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検索されなければ始まらない。 売上を左右する「検索される力」はどのように築かれた?


Web 2.0の時代において、検索エンジン最適化(SEO)が注目され、企業とGoogleの間でいたちごっこのような争いが続いた。ユーザーにとって有益でないコンテンツが上位に表示される問題を解決するため、Googleはアルゴリズムを進化させ続けた。また、個人がブログを通じて情報発信することが簡単になり、個人メディアやアフィリエイトが台頭、新たな収入源となった。EC市場では大手が少ない中、新興企業が成長し、Amazonのロングテール戦略が通販業界を大きく変えた。「アマゾンエフェクト」は業界の構造を再編し、小売業界に広範な影響を及ぼした。Web 2.0は企業と個人の双方に新しい機会を提供し、現代のECとデジタルマーケティングの基盤を築いた。

前回では、Web 2.0の到来によって検索エンジンとEC市場がどのように進化し、Googleの登場やロングテール戦略の普及が企業の集客と収益モデルに与えた影響について触れました。今回はWeb 2.0時代がもたらしたデジタルマーケティングとECの進化について掘り下げます。検索エンジン最適化(SEO)を巡る企業とGoogleの攻防、ブログやアフィリエイトによる個人メディアの台頭、さらにEC市場における新興企業の躍進、「アマゾンエフェクト」がもたらした業界構造の変化に焦点を当てて解説します。【連載第10回:ECの進化とシステムの変遷】

SEO対策の進化といたちごっこ

Googleの登場とともに、企業はSEO(検索エンジン最適化)対策に力を注ぐようになりました。当初のSEO対策は、Googleの検索アルゴリズムの「癖」を利用したものでした。例えば、多数のホームページを乱立させ、それらから外部リンクを張ることでサイトの人気を偽装する手法などが一般的でした。しかしこれにより、ユーザーにとって価値の低いコンテンツが検索上位に表示されるようになったのです。これを問題視したGoogleとSEO施策の間で「いたちごっこ」のような状況が続きました。

個人メディアの台頭とアフィリエイトの普及

Web2.0時代のもう1つの革新は、個人のインターネット活用のハードルが下がったことです。ブログの普及により、誰もが簡単に情報を発信できるようになり、多くの個人メディアが誕生しました。ブログを通じたアフィリエイトも重要な集客手段となり、個人が収益を得る新たなビジネスモデルが構築されました。

EC市場の成長と新興企業の成功

この時代、EC市場はまだ大手企業の参入が少なく、競争は必ずしも激しくありませんでした。そのため、新興企業にも多くのチャンスがありました。ストリーム、ケンコーコム、オイシックスなどの企業が次々と上場を果たし、EC業界の成長を象徴する存在となりました。一方、Amazonは他業種への進出を加速させ、ロングテール戦略をさらに本格化。こうした動きを「アマゾンエフェクト」と呼び、小売業界全体に大きな影響を与えることとなりました。

まとめ

Web 2.0時代の到来は、Googleの検索技術や広告モデルの革新、ロングテール戦略の普及、個人メディアの台頭など、多くの変化をもたらしました。この新たなインターネット時代は、企業だけでなく個人にも多くの機会を提供し、現在のEC市場やデジタルマーケティングの基盤を築いたと言えるでしょう。

林雅也

株式会社ecbeing 代表取締役社長
日本オムニチャネル協会 専務理事

1997年、学生時代に株式会社ソフトクリエイトのパソコンショップで販売を行うとともに、インターネット通販の立ち上げに携わる。1999年にはECサイト構築パッケージ「ecbeing」の前身である「ec-shop」を開発し、事業を推進。2005年に大証ヘラクレス上場、2011年に東証一部上場へ寄与。2012年には株式会社ecbeingの代表取締役社長に就任。2018年、全農ECソリューションズ(株)取締役 JAタウンの運営およびふるさと納税支援事業を行う。2020年からは日本オムニチャネル協会の専務理事を務め、ECサイト構築パッケージecbeingの導入サイトは1600サイトを超える。

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