アトピー性皮膚炎とは?そのつらさと実態
犬のアトピー性皮膚炎は、遺伝的な素因を背景に、環境中のアレルゲン(ダニや花粉など)に対して過敏に反応してしまう慢性的な皮膚疾患です。主な症状は、強いかゆみ、皮膚の赤み、湿疹、脱毛などで、耳、顔、足先などに多く見られます。
人間のアトピー患者の証言からも分かるように、アトピー性皮膚炎は「かゆみ」だけの問題ではありません。寝られないほどの激しいかゆみにより精神的にも追い詰められ、日常生活に支障をきたすこともあります。
犬の場合も同様で、夜通し掻き続けることで睡眠不足を起こしたり、傷ができ二次感染を引き起こすケースも少なくありません。
なぜ「アトピービジネス」が広がるのか
1990年代の日本では、人間のアトピー治療に用いられていたステロイド外用薬の副作用がメディアで注目され、一部の患者が使用を中止。その結果、一時的に症状が悪化する“リバウンド”を経験し、ステロイドに対する不信感が広がりました。
そこに登場したのが「ステロイドを使わないアトピー対策グッズ」です。石鹸、水、寝具、食品、サプリメントなど、あらゆる製品が「アトピーに効く」として販売され、巨大な“アトピービジネス”が生まれました。
この傾向は、現在SNSを通じて犬の飼い主層にも広がっています。インフルエンサーや企業が、「このフードで完治しました」「このシャンプーだけで痒みゼロに」などといった広告を投稿し、科学的根拠のない商品が次々と売られています。しかし、犬のアトピーは完治が難しい慢性疾患であり、魔法のように治ることはほとんどありません。
たとえば海外の国ひとつであるイギリスでは、広告規制が厳しく、虚偽表示は禁止されています。そのため、いわゆる「アトピービジネス」のような市場は日本ほど広がっていません。日本では自由な広告表現が可能な一方で、飼い主が誤情報にさらされやすいという側面があります。
信頼できる治療と、飼い主にできること
犬のアトピー治療の基本は、獣医師の診断に基づいた「総合的な管理」です。ステロイドや分子標的薬(例:アポキル、サイトポイント)などの薬物療法に加えて、アレルゲンの回避、保湿シャンプーの使用、食事療法が組み合わされます。
SNSの情報に飛びつく前に、以下の点を見直しましょう。
- 「完治」「薬不要」など、過剰な表現が使われていないか
- 口コミが感情的すぎないか、具体性があるか
- 使用成分が明記されているか、安全性は確認されているか
- 販売元が獣医師監修かどうか
また、かゆみが強く、症状が長期化している場合は「アトピーではない他の皮膚病」が隠れている可能性もあるため、必ず動物病院での診断を受けるべきです。
犬の症状改善には「日々の観察」がカギになります。どのフードで悪化するか、どのシャンプーが合うか、ストレスとの関連などを記録しながら、かかりつけの獣医師と連携してケアしていきましょう。
まとめ
犬のアトピー性皮膚炎は、一筋縄ではいかない慢性疾患です。SNSの広告に惑わされず、正しい情報と獣医師の助言に基づいてケアを行うことで、愛犬の生活の質を高めてあげましょう。
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