2025年6月16日、TXP Medical株式会社は、国立成育医療研究センターで生成AI音声入力アプリのトライアルを開始することを発表しました。この取り組みは、厚生労働省の中小企業イノベーション創出推進事業に基づいています。目的は、医療現場の課題を解決し、医療従事者の業務負担を軽減することです。日本の医療現場では、医師や看護師の深刻な人手不足が問題となっています。医療従事者は多忙な業務の中で記録業務に多くの時間を割かなければならず、その結果、労働時間の50％以上をカルテ入力に費やすことが指摘されています。この状況は、医療従事者のQOLやモチベーションを低下させる要因となり、質の高い医療の維持に大きな影響を与えています。
特に小児患者の処置においては、保護者とのコミュニケーションを考慮しながら、迅速かつ正確に医療記録を行う必要があります。これにより、医療従事者への負担が増大し、手書きや手入力での記録作業が求められるケースが多々あります。過去にも音声認識技術を使った取り組みが行われましたが、小児医療の特性に応じた正確なデータ化には課題が残ります。
この生成AI音声入力アプリは、医師や看護師の発話をリアルタイムで記録文書に変換するシステムです。TXP Medicalは、国立成育医療研究センターとの協力を通じて、本アプリの研究・開発を行っています。実際の現場のトライアルを通じて、継続的にフィードバックを受け、アプリの改善を図っています。主な特徴としては、医療従事者の業務負担を軽減するハンズフリー記録、現場目線を考慮したデザイン、質の高い看護記録、小児・周産期医療に特化した言葉の高精度記録、そして安全性を確保したシステム利用があります。
このプロジェクトにより、新たな医療DX基盤が構築されることが期待されています。デジタル技術を駆使したこのアプローチは、医療の未来をより効率的かつ安全にすることを目指しています。
詳しくは「TXP Medical株式会社」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部小松
