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わたしを動かした「出逢い」のはなし~株式会社ブープラン 代表取締役 幸田フミ~


 



わたしを動かした「出逢い」のはなし


新しいチャレンジや夢に向かって走りつづけている輝くビジネスパーソンを対象に「出逢い」についてのエピソードをインタビューさせていただく新企画。 仕事に対するモチベーションや新しい人脈を作る上でのヒントが見つかるかもしれません。





株式会社ブープラン 代表取締役、株式会社famitalk 取締役、特定非営利活動法人BLUE FOR TOHOKU 役員理事、株式会社FUMIKODA 代表取締役/クリエイティブディレクター。様々な肩書きを持つ幸田フミさん。自分の直感に素直に従いながら走り続ける幸田フミさんに『わたしを動かした出逢い』についてインタビューさせていただきました。


 


「はじめの転機は18歳の時。好きな事をやらなくてはと思えた。」


ー本日は宜しくおねがいします。現在、多方面でご活躍されていますが、フミさんが会社を立ち上げる前の事を教えてください。


神戸に18歳の時まで暮らしていました。中学では数学が得意で進学後は、化学を専門に学ぶ学校に入りました。早く社会に出たい要望が強くて専門的なことが学べる学校を選びましたが、将来のビジョンを想像したとき、このまま専門知識を学び、研究室にいるイメージがわかなかったんです。この道で進むことに腹がくくれていなかったんですね。


そのとき、頭にあったのは中学時代に所属していた美術部でのこと。生まれてからずっと

デザインへの憧れがあって、好きなことを思い切りやって軌道に乗り始めた時の喜びや、幸せを感じられる時間だったんです。やると周りが褒めてくれて喜んでくれる感覚が忘れられなかった。

この欲求は、死ぬまで続いていくな、と思い立ち、すぐに方向転換しました(笑)


当時、私の絵のセンスを買ってくれていたアルバイト先の店長に、将来についての悩みを相談していたとき「何言ってんねん。お前が自分の歳になるときまでにあと3回は大学にいけるんやで。」って言われた一言が、凄いピンときたんです。


ー店長の一言が後押しになったんですね。


そうですね。

それまでは、『自分が選んだ道は責任感を持って最後までやり遂げなくてはいけない』と思っていましたが、この言葉を聞いて「あ、そうか。私この人の年齢になるまで、あと3回専門分野を変えることができるんだ」と思えたんです。

実際、その数ヵ月後には学校を退学しました。それまで、勉強面や素行面でも問題なく過ごしていたので、この判断に親も担任も驚いて、パニックにはなりましたね。


でも、そこからは自分で進むべき道を考えなくてはいけないと思いいろいろ調べました。

当時、デザインを学べる美大は今まで学んできた化学の知識だけでは、すぐ入学するのは無理だと諦め、先端のデザインを専門的に学べ、且つ学位を取得できるアメリカへの留学を決意しました。


 


「英語も話せない、インターネットもない、でも嗅覚だけはあった」


ーその後、ニューヨークの名門「Parsons The New School of Design」に入学されましたが、この学校に決めた理由は何ですか?


まさに、出逢いなんです(笑)

インターネットも無いし英語も話せないまま訳もわからずロサンゼルスに行ってみたんですが、そのとき遠目に印象的な壁画が目に入ったんです。惹かれるようにその壁画の近くまで行ってみたら、目の前に「Parsons」(ロスの分校)があったんです。

ちょうど、学校の卒展を開催していて覗いてみたら一気にやられました。「こんなモノが創れるんだ!」と痺れましたね。だから、嗅覚というか本能に導かれた結果の出逢いです。


「この学校に入学するため、生まれてきたんだ」

と思って入学条件などを調べました。と同時に、その時期に旅行で初めてニューヨークに降り立ったのですが、またもやニューヨークの空気に痺れました。ロスとはまったく違う雰囲気。勝ち残った人だけが生き残れるような、ピリっとした空気だと感じました。

またもや、嗅覚で「ここだ」と思いました。


ニューヨークの「Parsons」の卒業生には、ダナ キャランやアナスイなど有名デザイナーもいるし、英語を話せなくても、アジア人でも、勝ち残っていけるチャンスがある場所だと感じました。それからは、まずはニューヨークの「Parsons」に入学することがゴールになりました。


ー卒業後、ニューヨークのデザイン会社に入社されたんですね


学校でグラフィックデザインを専攻していたので、まだ未知ではありましたが面白そうなインターネット事業を展開している会社に決めました。ウェブデザインっていうのがまだほとんど無い時代だったので完全なブルーオーシャンでしたね。Macでデジタルデザインを制作して雑誌の表紙を作ったり、ホームページを作ったりしていました。


