リンク
株式会社インテック
https://www.intec.co.jp/




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