チトセロボティクスが「目的特化+最小限」の生成AI運用で産業ロボの導入ハードルを大幅に低減。第43回日本ロボット学会で、実験での精度・速度両立を報告します。
限定AI設計の中身と学会発表
チトセロボティクスは、完全なAI依存を避けるためにシステムを「作認識」「身体認識」「環境認識」の3要素に分割し、それぞれを目的特化型の生成AIで限定的に使う設計思想を採用しました。こうすることで、現場で求められる応答速度と安定性を両立させる枠組みを実現しています。前回発表した日本語+画像による自然言語動作指示の研究から発展させ、実運用を意識した省力化と信頼性向上を目指しています。
実証では10種類以上のワークを対象にピック&プレイス動作生成を実施し、精度と処理速度の両面で実用水準を満たす結果を確認しました。さらにAIモデルの更新(ChatGPT‑4→ChatGPT‑5)で処理速度や安定性が向上する傾向も報告され、将来的な拡張性に期待が持てます。加えて自社ソフト「クルーボ」はキャリブレーション不要のビジュアルフィードバックで±0.02mmの精密制御が可能であり、複数メーカー対応による低コスト自動化とも親和性があります。
発表は第43回日本ロボット学会の一般講演とランチョンセミナーで行われます。現場適用を見据えた「限定AI」アプローチは、実用的なロボ導入を前進させる可能性を示しています。
詳しくは「チトセロボティクス」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權