新卒採用市場は学生優位の売り手市場が続いており、企業が優秀な人材を獲得する競争が激化しています。このような状況の中、当社の調査結果からは、新入社員が仕事を自身の成長の場と捉える割合が減少している傾向が確認されました。調査結果によれば、これからの仕事に対し「やる気度が高い」と回答した新入社員は88.1%に達し、過去9年間で最高の割合となりました。さらに、「やる気度が低い」とした回答はわずか1.1%であり、今年の新入社員のやる気が例年以上に高いことが示されています。この傾向は企業にとってポジティブな要素と言えるでしょう。
自分が成長するために必要な要因として、66.7%が「仕事を通じた成功体験」と回答しました。この割合は過去最高で、仕事を通じての成功経験が重要視されてことが分かります。一方、「仕事を通じた失敗体験」も59.4%と高い割合で、学びの機会としての失敗の重要性も浮き彫りになりました。今後取り組みたいこととして、「仕事を通じたスキルアップ」が65.9%で第位となりました。これは、実務経験を通じてスキルを向上させたいと考える新入社員が多いことを示しています。
理想の上司については、「間違いを指摘して正してくれる」が56.3%で第1位を獲得しました。男性は特にこの要素を重視しており、女性は「自分のことをよく見てくれ、声をかけてくれる」が46.0%と高い割合を示しました。この結果から、上司には具体的なフィードバックを求めると同時に、コミュニケーションを大切にしてほしいと考える姿勢が浮かび上がります。
今回の調査結果からは、新入社員が高いモチベーションを持ち、自身の成長に対して強い期待を抱いていることが見て取れます。また、新人の成長を促すためには、業務依頼の伝え方が鍵となることが分かりました。「つまずきワクチン」と呼ばれる事前のアドバイスやサポートが、新入社員の安心感を高める要素といえるでしょう。また、デジタル技術の進化が、この業務依頼のやり取りやフィードバックの迅速さを助けることも今後の重要なポイントです。例えば、業務依頼をLINEやTeamsなどのデジタルプラットフォームで迅速に行うことで、リアルタイムでのコミュニケーションが強化され、新人も疑問点を即座に解消できる環境を整えることが可能になります。
2025年度新入社員の意識調査では、彼らの成長意欲や理想の上司像が明らかになりました。新入社員は「成功体験」を通じて成長したいと望んでおり、理想の上司には的確な指摘やコミュニケーション能力を求めています。企業はこの調査結果を活用し、より良い人材育成のための戦略を策定する必要があります。新入社員のモチベーションを最大限に引き出し、成長をサポートするための環境を整えることが、今後ますます重要となるでしょう。
詳しくは「ALL DIFFERENT株式会社」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部小松
