「熱中症」の犬への絶対NG行為6選
1.氷水をかける・無理に飲ませる
熱中症の犬に氷水をかけたり、無理に大量の水を飲ませたりするのは絶対にいけません。急激な体温変化は犬にショックを与え、低体温症を引き起こす可能性があります。
また、血管が収縮してしまい、かえって熱の放散を妨げてしまうことも。意識がない犬に無理に水を飲ませると、誤嚥(ごえん)して窒息したり、肺炎を起こしたりする危険性があります。
体を冷やす際は、常温または少し冷たい水を使い、首や脇の下、股の付け根など太い血管が通る部分を重点的に濡らすようにしましょう。
2.体全体を水に浸す(特に意識がない場合)
意識がない犬の体全体を水に浸すのは非常に危険です。溺れてしまうリスクがあるだけでなく、呼吸困難を悪化させたり、ショック状態に陥らせたりする可能性があります。
意識がある場合でも、いきなり全身を水に浸すのではなく、足先から徐々に慣れさせ、浅い場所で体を冷やすようにしましょう。
意識が朦朧としている場合は、無理に水に浸さず、濡らしたタオルで体を包むなどして、呼吸が妨げられないように注意しながら冷却してください。
3.水分補給を焦り、大量に与える
熱中症で脱水状態の犬に、焦って大量の水を一度に与えるのはNGです。犬の消化器機能は低下していることが多く、大量の水を摂取することで嘔吐を誘発したり、誤嚥したり、胃拡張を起こしたりするリスクがあります。
意識がある場合でも、少量ずつ、ゆっくりと時間をかけて与えるようにしましょう。犬が自力で水を飲まない場合は無理強いせず、すぐに動物病院に連絡して指示を仰ぐことが重要です。ペット用の経口補水液も有効ですが、与え方には注意が必要です。
4.動物病院の受診を遅らせる
熱中症は進行が非常に早く、命に関わる緊急性の高い病気です。「少し様子を見よう」「これくらいなら大丈夫だろう」と飼い主が自分で判断し、動物病院への受診を遅らせるのは絶対にいけません。
たとえ初期症状であっても、犬の体には深刻なダメージが及んでいる可能性があります。熱中症が疑われる症状が見られたら、すぐに動物病院に電話で連絡し、現在の状況と行った応急処置を正確に伝え、指示を仰ぎましょう。
初期の段階で専門家の手当てを受けることが、愛犬の命を救う鍵となります。
5.冷却せずに車で移動する
熱中症の犬を冷却せずに、そのまま車に乗せて移動するのは危険です。車内は外気温よりも高温になりやすく、エアコンをつけていても、体が十分に冷えていなければ、移動中に体温がさらに上昇してしまうリスクがあります。
車に乗せる前に、まずは体を十分に冷やす応急処置を優先してください。移動中もエアコンを最大にし、窓を開けて換気を行いながら、冷たいタオルなどで体を冷やし続けるようにしましょう。移動中も常に犬の体温管理を意識することが大切です。
6.パンティング(ハァハァ呼吸)を止めさせる
犬のパンティング(ハァハァという速い呼吸)は、体温を下げるための重要な生理現象です。これを邪魔したり、口元を塞いだりして止めさせようとするのは、熱中症を悪化させる絶対NG行為です。
パンティングを妨げると、犬は体内の熱を適切に放出できなくなり、体温がさらに上昇してしまいます。熱中症が疑われる場合は、パンティングを妨げずに、呼吸しやすい環境を確保しつつ、体を外側から冷やすことに集中しましょう。
飼い主が知っておくべき熱中症の正しい応急処置
熱中症のサインが見られたら、まず涼しい場所へ移動させましょう。次に、体を効率的に冷やすことが重要です。首、脇の下、股の付け根など、太い血管が通る部分に常温または少し冷たい水をかけたり、濡らしたタオルや保冷剤(タオルで包む)を当てたりします。
全身を濡らす場合は、毛の根元まで水が行き渡るようにし、扇風機やうちわで風を送り、気化熱で体温を下げる効果を高めましょう。意識がある場合は、少量ずつゆっくりと水を与え、脱水対策も行います。
これらの応急処置と並行して、すぐに動物病院へ連絡し、指示を仰ぎながら速やかに搬送しましょう。
熱中症を未然に防ぐための対策
熱中症を未然に防ぐには、生活環境の徹底した管理が不可欠です。室内ではエアコンや扇風機、除湿器を適切に使い、室温と湿度を快適に保ちましょう。クールマットやアルミプレートなどの冷感グッズも効果的です。
散歩や外出は、早朝や夜間の涼しい時間帯を選び、アスファルトの路面温度にも注意してください。外出時にはこまめな水分補給を心がけ、休憩を挟むようにしましょう。そして、犬を車内に放置することは絶対に避けてください。
日頃から犬の飲水量や元気、呼吸の様子を観察し、異変にいち早く気づけるよう意識を高めることが大切です。
まとめ
犬の熱中症は、命に関わる緊急性の高い症状です。飼い主が良かれと思ってとる行動が、かえって症状を悪化させるケースも少なくありません。正しい応急処置を把握し、冷静かつ適切な対応ができるよう準備しておきましょう。
日頃からの徹底した予防対策と、わずかな異変にも気づける観察力が、愛犬を危険から守る鍵となります。
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