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退院後の最適な医療機関への転院を支援、AIを使って医療機関をマッチング


順天堂大学医学部附属順天堂医院と日本アイ・ビー・エムは、入院患者の退院後の最適な医療機関への転院を支援する「Patient Flow Management(PFM)AIマッチングシステム」を開発中です。このシステムは、患者の個別情報を基にAIが最適な医療機関を提案し、業務効率を20%以上向上させることを目指しています。患者と医療従事者が転院先を納得できるよう支援し、移動手段ごとの経路情報を地図上に提供します。将来的には全国規模でのシステム拡大を計画しており、医療費削減や社会保障費の低減に貢献することを目標としています。

日本アイ・ビー・エムと順天堂大学は2025年2月4日、順天堂大学医学部附属順天堂医院の入院患者に対し、退院後に最適な医療機関への転院を支援する「Patient Flow Management(PFM)AIマッチングシステム」の構築および運用に向けた取り組みを開始しました。本システムは、患者の住所や病名などの個別情報を活用して、患者一人ひとりが自分らしい暮らしを継続できる最適な転院先を効率的に検索・提示する仕組みを目指しており、電子カルテのバックアップデータと生成AIとの連携により、従来の退院支援プロセスに比べて業務効率を20%以上向上させることが試算されています。

本システムは、同意を取得した患者のIDを基に、AIが病名や居住地の近隣条件に合致する医療機関を自動的にマッチングし、医療従事者と患者双方が納得できる転院先の決定を支援します。また、転院先の医療機関までの経路情報が、電車、車、徒歩といった移動手段ごとに地図上に表示されるため、患者やその家族が転院後の通院やサポート体制を具体的にイメージできるようになります。

さらに、候補となる施設や最終的に選定された施設の情報はダッシュボード上に表示され、看護師などの医療従事者間でメモや情報を共有する仕組みが整えられているほか、システム上に表示されていない情報については、IBMのAI開発スタジオであるwatsonx.aiが提供する生成AIを用いた対話型検索により迅速に取得することが可能となります。

開発中のPFM AIマッチングシステムの画面イメージ

また、今後は看護師やソーシャルワーカーがタブレット端末上で本システムを患者とともに閲覧し、患者それぞれのニーズをリアルタイムで確認しながら情報提供を行うなど、より寄り添った医療サービスの実現に寄与する取り組みも検討されています。これにより、順天堂医院が実施している入院前の基本情報収集から退院後の転院支援までの一連のプロセスが、より効率的かつデータに基づいたものとなり、各医療機関との連携強化や地域医療連携の推進に大きく貢献することが期待されています。

順天堂大学と日本アイ・ビー・エムは、将来的には本システムに登録する医療機関を全国規模で拡大するとともに、マルチクラウド対応やさまざまな電子カルテシステムとの連携強化、さらに訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション施設の登録拡充などを進める計画です。これにより、適切な時期に適切な環境への早期退院を促進し、入院費などの医療費削減や将来的な社会保障費の低減にも寄与する、医療機関が連携するエコシステムの構築を目指していくとされています。

レポート/DXマガジン編集部折川

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