ー日本に戻るきっかけは何でしたか


日本が単純に恋しくなりましたね(笑)

日本の友人たちが当たり前に体験している日本のカルチャーや情報を知らなかったので、怖くなってきて。結局、26歳の時に帰国しました。


 


「iPhoneとの出逢いから新しい事業へ。」


ーその後、2003年にブープランを起業されました


仕事をずっとしていきたい気持ちはありましたが、まさか起業するとは思っていませんでした。帰国後、結婚して出産を経験しますが、子供を守り、育てて行くうえでの選択肢が「起業」するしかなかったんです。だから、経営者としての熱い想いは当初無かったですね(笑)

ですが、仕事をし続ける中で従業員やお客様に対して責任者としての自覚が芽生えていきました。


ー立ち上げた頃から仕事に恵まれていましたか?


当時、アメリカは日本よりも何もかも2、3年進んでいたので、同じウェブデザイナーやウェブマスターに比べるとデザインの提案やギミックに関してプラスアルファが出来ていたんだと思います。アドバンテージがあったので知人の紹介で仕事に繋がっていき、ラッキーだったと思います。


ーウェブデザイン関連の仕事から事業内容が変わる転機を教えてください


2007年のiPhoneの発売です。

アメリカでは先行して販売されたが、日本ではスマートフォンと言うものにまだピンと来ていなかった。今までのガラケーとの差別化が意識出来ていなかった時に、私の周りでは早くからアメリカでiPhoneを購入し使っている人も多かったので、私も日本での発売と同時に使い始めました。

触ってみたら、コレは凄い。と思って。

今では当たり前だけど、iPhoneを使ってみて世界と繋がることが始めてイメージできました。ソーシャルメディアの利用を前提に出来た端末だな、と。


ーiPhoneとの出逢いからどう事業が拡がっていったのですか


NHKの教育番組「趣味悠々」で10年以上にわたってパソコン先生をしていた佐々木博さん(現ブープラン取締役)と一緒にIT技術をソーシャルグッドに活かすと言うコンセプトで「中目黒サロン」を立ち上げました。

そこで「iPhoneに触ってみよう!」というイベントや「ソーシャルメディアの未来について語る」企画を開催していました。

そこに、上場企業の社長や作家、デザイナーなどITクリエイティブを担っている多くの方々に集まっていただき、ここでの出逢いも大きな転機になりました。


本の執筆も、ここでの出逢いがきっかけです。まだスマートフォンの使い方がわからないという人もたくさんいたし、本で紹介できないか、ということで出来たのが「手帳なんていらない ソーシャルネットワーク時代の情報整理術」です。ITと女性の組み合わせも珍しかったことも惹きになったのかも知れません。


「中目黒サロン」に訪れた著名人たちの書籍がずらり

「中目黒サロン」に訪れた著名人たちの書籍がずらり


ー本の出版もあり、事業内容が変わってきたと


今までのウェブデザインからソーシャルメディア、IT関連に広がって行きましたね。

たとえば、企業やお店のソーシャルメディア活用。

Facebookは集客面でも重要なツールなっていますが、リスクはつきもの。そこで、リスクヘッジマニュアルを作成し運用するコンサルティング業務をスタートしました。


ーそして今、新しく「株式会社FUMIKODA」を立ち上げた経緯を教えてください


私は、死ぬときに「デザイナー」という肩書で人生を終えたいんですね。

学校を退学し、渡米してまで飛び込んだデザインの世界。しかも、今まで取り組んできたウェブデザイナーではなくフィールドを移して『自分にしかできないデザイン』に挑戦したいと思ったんです。


まず、第一弾にバッグのプロデュースデザインを選んだのは、自分のキャリア生活10年以上において、なかなか理想のバッグに出会えなかった経験からです。バッグは働く女性のパートナーのようなもの。女性にとって特別な存在になるような、軽くて機能的でラグジュアリ感のあるビジネスバッグを創りたいんです。


初めての春夏コレクションの発表に向けて、まだ修正点はありますが、ポイントはたくさんあります。

機能性はもちろん、動物性の皮を使わない「アニマルフリー」をコンセプトにしているところもそのひとつです。


原始時代に、丈夫で使い勝手が良い理由で動物の皮をつかっていたのはわかります。ただ、テクノロジーの発展をしてきた現代において、それを使う必要はあるのかな、と。


実は、世界的に革の消費量が増えている現状があります。ちょっと時代に逆行しているとい思いませんか?代替品はいくらでもあるんです。

ただ、本皮とそれ以外というくくりで先入観をもって比べてしまう傾向にある。


高級車のシートにも使用されているのは本皮ではなく人工皮革です。高級車に利用されているくらいなので高価ではありますが、とても丈夫な素材です。

ただ、バッグに使うにはちょっと色気が無いので(笑)日本の進んだ技術で型押し加工などを施したり、日本の伝統工芸を活用して製作したアクセサリーパーツを使用したりして、デザイン的にも使いやすくエシカルでもある新しいバッグの制作を試みています。


