「理系は男子、文系は女子」はもう古い?文部科学省が3000億円を投じる新事業で、女子大を含む全国の大学に“デジタル×グリーン”系の新学部設立が続々。受験生が注目すべき“未来の大学選び”とは?
「理文融合」の時代へ、大学が大変貌
日本政府が「成長分野」と定める「デジタル」と「グリーン」。この2領域に対応する大学学部の新設や再編を目的に、文部科学省が打ち出したのが「大学・高専機能強化支援事業」です。その規模はなんと3000億円。全国の大学・高専を対象に、最大で1校20億円が支援されます。
注目は、私立女子大学の参入です。たとえば、武庫川女子大学は環境共生学部、昭和女子大学はデータサイエンスやデジタルイノベーションの学科を新設予定。さらに、白梅学園大学では「デジタル・グリーン子ども学科」という斬新な試みも始まります。
背景には、理工系分野における日本の遅れがあります。理工系入学者の割合はOECD平均の27%に対して、日本は17%。国立大学では57%が理系学位取得者なのに、私立大学はわずか29%。この偏りを是正し、理系人材を広く育てる狙いがあります。
また、文理の垣根を越える動きも活発です。中央大学は農業×デジタルの「農業情報学部(仮称)」を構想中。昭和音楽大学では音楽とプログラミングを融合した「芸術工学部」の新設を目指し、ボーカロイドなどの新たな音楽創出に挑みます。
この事業には、地方創生の観点も盛り込まれており、選定された大学の中には地方校も多数含まれます。今後は「ブランド」や「偏差値」より、「何を学びたいか」で大学を選ぶ時代。中高生や保護者は、最新の大学改革情報に敏感になる必要があるでしょう。
詳しくは「国立情報学研究所」まで。
レポート/DXマガジン編集部海道