KDDIとT2、三井住友海上、日本郵便の4社が新東名で国内初の「遠隔監視による異常検知から車両退避まで」の一連オペレーション実証に成功しました。人手不足が深刻化する物流現場において、遠隔監視の実装は単なる技術実験ではなく、2027年の自動運転トラック社会実装を現実に近づける重要な一歩です。
実証の意義と結果概要

2025年7月15日、新静岡IC〜新富士ICで行われた実証は、T2の自動運転トラック(レベル2相当)を想定異常状態で運用し、KDDIの遠隔監視システムを核に異常検知から退避までを一気通貫で確認した点が特徴です。KDDIはクラウド上で車両アラートや映像、センサーデータを統合表示し、通信の冗長化で途切れリスクを低減しました。三井住友海上は現場駆け付けやレッカー手配を模擬し、日本郵便は高速道路外の退避場所を提供。4社の役割分担と情報共有により、判断から退避誘導までの時間短縮と運用上の実効性が実証されました。
本検証は単なるシステム動作確認に留まらず、事業者間での責任範囲や連携フローを具体化した点で価値があります。KDDIの遠隔監視は同一情報を複数オペレーターへ提供し、意思決定のズレを減らすUIと回線最適化機能を備えています。これらはレベル4運用を見据えた実務的ノウハウで、WAKONX Mobilityへの組み込みを通じて運行管理の効率化や予防保守、保険設計の高度化につながる可能性があります。今後は法整備や標準化、広域インフラ検証が課題です。
今回の国内初の一連オペレーション実証は、物流DXの実運用設計に実質的な前進をもたらしました。2027年の社会実装へ向け、技術と連携ルールの両面での積み上げが鍵です。
詳しくは「KDDI株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權