試作品を手に取るフミさん。実際持ってみるとその軽さに驚く。

試作品を手に取るフミさん。実際持ってみるとその軽さに驚く。


 


「いまが一番若く、一番恵まれていると感じて生きる。」


ーフミさんが仕事をする上で大切にしていることを教えてください。


そうですね、こうやって振り返ると、いつも私はやりたいこと、好きな事をやってきたんだと思いますね。でも不思議と、全てがちゃんと繋がっている

たとえば、昔から理系もデザインも好きですが、今いるウェブ業界の仕事は、この両方が含まれていますよね、とても刺激的な業界だと思います。


仕事でも、プライベートでも何事も「今やらなくちゃ、いつ死ぬかわからない」って常に思って生きています。高校生の時に店長から言われた言葉を受けて「自分には時間があるんだ」と心から悟れたから、何事もやらない方がもったいないと。そして、何だってやればできるのだと信じています。


あとは、健康でいることが単純にありがたいですよね。

ライフスタイルの変化によって、自分の時間の優先順位って変わってきます。だからこそ、「今が一番恵まれている」と感じて生きることが大切だと思っています。

だって、将来から見ると「今」が一番若いわけですし。


 


「働く女性の応援をし続けたい。」


ー夢は何ですか?


私自身、働いていてとても幸せなので働く女性をずっと応援して続けて行きたいです。

そのひとつがバッグですし、どんな環境であってもやりたいことをし続けていけることを体現していきたいですね。


具体的に、いま進めているのが、私も役員をしている東北復興支援団体「BLUE FOR TOHOKU」の代表である小木曽麻里さんを中心にした難民女性の支援です。

内戦などで他国に亡命した女性が多くいますが、その女性たちがリーダーになって祖国を応援する活動をしているので、その女性たちを支援する活動を始めようとしています。


その場に女性の数が全体の3割いたら、武力無しで平和的解決できる。という研究結果もでているんです。ですが、まだまだ女性が国連で発言することが少ないですよね。

今回の支援により、女性リーダーとしてのプレゼン練習やクラウドファウンディングによる金銭面含め、様々なサポートをしていきたいと考えています。

まずは、そういう女性たちがいる認知を拡げる活動をしたいです。


自身でプロデュースした「FUMI KODA」の名刺入れ。手にすっと馴染む上質な人工皮革を使用している。

自身でプロデュースした「FUMI KODA」の名刺入れ。手にすっと馴染む上質な人工皮革を使用している。


 


プロフィール

幸田 フミ(こうだ ふみ)神戸出身。ニューヨークのParsons The New School for Design卒業。現地のファッションマーケティング会社でウェブデザイナーとして勤務し、大手ファッションブランドのウェブサイト制作などを手がける。帰国後、ウェブデザイン会社「株式会社ブープラン」を2003年に設立。多岐にわたる業界のウェブサイト制作のほか、プロモーションの企画やソーシャルメディア活用の提案など、企業のウェブマーケティング全般に携わっている。ブランド事業では、最新のテクノロジーと日本の卓越した伝統技術にこだわったバッグブランド「FUMIKODA」をプロデュース。機能性とデザイン性を合わせ持ったビジネスバッグを世界中の働く女性に提案。

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幸田フミさん3冊目の著著「はじめてのIOTプロジェクトの教科書」が8月26日(金)に発売されます! 

https://www.amazon.co.jp/dp/484437494X


~本の紹介~

●堀江貴文氏が推薦!

「これからの事業においてIoTは必須。その事業の進め方が世界一わかりやすく書かれている」


「IoT」プロジェクト成功の実践書!!

モノがインターネットにつながり、さまざまな機能や付加価値を提供してくれているIoT。

この本は、「IoTの教科書」としてではなく、IoTビジネスを成功させるためのポイントから、プロジェクトを進めるためのフロー、事業の成功実例まで、

実践的な手法を盛り込んだ一冊となっています。

また、読者の方々にIoTの難しさを感じさせないよう、IoT専門家とIoTに詳しくないキャラクターによる会話形式で、わかりやすく読めるように構成しました。

この本を読んだ方々にとって、この書籍がこれから日本でもさらに加速していくIoTプロジェクトのための一助になることでしょう。


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