iPhoneとMacは共にAppleが開発しているため、スムーズな連携機能をたくさん搭載しています。iPhoneで受信したものをMacで確認したり、Macでしていた作業をiPhoneで引き継いだり。具体的にどんな連携ができるのか、2017年現在の機能を余すことなくご紹介します。
(2017年2月時点で最新の「iOS 10」、「macOS Sierra」を利用)
1. 電話・FaceTime - Macでも電話の受発信ができる
iPhoneには通常の電話と、iPhoneユーザー同士なら無料通話できる『FaceTime』という通話サービスがあります。どちらもMacで受話し、逆にMacから発信することもできますよ。
▲着信があるとMacの画面右上にも通知が。応答すればMac側のマイクとスピーカーで通話できます。
2. 各デフォルトアプリ - 自動・高速で同期。好きなデバイスから編集
iPhoneデフォルトアプリのほとんどがMacにも存在しており、自動・高速で同期されます。「Macの容量がパンパンだから写真の同期だけはやめておく」など、希望するなら同期させないことも。
iPhoneのメッセージ
Macのメッセージ
iPhoneのカレンダー
Macのカレンダー
iPhoneのリマインダー
Macのリマインダー
iPhoneの連絡先
Macの連絡先
3. マップ - Macで調べた目的地をiPhoneに送信
Macの大きな画面でマップを見た後、目的地などの情報をiPhoneにサッと送信。外での移動時に役立てられます。
▲Macのマップで目的地を調べたら、メニューからiPhoneへの送信ボタンを押します。
▲Macから送信された目的地がiPhoneにも表示されました。いちいち住所を入力し直す必要はありません。
4. Handoff - やりかけの作業を引き継ぎ
帰り道にiPhoneでブログを読んでいたけど、帰宅したのでMacで続きを読む。自宅のMacで表計算アプリを使っていたけど、出かけるのでiPhoneで続きをやる。といったふうに、デバイス間で作業を引き継げる機能です。
Webサイト閲覧(iPhoneのSafari →MacのChrome)
▲Macの左下に、メインブラウザ(筆者の場合Chrome)のアイコンが表示されるのでクリックするだけ。iPhoneで見ていたミカンの画像が、Macでも表示されました。iPhoneはSafari、MacはChromeと異なるブラウザでも機能してくれるんです。
Webサイト閲覧(MacのChrome →iPhoneのSafari)
▲iPhoneのロック画面左下にSafariアイコンが浮かんでいるので、これを上にスワイプ。すると、Macで見ていた織田信長の記事がiPhoneに表示されました。
文書作成アプリ(Mac →iPhone)
▲Web閲覧のときと同じ要領で、さまざまなアプリの作業を引き継げます。
5. Instant Hotspot - iPhoneをバッグに入れたままテザリング
テザリングをするとき、普通はiPhoneの設定で「インターネット共有」をオンにしてからパソコンで接続します。でもMacなら、iPhone側の操作は一切不要。ポケットに入れっぱなしで構いません。
▲Macの上部にはメニューバーがあるので、Wi-Fiマークを押して自分のiPhoneを選択するだけ。たったこれだけでテザリングが始まります。
6. ユニバーサルクリップボード - こっちでコピー、あっちでペースト
デバイス間でコピペできる機能です。しかも、テキストはもちろん画像までコピペできるのが秀逸。
▲左のiPhoneでコピーしたテキストが、右のMacにも一瞬で共有されました。
7. AirDrop - テレポートするかのような高速ファイル共有
約9メートル以内にあるデバイスへ、画像・動画・音楽などのファイルを瞬時に送れる機能です。メールやクラウドサービスを使うより遥かに便利ですよ。
▲共有機能から、送り先のデバイスを選択します。
▲受信するデバイスで「受け入れる」を選択。写真ならほぼ一瞬、動画でも数秒〜数十秒ほどしかかかりません。ちなみに、自分自身のデバイスだけでなく他人のiPhone・Macともファイルのやり取りが可能です。
8. QuickTime - iPhoneの画面録画。スマホゲーム実況などに
Macとケーブル接続すれば、iPhoneの画面録画ができるようになります。
▲Windowsでも無線で録画するソフトがありますが、有線のほうが遥かにきれいで滑らか。
9. Apple Pay - 面倒なクレジット番号入力が不要に。指紋認証で決済
Macでネットショッピングするとき、決済画面でチマチマとクレジットカード番号を入力しなくても、iPhoneの指紋認証だけで決済できます。(※ショッピングサイトがApple Payに対応している必要有り)
▲支払方法としてApple Payを選択すると、iPhoneで指紋認証を求められます。認証すればそれだけで決済完了。(※デモ画面)
▲iPhone側ではこのように表示されます。
10. キーチェーン - パスワードを連携して入力の手間が省ける
例えばiPhoneでどこかのサイトにログインしたら、そのパスワードが記憶され、Macでは自動入力されるようになります。面倒なパスワード入力の手間が省けるわけですね。
▲初回ログイン時に「パスワードを保存」を選択。
▲Macでログインするとき、iPhone側で保存したメールアドレスやパスワードを呼び出せます。
11. AirPods - Macでも簡単に使える
iPhone 7からイヤホンジャックが廃止されたので、今後は無線イヤホンのAirPodsが主流になるでしょう。AirPodsがすごいのは、最初の1台とペアリングすれば、他のデバイスではペアリングしなくても認識されるところです。
▲Macは上部にメニューバーがあるので、Bluetoothアイコンから自分のAirPodsを選ぶだけ。iPhone側で接続を切るなどの操作はいりません。
12. サードパーティー製アプリも、iPhoneとMacの連携を前提にしたものが非常に多い
ここまでApple公式の機能をご紹介しましたが、サードパーティー製のアプリも連携を踏まえて設計されたものが豊富。有料アプリの場合はiPhone&iPad版とMac版それぞれ購入する必要があります。
『MindNode』マインドマップ作成アプリ
▲ブレインストーミングなどで使われるマインドマップが作れる人気アプリ。紙に書くのと違って修正が容易です。
▲作ったマインドマップを同期。iPhoneの小さな画面だからといって編集機能を略することなく、作業の続きを行えます。
『Pixelmator』多機能ペイントアプリ
▲画像編集アプリの代表格。Photoshop級の編集機能を持っていながら、Mac版3,600円、iPhone版600円の買い切り(セールで半額以下になることもしばしば)なのでお得です。
▲Macで行っていた画像加工をiPhoneに引き継ぎ。もちろんマウス操作に比べれば操作性は劣りますが、機能的にはさまざまな編集ができます。
『Scrivener』論文や書籍の執筆に使える本格文書作成アプリ
▲イギリス発の文書作成アプリ。見出しを並べ替えたり細かい注釈をつけたり、書きたいことの概要をメモっておいたりと、長文の執筆に向いている作家御用達ツールです。もちろん日本語化可能。
▲Macで執筆した文章をiPhoneでチェックし、加筆修正もできます。
以上が、2017年時点におけるiPhone・Mac連携機能の全貌です。そんなことまでできるのか、と驚くような機能があったのではないでしょうか。
Macの購入を検討している方や、Macを使い始めたばかりという方の参考になれば幸いです。