大阪・関西万博2025において、ペルーのナショナルデーが2025年8月9日に開催され、「無限の可能性(Infinite Possibilities)」をテーマに同国の5,000年の歴史や多様な文化、国際的なつながりを発信しました。ディナ・ボルアルテ大統領をはじめ閣僚や政府関係者、ビジネスリーダーが来日し、世界各国の来場者やビジネス関係者と交流しました。来館者や在日ペルー人、各国パビリオン代表が大統領らを出迎えるなど盛況のうちに行われ、ペルー館は75万人以上の来館者を集める注目のスポットとなりました。
ペルー館では公式式典やグラミー賞受賞アーティスト Mimy &Tony Succarによる特別公演、ペルー国立フォルクローレバレエ団の日本初公演、大屋根リング下での色鮮やかなパレードなど多彩なプログラムが展開され、文化的魅力が幅広く来場者に伝えられました。ナスカ文化展として地上絵や本物のワコ土器の展示も予定されており、訪問者に対して歴史と文化の深さを紹介する展示が用意されています。また、会場では月替わりで1日400食、3種類ずつのペルー料理を無料で提供するガストロノミー体験が行われ、午前にはペルー産コーヒーやホットチョコレート、夜にはピスコサワーなどの試飲・試食も実施されました。

ナショナルデーに合わせ、ペルー貿易観光促進庁(PROMPERÚ)は8月8日に日本をはじめアジアでのロードショーを開催しました。衣料品、装飾品、アグリビジネス分野のペルー企業や観光地・オペレーターが参加し、日本、中国、韓国、インド、台湾の有力バイヤー・旅行業者と結びつける商談場が提供されました。輸出ロードショーでは20社のペルー企業が一対一の商談を行い、果物・野菜、オリーブオイル、アルパカ衣料などを紹介しました。
観光ロードショーでは13名の観光代表団が参加し、日本、インド、中国、韓国の30社に対して持続可能で文化的、パーソナライズされた観光商品を提案しました。同日にはPROMPERÚとペルー全国観光商工会議所(CANATUR)が共催するアジア旅行業者向けセミナーも実施され、ペルー観光の強みや民間部門の進展、二国間協力の機会が紹介されました。これらの取り組みによって、万博を契機とした輸出・観光の商談機会が拡大しています。

PROMPERÚは今回のナショナルデーと連動した活動により、総額1,100万米ドル以上のビジネス機会を創出したと報告しています。万博の機会を活かして現地バイヤーや旅行業者と直接対話を行うことで、短期的な受注機会の創出だけでなく、中長期的な取引や協力の基盤構築にもつながる見込みです。加えて、ペルー側は今後もFoodex Japan、日本国際水産・技術展2025、ファッションワールド東京、SCAJスペシャルティコーヒーコンファレンス&エキシビション2025など主要展示会に参加し、中国国際果物博覧会2025、アジアフルーツロジスティカ、中国水産・シーフード博覧会2025といったアジア各国での市場開拓を継続する方針を示しています。
今回のナショナルデーと連動したロードショーは、万博をきっかけにペルー企業への新たなビジネス機会を生み出し、日本をはじめアジア地域におけるペルーの存在感をさらに高める結果となりました。文化・芸術・美食といった魅力を前面に打ち出しながら、輸出・観光分野での具体的な商談と連携を実現した点が注目されます。今後も継続的な市場開拓と展示会参加を通じて、さらなるビジネス拡大と観光誘致が期待されます。
詳しくは「ペルー貿易観光促進庁(PROMPERÚ)」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松